見出し画像

手放したもの=手に入れたもの

「ちょっと頑張ったんじゃないかな。」
牡羊座の新月から今日の満月までの期間はそんな風に思える半年間。自他共に認める自己評価辛めの私にしては珍しい感想ですが、こう思えるのもちょっとした成長の証じゃないかなと思うことにしています。

この半年間もHIMEMIYAのお仕事を軸に動いてきた日々でした。
率直に申し上げますと、予想以上の実績を積み上げることができました。
一番大きかったのは、何度も書いておりますが、西宮市門戸厄神東光寺様の樹齢800年の延命魂の美観再生保存施工でしょうか。
現代の名工は来期始まるプロジェクトの内定を得たこととおっしゃるでしょう。

私の中にはだまだ諦めずにフォローを続ける案件や次の目標もありますし、名工も「まだ序の口や!」と思ってくださっています。

ですがこの満月を機会にちょっと「手放し」を行うことに決めました。

HIMEMIYAの業務に関してはすべての決定権・実行権を名工に委ねていこうと。

これは私にとってはすごくチャレンジングなこと、おそらくこれまでの自分の人生でも初めてのこととなります。なんといっても「隅から隅まで自分でやらないと!」と思ってきました。企業に勤めている時、部下に仕事を任せたとしても細かすぎる修正をすべてにわたって細かすぎる修正をかけ続けていたという好ましくない上司だったこともあります。
ですから「お任せします」と言いながらも、ものすごく葛藤がありました。
受けるお仕事、断る案件は勝手に決めて欲しくない、名工の価値を落とすような価格設定にしたくないから始まって、FAX送信方法から見積書のテンプレートに至るまで(笑)

ですが「ワシに任せとけ!あんたの理想と野望を全部かなえてやるからな。」と有言実行の名工が自信を持って胸を叩いているのですから、それを「結構です」とお断りするのもいかがなものかと(笑)
「負ける試合はしない。」「負けるのが一番嫌。」とある意味ガキ大将のように言葉にする名工には、名工なりのプランがあるのでしょう。
任せます、と何度も伝えてきたけれど、見積もり金額一つにしても「これでええか?」と毎回確認を求めてきてくれる律儀なところもあり、常に私を立て続けてきてくれていることを考えますと、無謀なことはなさらないはず。それが2年かけて築いてきた信頼関係とも言えます。

もちろんすべてを委ねるといっても、本当に必要なことは自分で守り続けていきます。例えば会社の理念。名工とは2年かけて何度も何度も話し合ってきましたが、名工と私が違う人間であるように、それぞれが持つ企業としての理念が完全に一致することはありません。それをきちんと理解した上で「任せる」のですから、今まで以上に私は自分で作り上げ、育てている「理念」を大切にしようとも思っています。

「委ねる」(手放す)ことで組織やビジネスを大きくしていく。
実はこれは私が企業勤務で目指していながらもやり遂げられなかったことの一つです。私を育ててくださった上司たちは私を信頼して「委ねる」ことをやってくださっていました。だからこそ自分でもやりたかった。

それができるようになった。(やれるようになっている。笑)
これは「手放し」たからこそ「手に入れた」もの、一つの成果だと思うようにしています。

・・・・と言いながら、小さなことでまだ名工のアドバイスを受け入れきれない自分も自覚しています。
今もある案件で名工の決定を素直に受け入れられず、「あと少し考えます」と返事を保留しているところです。まだ「委ねる」のも道半ばということですね。当たり前ですがまだまだ学びは続いていくのです。

そして「委ねる」ことで空いた時間と労力で次のプロジェクトをスタートしています。すでにKick-offは終わり、少しずつ準備をはじめてはおりますが、今週末から本格的に動きはじめます。

これまでこちらの分野は「手放さざるを得なかったもの」「手放せと言われたもの」がとても多かったように思えます。だからこそ「手に入れることができた」新しいスタイル、やり方。自分の中にある理念を素直に見つめながら大切に育てていこうと思いを新たにしております。

きっと半年後あたりには「これだよね!私がやりたかったこと!!」と言っているような気がいたします。与えられたすべてのものを感謝して、愛しみながら。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?