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プレスセミナー(小規模)のステップ方法~成功への具体的な手順~

前回の記事では、プレスセミナーの考え方や重要性についてご紹介しました。今回は、実際のステップ方法について詳しく解説していきます。メディアを集めたレクチャーなどを成功に導くための具体的な手順をご紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。


メディア勉強会・説明会のステップは以下の流れがあります。


STEP1. テーマ・内容の企画

プレスセミナーへのメディア関係者の誘致と参加者の高い満足度を達成するために、メディア関係者が知りたい、聞きたいと思うことをテーマや内容で企画します。

このテーマを決めるのが最も難しいポイントです。メディア関係者が取材するときや特集を組むときに必要で役に立つ情報とはどんなものか、把握しておく必要があります。日頃のニュースや記者さんの動きをウォッチしておきましょう。自社の宣伝のことばかり考えるのはNGです。本末転倒になるので、ご注意ください。

例えば、最近の報道状況や社会情勢、業界や市場の動き、最新の研究や技術の発表などを確認して、テーマや内容を企画しましょう。プレスセミナーのテーマ・内容には中立性が求められます。自社商品やサービスに寄りすぎないように注意してください。自社の内容によせる場合は、普遍的、不変的なもの、トレンドに沿ったもの、先進的な取り組みなどで検討すると良いでしょう。

STEP2. 登壇者の選定

登壇者や専門家・有識者の選定には、経営戦略や広報戦略に合致する人物を選びます。知名度だけでなく、業界の専門知識や経験、プレゼンテーション能力を兼ね備えた人物を選択しましょう。

誤解のないようにお伝えすると、登壇者は必ず専門家や著名な有識者でなければいけないということではありません。

自社の社長や業界に詳しい担当者がこれらの要件を満たしている場合、積極的に選考に加えることができます。彼らは自社の経営戦略や広報戦略に関する深い洞察を持っており、専門知識と経験を通じて価値ある情報提供ができる可能性があります。また、できるようであれば、参加者の多様な視点を得るために、自社の社長や担当者に加えて、他の業界関係者や専門家(場合によっては事例先の方)を組み合わせるのが望ましいです。

STEP3. 誘致するメディア関係者の選定 メディアの種類や人数は、以下の点を検討して選定します。

目的を検討する(以下、例)

  • 広く多数のメディア関係者への訴求とする

  • 個人との密なコミュニケーションを目指し、少人数のメディア関係者への訴求とする

対象者を検討する(以下、例)

  • 部署異動などで新たに自社の担当になった初任者向け

  • 長年コンタクトを取っている担当者向け

  • 新たに広げたいリレーション先の担当者向け

STEP4. 日時・会場の設定

必ず出席をしてほしいメディア関係者がいるのであれば、事前に相談することをおすすめします。その際は、編集スケジュール、参加可能日を確認し、他の参加予定者を加味して、目的に沿った集客につなげてください

コロナ禍でさまざまなイベントや会議のオンライン開催が推進されました。プレスセミナーのオンライン開催、または対面とオンラインの同時開催も、メディア関係者が参加しやすくなる利点があります。

特に重要なポイントとして、以下のような要素を考慮することがあります。

  1. ビジュアルや実地体験の必要性: プレスセミナーのテーマや内容によっては、視覚的な要素や実地体験が重要な場合があります。そのような場合には、対面形式の会場での開催が最適です。参加者に直接見せることで、より具体的な情報や体験を提供することができます。

  2. 専門家や著名人との対面: 専門家や著名人との直接的な対面には特別な価値があります。彼らの知識や経験を直接受け取ることで、参加者は深い洞察や貴重な情報を得ることができます。このような場合には、対面での開催が有効です。

  3. オンラインの利点: 一方で、オンライン開催の利点も考慮する必要があります。オンライン形式では、参加者の地理的制約を超えて参加することができますし、柔軟な参加方法を提供できます。また、視聴者が質問やコメントを送信することも容易です。情報の理解やインタラクションにおいてオンラインで十分な場合は、対面開催よりも効率的で手軽な選択肢となります。

結論として、特別なメリットがない場合やオンラインでの情報伝達が十分な場合には、オンライン開催やハイブリッド形式の選択を検討することが望ましいです。参加者との相談や意見交換を通じて、最適な開催方法を決定しましょう。

STEP5. 当日の進行方法の企画

プレスセミナーの経験のない登壇者とは、綿密に打ち合わせをしましょう。事前に講師へ参加予定メディア担当者のリストを渡して、メディアやメディア担当者の特性、プロフィールを説明する必要があります。メディア関係者が理解しやすいプレゼンテーションのコンテンツや配布資料を講師とともに準備します。また、メディア関係者から質問されると予想される内容について、プレスセミナー内での説明や回答案を準備して講師と共有することも大切です。

開催当日にスムーズな進行ができるように、スタッフで打ち合わせをして準備します。タイムスケジュールや進行台本を作成して、オフラインで開催する場合などは、席の配置は講師の話を聞きやすく、質問がしやすくなるように工夫しましょう。

STEP6. 開催後のアフターフォロー

プレスセミナー後のアフターフォローは重要です。参加者やメディア関係者への感謝のメールや参考資料の提供、質問への迅速な回答などを行いましょう。必要があれば、個別にレクチャーの機会を設けても良いかもしれません。また、参加者リストやメディア関係者のデータベース(メディアリスト)を作成し、定期的な情報提供や関係構築のための取り組みを継続的に行うことが重要です。

継続的なアフターフォローは関係構築やブランド認知の向上につながります。定期的なニュースレターやイベントの案内などを通じて、メディア関係者との継続的なコミュニケーションを図りましょう。

最後に

何度もお伝えしていますが、自社側の都合だけで考えるのではなく、開催自体が目的になってはいけません。目的は、あくまでもメディア関係者や参加者に有益な情報を提供し、相互のコミュニケーションを図ることです。そのためには、参加者が利便性や効果的な情報受け取り方法を享受できることが重要です。

開催することによって労力がかかる分、社内の関係者からメディア露出や効果などを期待されるケースがあると思いますが、「広告宣伝ではない」という理解を協力関係者にインプットして、互いに無理のない期待値を持つようにしましょう。

参考:招待メールのサンプル

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