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出産立ち会いのススメ

出産を控えたパートナーがいらっしゃるプレパパのみなさま。
「立ち会い」お願いされてますか?

立ち会ってね!とヨメに言われて決めたものの、なにをしたらいいかわからない。
なんか、腰をさすったりするんですよね?
噂によると、立ち会っても無力感を感じるだけらしい。
とりあえず、命がけで産んでくれたヨメに感謝する気持ちが湧くらしい。

プレパパたちに立ち会いの印象を聞くと、たいていこういった回答をいただきます。
(あと表立っては言いにくいけどちょっとグロいって聞いてるとかかな)

プリパレでは、病院や自治体主催で開かれる両親学級よりさらに一歩進んだ出産準備教育=バースエデュケーションに取り組んでいます。
その中でも非常に重きを置いているのが、パパに向けての出産立ち会いアドバイス。出産からパパがしっかり関われたら、夫婦の信頼関係は強固なものになります。

いま立ち会いができなくなってるし関係ないわと思ったそこのあなた!!(肩をガシッと掴みたい)
あなたが今見ているその画面およびネットにつながる電波を使えば、手を握れなくても、腰をさすれなくても、一緒にいることができます。画面越しでもいないより絶対にいいんです。なんとかして立ち会いを実現しましょう。
病院によってはスマホ用の三脚を用意して遠隔立ち会いを勧めてくれるところさえあるそうです。
そして世の中けっこう今フレキシブルな空気が流れてます。一回だめと言われても交渉の余地もあると思います。諦めるな!いけるって!!

パパたちには、ぜひ、ぜひ、ぜひ立ち会って欲しい。
出産を3回経た経験からだけでなく、私がそれを声を大にして届けたいのには科学的な根拠があります。この記事では出産立ち会いをおすすめしたい理由をお伝えします。

(とは言いつつ、立ち会いを選択するしないは最終的にはおふたりが「しっくりくるかどうか」で決めるべきです。おふたりが納得して決めたことを外野にヤイヤイ言われたらつっぱねてください。強くたくましく。育児にもそれが必要です。でも産むママが立ち会ってほしいって希望してるけどパパが渋ってるという状況ならぜひ考えてほしいなぁー!!)

産む力=本能のポテンシャルを引き出す

よく言われるような「ふたりで乗り越えた」「感謝の気持ちが湧く」などのメンタル面のメリットももちろんありますが、立ち会ってくれる人の存在はお産をスムーズに進めるのにも大事なのです。

なぜなら安心すると出産が進むために必要なオキシトシンというホルモンがいっぱい出て本能が持つ「産む力」を最大限に発揮できるから。

人ひとりおなかの中で育てるって、頭で考えてできることではないですよね。心臓の動きとか、怪我した時にかさぶたを作るとか、そういうのと同じように身体のしくみがそういう風にプログラミングされている。

産む力も、女性の身体に備わっている機能です。本能です。
いま出産は病院でするのが普通(およそ99%が病院)だし、生まれそうになったら病院に行けばなんとかなるんだべっていう感覚の人が多いのではないでしょうか。どうですか?
でも病院に行かなくても人間は何万年も出産をしていたし、生まれそうになったら病院行かなきゃって考えてるの現代の人間だけですよね。誰に教わらなくても動物たちって出産しています。私達の多くはもともと持っていた力を手放しかけているんです。(ちょっと言い回しがスピってるけど本当にそう思う)

身体が持ってるすっごい力を発揮するチャンスなんだから、むしろ身体に任せたり、それをサポートする、という方向性でいくのをおすすめしたい。
「新しい命を産む」という動物的な本能をいかに活かすか。周りのサポートは現代人的にしゃっきりしといてほしいけど、産む本人に限っては人間からちょっと脳が退化するぐらいがちょうどいい。

通常よりも動物寄りになっている産婦さんに「ここ安全な場所だよ、産んで大丈夫だよ」と伝えて安心できる環境を整えてあげたら本能のほうでポテンシャルを発揮してよっしゃ産んでこうぜとオキシトシンを出してくれます。

オキシトシンとは

さて既に何回かオキシトシンと連呼しましたがこのホルモンについて説明します。
オキシトシンは「幸せホルモン」とか「ラブホルモン」とも呼ばれています。普段だとこんな時に出ます。

●大事な人とハグをしてじんわり幸せを感じるとき
 恋人じゃなくても、家族や友人やペットとハグをしても出ます
 子供がいらっしゃる方なら、子供をぎゅーとした時のやつです
 赤ちゃん(我が子でなくても)の匂いを嗅いでも出ます
●ごはんをおいしく食べてて幸せを感じたとき
●歌っててめっちゃ気持ちよくなってきたとき
●オーガズムで幸せな感覚を感じるとき
などなど

オキシトシンは「信頼・愛情・絆」を作り出す働きをします。生き物同士がつながり共存するために必要な力をオキシトシンが支えてくれている。

それが出産にどう関係するかというと、ずばりオキシトシンなしでは陣痛がやってこない。子宮を収縮させる=陣痛を起こすのがオキシトシンだからです。なんならお産を誘発・促進するために陣痛促進剤として点滴されるのがオキシトシンです。自然分娩なら陣痛なしでは産めません。入り口が開いて入れ物がキューッとならなかったら中の赤ちゃん出て来れないでしょ?
入り口を開けるのも収縮の力です。収縮が強ければ強いほど一回一回のパワーが赤ちゃんを出す力になります。オキシトシンをたっぷり出せたらちゃんと出産が進みます。そしてオキシトシンが出てるからこそ赤ちゃんをいっぱいの愛で迎えることができます。うまくできてますよね。

出産を終えたあとも授乳するためにオキシトシンが要るし、授乳すればオキシトシンが出るし、それで親子の愛着関係を形成させるというカラクリもあります。神様すごい。とにかくこの時期すっごい大事なホルモンです。

オキシトシンを出すには

というわけで、子宮の中にいる赤ちゃんを出す有効な強い収縮を起こそうと思ったらオキシトシンを出していきたいなという話になりますね。どうしたら出産の時に十分なオキシトシンが出るか。

簡単に言うと、産む人が安心できる環境をつくり、守ること。

安心できる環境というのはその人それぞれで違います。
たとえば、どこなら気持ちよく歌えるか。カラオケで店員さんが部屋に入ってきた時のあの緊張感はなるべく避けたい感じです。セックスのときみたいに完全にふたりきりというのは難しいですが、できるだけ集中できる環境がいいですね。(環境のマイナス要素を凌駕する集中力があれば大丈夫かも)

どういうお部屋かなどハード的な環境の他にも、信頼している人がいるというソフト面の要素も大いに安心に繋がります。そこで立ち会う人です。(やっと!!)

信頼している人の存在が同じ空間にあること。
肌に触れてあたたかさを感じること。
そして一緒に呼吸すること。

これがいつ終わるかわからん陣痛に耐えるママの支えにどれだけなるか、ちょっとでも想像してもらえたら嬉しいです。

支えるためには知識と練習がいる

さていざ出産本番。「安心できる存在」の人には、少しでもどっしりと構えていてほしいです。
オロオロしてると産む人より呼吸が浅くなりかねません。「大丈夫安心して」って言う人が浮ついてたら説得力ないです。なにしろママは本能むき出しなのでオロオロが伝わっちゃったら「まぁしょうがないよね」とフォローする人間的思考回路の余裕がない。

オロオロを減らすためには、知ることから。だから出産の流れや支え方について知ってください。産む当事者であるママだけじゃなくて支えるパートナーにも知識があれば、出産体験はふたりにとってさらにかけがえのないものになります。

出産に立ち会えば、そしてうまく波に乗れたら、ふたりの間にもオキシトシンのシャワーが降ってふたりの関係もより強固な絆で結ばれます。
かなりの株上げチャンスです。本能に訴えかけてますからね。笑

そして支え方も、ぶっつけ本番よりも、練習するべし。

だから出産がどう進むのか、産む人をどう支えるのかを勉強して一緒に練習してほしいなと思ってます。

さらに詳しく学びたい方はぜひプリパレへ。


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