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職場での腰痛予防と腰痛の労災認定①

職場における腰痛は、休業4日以上の職業性疾病の6割を占める労働災害となっています。

厚生労働省では、1994年に「職場における腰痛予防対策指針」を策定しましたが2013年6月に適用範囲を福祉・医療分野における介護・看護作業全般に広げるなど、全面改定をしました。

事業者は、この指針を踏まえて事業場の実態に即した対策を講じることが必要です。

<職場での腰痛予防>

職場で腰痛を予防するには、労働衛生管理体制を整備したうえで
作業・作業環境・健康の3つの管理と労働衛生についての教育を
総合的・継続的に実施することが重要です。

◆◇「作業・作業環境・健康の3つの管理と労働衛生」のポイント◇◆

≪作業管理≫
自動化・省力化
機械による作業の自動化、台車などの道具や補助器具を使い、腰部への負担軽減を図る。

作業姿勢・動作
腰部に負担のかかる中腰、ひねり、前屈などの不自然な姿勢、急激な動作をなるべくとらない。

作業の実施体制
作業時間・作業量などを設定する際は、作業をする人数・内容・時間・重量・自動化/省力化の状況などを検討する。
腰に過度に負担がかかる作業は、無理に一人ではさせない。

作業標準の策定
作業の姿勢・動作・手順・時間などについて、作業標準を策定する。
作業標準は、作業者の特性・技能レベルなどを考慮して定期的に確認する。

休憩・作業量、作業の組み合わせ
適宜休憩時間を設け、姿勢を変えるようにする。
夜勤や交代制勤務、不規則な勤務については、昼間の作業量を下回るよう配慮し
休憩や仮眠がとれるようにする。

≪作業環境管理≫

温度
寒い場所での作業は、腰痛を悪化または発生しやすくするので、適切な温度を保つ

照明、作業床面、作業空間や設備の配置
作業場所などで、足元や周囲の安全が確認できるように適切な照度を保つ。
転倒、つまづきや滑りなどを防止するため、凹凸や段差がなく、滑りにくい床面にする。
作業や動作に支障をきたさないよう、十分な作業空間を確保するとともに、適切な機器配置にする。

振動
車両系建設機械の操作・運転などによる腰や全身への激しい振動、車両運転などによる長時間に渡っての振動を受ける場合には、座席の改善・改良により、振動の軽減を図る。

≪健康管理≫
健康診断
腰に著しい負担がかかる作業に常時従事させる場合は、その作業に配置する際に医師による腰痛の健康診断を実施する。
その後は6か月以内に1回実施する。

腰痛予防体操
ストレッチを中心とした腰痛予防体操を実施させる。

腰痛による休職者が職場に復帰する際の注意事項
腰痛は再発する可能性が高いので、産業医などの意見を聴き、必要な措置を取る。

≪労働衛生教育≫
労働衛生教育
重量物取り扱い作業、介護・看護作業、腰痛の予防・管理が必要とされる作業など腰部に著しい負担のかかる作業に従事する従業員に対し、腰痛の予防に配慮した労働衛生教育を実施する。
この労働衛生教育を推進するため、「腰痛予防のための労働衛生教育実施要領」と「腰痛予防のための労働衛生教育指導員講習実施要領」が定められている。

心理・社会的要因に関する留意点
上司や同僚のサポート、腰痛で休むことを受け入れる環境づくり、相談窓口の設置など、組織的な取組みを行う。

◆◇作業別 腰痛予防対策◇◆ 

「職場における腰痛予防対策指針」には、腰痛の発生が比較的多い作業について個別の腰痛予防対策を示しています。

≪腰痛の発生が比較的多い作業と、その腰痛予防対策の一例≫
重量物取り扱い作業
機械を使わずに人力によってのみ作業する場合の重量は、男性(満18歳以上)は体重の概ね40%、女性(満18歳以上)は、男性が取り扱う重量の60%程度とする。

立ち仕事
1時間に1・2回程度の小休止・休憩を取らせ、屈伸運動やマッサージなどを行わせることが望ましい。

座り作業
不自然な姿勢での作業とならないよう、作業対象物は肘を伸ばして届く範囲に配置する。

福祉・医療分野等における介護・看護作業
人を抱え上げる作業は、原則人力で行わせない。福祉用具を活用する。

車両運転等の作業
建設機械などの操作・運転による激しい振動、トラック・バス・タクシーなどの長時間運転では腰痛が発生しやすくなるので、座席の改善・運転時間の管理を適切に行い、適宜休憩を取らせるようにする。


※厚生労働省のHPで指針が確認できます。詳細が掲載されていますので、ぜひ一度ご確認ください。
職場における腰痛予防対策指針

職場での腰痛予防と腰痛の労災認定②もあわせてご参照ください。



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