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【遠征記 vol.3】ローカル線で行く日帰り旅(栃木SC編)

2021.6.9(栃木県グリーンスタジアム

昨年はコロナウイルスの影響で大会の規模が縮小され参加できなかった天皇杯。今年は例年どおりの開催となり、FC町田ゼルビアは2回戦から出場。相手は苦手な栃木SC、会場はこれまで得点すら取れたことのないグリスタということで、難しい戦いになることが予想される中、勝てば相馬監督率いるアントラーズと対戦できる可能性が高いこともあり、「絶対勝ちたい」という思いで栃木に乗りこんだ。

グリスタまでの道のり

栃木SCのホーム、栃木県グリーンスタジアムを訪れるのは2年ぶり。この日は1日夏休みを取っていたのと、19時開始ということもあり、せっかくなのでこれまで行ったことのないルートでゆっくり行こうということで、少し遠回りして寄り道もしながら向かうこととした。

こちらは茨城の玄関口、取手から下館を結ぶ関東鉄道常総線。ローカル線だということはわかっていたが想像以上にローカル線だった。高校時代、単線でドアが押しボタン開閉式の八高線に毎日乗っていた私でも驚くほどだ。しかし、遠くまで来たという非日常を味わえるそんな電車だった。

茨城の広大な田んぼの中を走る電車に揺られ、およそ1時間で下館に到着。ここで少し驚きの出来事が。なんと下館駅であるゼルサポさんに遭遇。まさか自分と同じルートでグリスタに向かっているのか?とか、茨城在住のゼルサポさんか?といろいろ考えを巡らせたが、現地でお会いしてその理由を確かめることができた。

お昼に食べた下館ラーメン。鳥もつが入っている濃口醤油ラーメン。とてもおいしかった。例の方に美味しいお店を紹介していただいたので、次はそちらに伺ってみようかなと思う。

下館からは真岡鉄道に乗り、真岡駅へ。真岡鉄道といえば、SLが走っていることで有名だが、現在は車両点検中?で一時的に運行していないとのこと。先ほどの常総線よりもさらにローカル。Suicaは使えず乗り方もわからない。バスのように運転手さんに直接運賃を支払うシステムだった。

真岡の街を少し散歩してお土産を買って、宇都宮駅経由でグリスタに着いたのは18時半過ぎ。本当は17時には着く予定だったが、だいぶ遅れてしまいスタメン発表に間に合わず。ただ、バスで向かう道のりも楽しかったので良しとしよう。

さあ、観光気分もここまで。栃木まで来た理由はゼルビア戦士の熱い戦いを見るため。ここからは試合に集中。

新しいサッカーへの挑戦

結果はご存知のとおり0-2での敗戦。結果だけ見ればやはりスタメン組とサブ組には差があるのかと思ってしまうが、決して悲観する必要はないと感じている。これはチームが新たなフェーズへ向かっているサインであり、乗り越えるべき壁なのだと思う。

というのも、この試合のゼルビアはミスをしながらもビルドアップにこだわった。特に前半はその傾向が顕著に現れていた。その過程でミスが生じ結果的に失点につながったが、やろうとしていることは伝わってきた。

栃木はJ2の中でも屈指のハードワークを強みとし、前線から激しくプレッシャをかけてくるチームだ。いわば相馬監督時代のゼルビアにどこか似通ったスタイル。

こうした栃木の特性も踏まえて、プレスにくる栃木ディフェンスをいなして、かわしてチャンスを作ろうと試みた。サブ組中心のメンバー構成の中、麗央や祥平をスタメンで起用したのも、そういった意図があったと思う。

しかし、現状のゼルビアにはそれができるだけのクオリティがなかった。この一言に尽きると思う。フルメンバーで戦っていたら違う結果になっていたのかもしれないが、この試合では栃木ディフェンスの網にことごとく引っかかってしまった。

後半はメンバーチェンジをしながら、いい形を何度も作ったが、栃木ディフェンスの牙城を崩せず、先制してあとは逃げ切るという相手のプランどおりに試合を運ばせてしまった。

前線から激しくプレスをかけてくるチームに対していかに自分たちの形をつくり崩していくか。これこそが乗り越えなければならない壁であり、これを乗り越えた先にJ1が見えてくるのだと思う。実際にリーグ戦で手堅い戦いをしてくる下位チームに勝てない理由もなんとなくわかった気がする。

一方でポジティブな要素もたくさんあった。ゼルビアデビューとなった奈良坂くんや岬くんは気持ちを見せていたし、自分の強みを存分に出せていた。先発起用されたターラも積極的にシュートを狙っていた。

リーグ戦では出場機会が少ない選手がアピールできるのが天皇杯という大会の面白さ。試合には負けてしまったが、栃木まで行った甲斐があった。もちろん、行かなければよかったと思う試合など1試合もないのだが。

おわりに

リーグ戦も中盤に差し掛かったが、6位という立ち位置は決して悪くないのではないか。まだ昇格圏とは差があるが、今回の栃木のような相手から勝利を掴むことができればまだまだ昇格の可能性もあると思う。

幸いなことに、やり返すチャンスが来月すぐやってくる。栃木というチームにグリスタという場所で勝利を掴むことにきっと大きな意味があるのだろう。

ということで、また栃木に行けることを楽しみにして、今回はこの辺りで。

次回は絶対にリベンジをしたい。



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