【Inverstors’ Interview vol.1】SBIインベストメントがAR企業に初出資!プレティアを選んだ理由とは
ー今回初めてご出資頂きましたが、プレティアと出会ったきっかけは何でしたか?
橋詰 Pretiaのβ版事前登録リリースのティザー動画をみて胸を打たれました。イメージがみえたことで将来性が感じられ、今のプレティアが何をしているのか気になって2021年の4月頃にご連絡しました。
元々アニメが大好きでソードアート・オンラインを観ていたので、メタバースという言葉が流行する前からXRにすごく期待はしていました。他のスタートアップの方も、攻殻機動隊などがきっかけでXRのビジネスを始めたと言う方が多かったので、見ている方向が一緒でこの波に乗りたいなと思いましたね。
ー最初に会った時の牛尾の印象はどうでしたか?
橋詰 落ち着いている、真面目で丁寧だなというのと、沢山の情報をロジカルに話しつつもユーモアもある方だなと印象に残りました。
牛尾 正直、最初私はSBIさんに対して固い印象がありました。そもそも金融の会社全体に固いイメージがあったのと、「本業が金融で、AR事業のことがわかるのかな?」という疑問がありました。ただ、橋詰さんと最初にお話したとき、「この人、ワクワクしてくれているぞ、話が通じるぞ」と強く感じました。その後も取引先のご紹介をしてくださるなど、お話しするだけでなく実際に行動を取ってくださって大変頼もしいなと思いました。
実は御社の歴史を見ても、ベンチャーマインドに溢れている会社さんで、我々のスタイルである”投資家の方々と一緒に事業を作っていって会社自体の価値を上げたい”という所にも合致していました。今では本当に多くの会社さんを紹介して下さり、有難い限りです。
橋詰 そこは我々の強みですので、是非ご活用頂ければと思っています。また、ARというテーマのポートフォリオが今までなく、年次が上のメンバーなどを説得する上で事業会社の反応は重要だったので早期から色々紹介させていただいたという背景もありました。
ー異業種出身でARに詳しくなることは結構大変な面もあるかと思うのですが、キャッチアップはどのようにされていましたか?
橋詰 まずはソードアート・オンラインを観ました(笑)電脳コイルとか。あとはMoguraVRを参考にして勉強しましたね。Quest2も実際に買って試しました。
ー続いて、出資を決めた大きな理由をお聞かせ頂けますか?
橋詰 1点目は牛尾さんはもちろんのこと、ダイバーシティあふれるメンバー構成が魅力的だったからです。2点目はARの可能性にベットしたいと思ったからです。
メンバーについてですが、まず牛尾さんについて、学生起業で行政コンサルを元々行われていたので、行政や自治体との折衝力・コミュニケーションが出来る部分と、チームマネジメント・推進力が稀有だなと感じました。今後AR自体が地域自治体と関わるものになってくると思うので、そこで交渉できる能力があるというのはすごく評価させて頂きました。加えて、メンバーの6割以上が外国籍の方であることが魅力的に思いました。”純ジャパ”である牛尾さんがそれを実現できているのがすごいなと。実際に採用のため海外まで行かれたり、リファラルの仕組みが出来上がっていて、初期からグローバルの準備ができているのが、今後の武器になると思っています。
2点目について詳細にお話すると、今ハードウェアの面で”バージョン1”が出てきたという感覚があって、今まで一部技術者の方々だけで話されていたのが、そうでない人々にまで知れ渡っていて、徐々に産業化していく火種を感じました。
ーグローバルというキーワードがありましたが、具体的にARにおけるグローバル展開の可能性やイメージはどのように考えていますか?
橋詰 言語などに関係なく、世界で同時的にARの可能性が生まれてきているので、グローバルに挑戦できる可能性は大きいと思います。Niantic、Snap、GAFAなど有名な会社も技術開発していますが、今横並びで走っている状況なんですよね。その中で、折角であればプレティア経済圏くらい大きいものをという願望がありますね。それができるメンバーや環境が最初から出来上がっている状態なので、高みを目指していただきたいです。
牛尾 手前味噌にはなってしまいますが、AR業界、また業界問わず色々なスタートアップの中でも国内随一のメンバーが集まっていると思うので、ホームランを打てるよう頑張ります。
ー2点目について、今後数年のARの発展をどうみられていますか?
橋詰 個人的には、一旦落ち着くタイミングは来ると思っています。WWDC2022(※)でもハードウェアの紹介はなかったですし、皆が思い描くデバイスが出るのは数年後になると思います。一方で、何ができるのかという想像力を多くの人に持ってもらうことは重要だと思うので、それがかき立てられるイベントはここ1・2年であるんじゃないかなと。
そこでプレティアさんに取り組んで頂きたい事は、開発・利用者コミュニティを両方丁寧に作って伸ばしていく所です。盛り上がりが落ち着くタイミングが来た時でも、ぶれずにARを盛り上げ続けていかないと今まで作った折角のムーブメントがしぼんでしまうと思うので。
牛尾 極論、Pretiaを使ってくれる・くれないは度外視して、AR開発者をとにかく応援していくという形で熱量を高めていければ、結果的にはPretiaも色々な方に選んで頂いて一緒に成長できると思うので、コミュニティーファーストで力を入れてやっていきたいです。
ーARの産業としての発展を目指す上で、何が必要な要素になってくると思いますか?
橋詰 沢山ユースケースを作ることだと思います。これまでにプレティアさんが行ってきた事業の中でもハマるもの、ハマらないものそれぞれあったと思うのですが、それをPDCA回しながら繰り返していきハマるものを横展開していくのが王道かなと感じます。
あとは、フットワークの軽い事業会社さんのユースケースを作っていき、その業界で横に広げていくのが良いと思います。金融業界でいうとARを用いた自動車や住宅ローンの査定、非金融ですと例えばARコンテンツをNFT化するという活用方法など、沢山ありそうです。
牛尾 プレティアの戦略上は、ARマーケットが大きい順にゲーム、エンタメ、製造、小売の上位4つを常に張っています。この4つは明確にユースケースも多いですし、増えている印象もあります。一方で、最近はそれ以外の業界からも大きめのプロジェクトのお話も頂いています。その中で感じることとしては、ARに対しての空想や過度な期待を持たず、地に足ついたご相談が多いということですね。それはポジティブに捉えていて、我々としても具体的なビジネスバリューやコストカット出来る部分について誠実にお伝えしている状況です。
ープレティアが今後成長するために必要な要素は何があるとお考えですか?
橋詰 まずは優秀なメンバーを採用し続けることだと思います。牛尾さんの強みとして、自治体や大企業と対峙してプロジェクトを進められる推進力があると思うのですが、逆に牛尾さんありきの属人的な組織にならないように組織を作る必要はあると思います。あとはキラーコンテンツを作って頂きたいです。そしてそのためには数を出すことですね。
加えて、先ほども触れましたが、コミュニティづくりにも取り組んで頂きたいです。ハッカソン開催などで草の根のコミュニティを広げていって、ボトムアップでユーザー基盤を作っていってほしいです。
牛尾 フロントに立つメンバーは確かに不足しています。今対策としては、全メンバーに研修を行ってメソッドを伝えていくことをしています。能力がある方の採用も続けていきますが、最初から100点のレベルを求めるのではなく、ポテンシャルがある方々に研修を行い組織で成長していければと思います。
橋詰 長期的な目線で言うと、教育現場にトライして頂きたいです。若い頃からARに触れた人達が増えれば、一過性のブームではなく文化になっていくと思います。彼らが起点となってキラーコンテンツが生まれる可能性も上がりますし。そしてその点に関しては、牛尾さんの行政コンサルのご経験も活きる場所だと考えます。
牛尾 加えて、プレティアが持つゲーム開発のスキルも活かせそうです。ゲーミフィケーションを通してスキルを学べる、というのはXRの得意分野ですし、社内メンバーも、彼らが持つ技術力、企画力、対応力を活かしてそのようなことを考えるのが得意なので将来的に良いものを生み出せる領域の1つだと思います。
ー最後に、改めてプレティアに期待することを教えてください。
橋詰 今回初めてARベンチャーに出資させて頂きましたが、私自身もグループにとってもメタバースが新しいパラダイムと考えていますので、日本を代表する企業にぜひなってほしいと思います。特に、開発プラットフォーム・コミュニティを作っているのはプレティアだけなので、ユニークなコミュニティを育てて、あわよくばアジア、北米…と広げていってほしいです。
牛尾 ARを全員が当たり前に使える社会を作るために、色々な側面から今後も尽力していきます。宜しくお願いします。
※ World Wide Developer Conference:Appleが毎年開催する開発者向け会議。Appleの最新情報や、開発者向けに詳細な技術説明のセッション、基調講演などが開かれるイベント。
プレティアでは、採用を強化しています!少しでもご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお話しましょう!