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小さなおにぎり屋さん

2015/03/27

近所に小さなおにぎり屋さんがあります。
本当に小さなお店で、
若いご夫婦2人でやっている。
私はこのお店がとても好きです。
ここのおにぎりは本当に美味しい。

お米が美味しいとか、
炊き方が美味しいとか、
それもあるとは思うんだけど、
何て言うか…
きちんと心を込めて
握ってくれている感じがする美味しさです。

コンビニやスーパーのおにぎりは食べられなくて、
でも権米衛とか、おにぎり屋さんの
おにぎりはたまに利用します。
でも、そういうその他大勢向けに作られた
おにぎりとはちょっと違う。

おにぎりという実にシンプルなメニューだけで
これだけ『美味しい』と思えるのはすごいと思う。

お店の方も素朴で、そこがまた良い。
お客さんも常連の人ばかりだから
きっとお互いいつも見る顔になっているはず。
それこそここが海外だったら
「Hi!」ってなって、お店の人ともお客さん同士も
仲良くなったりするんだろうけど、
そんなことには全然ならない笑。

日常の買物の、至るところで
そういう小さなコミュニケーションを必ず交わすところが、
海外でいいなと思うところだったんだけど、
よく見ないとわからない感じの、
このおにぎり屋さんでのコミュニケーションは
何だか日本らしくてとても微笑ましい。

注文とごちそうさまでした以外
こちらも何も言わないし、
向こうも必要な事以外何も言わない笑。
でも、行ったら『あ、こんにちわ』って感じで
自分を認識してくれていることは伝わるし、
ある時から『ありがとうございました』の後、
『いってらっしゃい』って言ってくれるようになったり。

美味しいおにぎりを食べて、
『ごちそうさま』と言って、
『いってらっしゃい』と見送られて。
その朝のシンプルで小さなやりとりは、
素直に”今日も一日がんばろう”と思わせてくれる。


表面には出ていなくても、
お客さんもお店の人も、
ちゃんと交流していることが感じられる。
だから私も、最近行ってないと思って
食べに行ったりする。
多分他の人もそうだと思う。
それはお店として、とても素敵だと思う。

すごいメニューを売っているわけでもなく、
すごいサービスをしているわけでもなく、
PRを必死にして、
すごくお洒落な何かがあるわけでもない。

一つ百円少々のおにぎりを、
毎日ちゃんと作って静かに心を込めて売っている。
だからこれだけ美味しいのだろう。
その在り方がとてもいい。

このご時世、そういう素朴な美味しさを
世の中にちゃんと存在させて
商売として成り立たせているところがすごいと思う。
うん、なかなかすごいお店だ。
そういうお店は大切にしたい。
これからも、通います。