【感想】県外の方との会話を楽しくするために
僕は香川県出身である。
社会人になって初めて上京することになった。
必然的に標準語圏で育ってきた方と会話する機会も増えた。
今回は「県外の方々との会話で困った瞬間」について書こうと思う。
この記事を読んでくださっている方の中には
今後上京する方もいるかもしれない。
同じような状況が起こるかも、といった気持ちで読んでいただけると嬉しい。
初対面の方と会話をする際に選ばれる王道テーマ。
その1つは地元に関する話だと思う。
相手が育ってきた背景を知ることもできるし、
土地を通じて共通の話題も探せるので、無難で良いテーマだと思う。
とても平和なテーマ。
ただ職場での雑談においては困る瞬間がある。
3回に1回ぐらいの頻度でこのケースに遭遇するだろうか。
職場の上司や先輩から以下のように要求される。
「7番サードくん。香川県出身なんでしょ?方言出ないよね?
今からの会話、全部方言で喋ってみてよ。」
とても困る。
もちろん地元に方言がないわけではない。
香川県には讃岐弁と呼ばれる方言がある。
(讃岐弁に馴染みがない方向けにお伝えしておくと、
関西弁をややマイルドにした感じをイメージいただければ良い。
関西圏の方からはよくエセ関西弁と言われる。)
方言はあるが困る理由。1つ目。
「目上の方と話す時にそこまできつい方言は出ない。
ゆえに、その後の会話が盛り上がる気がしない。」
この手の要求をする上司達は、
おそらく聞き馴染みのない言葉を聞くことで、盛り上がりたいのだろう。
ただ、落ち着いて考えてみてほしい。
仕事や目上の方と話す時は原則、敬語か丁寧語である。
僕の場合、イントネーションがやや関西風になることはあっても
目上の方との会話で(TV番組でネタにされるような)面白おかしい喋り方にはならない。
困る理由。もう1つ。
こちらの方が大きいかもしれない。
「そもそも方言を忘れてしまっている。」
もちろん地元の友人と話す時やタメ口で話す時は方言が出る。
めちゃめちゃ讃岐弁で喋る。ただ職場では別である。
僕が初対面の方の前であまり方言を
出さなくなったのには理由がある。
香川県を出て間もない頃、讃岐弁が伝わらない経験をした。
例えば「むつごい」「えらい(しんどい)」「まける(こぼれる)」などの表現だ。
当時は伝わらないのも新鮮で楽しかったのだが、
自分の発言を1回で聞き取ってもらえないとなると、
多少なりとも会話の流れは悪くなる。
その都度伝わる表現に言い直すのが、だんだん煩わしくなってくる。
次第に僕の体は標準語ベースにチューニングされていった。
チューニングが完了した僕に、
「さぁ、上司に向かって方言で喋ってみなさい!」
などと言われても即座に反応できるわけがない。
要求の度に中途半端な方言を披露して
場を微妙な空気にさせてしまった苦い記憶の方が多い。
県外の方と話す時に困った場面は他にもある。
県外の方から方言以上に聞かれるお決まりの質問。
「おすすめのうどん屋教えて。」
これに対して僕は内心こう思う。
(正直知らんなぁ・・・)
香川県民にとってうどんは、なじみ深い食べ物だ。
僕も例外ではない。近所のうどん屋ならよく知っている。
でもおすすめのうどん屋(もしくは美味しいうどん屋)と聞かれると、
正直よく分からない。
令和の時代、Googleの方が精度が高い回答ができてしまうと思うのだ。
でもこの質問をしてくる方々は
単純に美味しいうどん屋が知りたいだけではなく、
会話を楽しみたいのだと思っている。
そういう意味でも、期待に応えられなかった罪悪感は拭えない。
この記事を読んでいただいている皆様には
僕と同じ経験をして欲しくない。
だから解決策を考えた。
「前もって例を用意しておく。」
どうだろうか。
あらかじめ用意しておいたテンプレートを披露するのである。
例えば方言のケース。
「先輩今、何しょんですか?」
「雨ふんじょるらしいですよ。」
「このくらいなんちゃでないですよ!」
「はい、しゃんしゃんしましょ。」
といった具合に2~3言フレーズを用意しておくのである。
うどん屋のケースであれば、
・友人や両親などからおすすめのうどん屋を聞く。
・自分の中で紹介用のうどん屋を2〜3個ピックアップしておく。
・情報収集をする際にはおすすめポイントも合わせてメモしておく。
といった具合だろうか。
事前準備というと大袈裟だけど、
よく聞かれそうな内容に関しては
テンプレート的な答えを持っておくのも悪くないのではないかと思う。
最後に、今後県外に出られる方へ。
地元のことを話す機会は、想像しているよりずっと多いと思っていた方が良い。
だからこそ、方言含め地元のことを簡単にPRできると
会話を円滑に進める助けになると思う。
そこで提案。
・地元は他県の人からどう思われているか
・地元にあるもので他県の人の興味をひくものはあるか
といった視点で、地元をどうPRするかを1度考えてみるのはどうだろう。
きっと他県の方から喜ばれる話題を提供できると思う。
いつか地元を出た時に楽しい会話ができる、
皆様の地元を魅力的に思う人が増える、そんな未来を願っている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?