見出し画像

【友情結婚(番外編)】誰得?出産レポート

※この頁から読みはじめた方へ
タイトルに友情結婚とある通り、私達夫婦は異性への性的欲求を持たない同士で結婚し、性行為を一切経ずシリンジ法にて妊娠しました。
このレポートはまさに誰得?ですが、個人的な備忘録として残しておきます。

セクシュアリティ上、異性との性行為ができない(したくない)けど子どもを望んでいるという方へ向けて、いわゆる処女懐胎でも問題なく出産できた経験談として何かの参考になれば幸いです。

ちなみに抵抗ある方へ先に忠告しておくと、妊婦健診を含めてあらゆる人に陰部やら胸やら見られるし触られるのは避けられません。医師や看護師は性行為したことないなんて知ったこっちゃないので、子宮まで容赦なく器具は突っ込まれるし、それなりに毎回痛みがあります。処置の範疇なので私は特に気にしませんでしたが(最後はもうそれどころじゃないし)、男性医師も勿論おられます。そういう点もふまえて、ある程度の覚悟は必要かなと感じました。


前日、38w4dの検診で内診、子宮口が既に3cmほど開いていると言われる。陣痛が始まったら進みが早いかもしれない、間隔が短くなるのを待たずに連絡してと言われる(通常、初産婦は陣痛間隔10分切るまで自宅待機と説明されていた)。
その後、帰宅しておしるし?出血があるのを確認。これが妊娠期間中は最初で最後の出血。
他に出産の兆候もないため、普通にシャワー浴びて寝る。この判断は後々正解だったなと。

午前3時、破水。
マイナートラブルで尿漏れがあると判断に迷うこともあるそう。私の場合はそれがなく、今まで経験したことない感覚ですぐ破水!と直感。
カイト氏を起こして病院へ連絡。準備はある程度できていたけど、いざとなると結構焦る…。最終の入院準備は入念にシミュレーションしておくべき。

夜中の道路はめちゃくちゃ空いてて、10分かからず3時半ごろ病院到着。すぐに陣痛室兼分娩室に入り、着替えを済ませて早々にベッドへ。書類やらなんやら寝たまま書かされ、感染防止の点滴(手首の上あたりに刺される。これがめっちゃ痛かったし1ヵ月ぐらい内出血が残った)や各種計測機器をつけられる。ここから長丁場を覚悟してて、まだまだ陣痛待ちだわ~と余裕かます。ちなみに立ち会いは希望しておらず、カイト氏は産まれるまで自宅で待機。実親へはここでLINE。夜中だし見ないだろうな~と思ってたら案の定、既読は14時だった(遅)。逆に心配になったわ。

4時ごろ陣痛らしきものがくる。生理痛の特大バージョンという感じ(生理痛がほとんどないから正直よく分からず)。これがそうなの?と思っていたらあれよあれよという間に5分間隔をきるペースに。助産師さんもゆったり構えていたみたいで、途中ひとりで耐えてたものの痛みのピークがかなり強くなり慌てて無痛分娩の準備をしてもらう。既に子宮口7cmになっていて驚かれる。背中への麻酔は痛いと聞いていたけど、正直陣痛をやり過ごすのでいっぱいいっぱいで注射の痛みなんて微々たるもんだった。
※出産した総合病院では、麻酔科の先生がよっぽど空いてないとかでなければ、深夜や休日でも、陣痛の途中からでも無痛分娩にできました(私の場合はバースプランで希望)。

5時半頃~(このへんから時間みる余裕がなくもう曖昧)
腰が砕けそう&酸欠の金魚みたいに息絶え絶えになりながら3分間隔の陣痛をやり過ごす。人生初の痛みで辛かった…。やっと子宮側?の麻酔が効いてきて、氷あてられても感覚がなかった。しかし、その頃にはもう痛みの位置がお尻近くに変わっていて、お尻あたりの痛みは麻酔では取りづらいと言われて笑うしかない(笑)。実際かなり痛かったし、進みが早すぎてもう色々間に合ってなかったんだと思う。さらにこれ以上の痛みがあるのか…と恐怖。
なんとかカイト氏にもうすぐ産まれるからそろそろ病院へ、と連絡してその後はスマホ見る余裕もなし。

6時半ごろ
トイレ行けますか?と聞かれ、無理ですね…と答えたら導尿される。結構な量がとれ、おかげでさらに進んでその後あっという間に子宮口全開したらしく、便秘10年分が一気に出そうなのを我慢するみたいな感覚に。これ便意ですか?と聞いたら赤ちゃんですね、と冷静に返される(笑)。もう出したいと思った時にいきんでいいよ!と言われ、ベッドの形状が分娩スタイルへ。体の横にあるバーを思いっきり引っ張りながらお腹に力入れて!膝は外に開く!声は出さないほうがいい!頭を上げてお臍あたりを見る!とアドバイスもらいながら陣痛のタイミングで数回いきむ。
助産師さんは気づけばずっとお尻の穴を押さえてくれてて、これがめちゃめちゃありがたかった。

髪の毛みえてる!→頭が挟まってる!→と進みを教えてもらい、いつまで続くんだ~と思っていたら7時頃に年配男性の先生登場。裂けるよりはきれいに会陰切開しよう、ということで気づいたら麻酔され切られてたっぽい。もうこっちはそれどころではないし、痛みも分からない(笑)。
7時半頃、ラスト1回これで出してあげよう!気合い入れて頑張れ!と先生に言われ、全力で踏ん張る。頭が出たらその後は力抜いてもずるっと産まれたのが分かって放心状態。

すぐ産声が聞こえてほっとする。感極まるとかはなく、ほんとに人間が入ってたよ…っていうのとよく身体から出せたな?!っていうのが入り交じる不思議な感覚。とにかく母子ともに生きててよかった。私がボロボロなのはさておき…。

その後、胎盤を出す処置と会陰の縫合をし(冷静になってるからか結構痛かった)、子どもは綺麗に拭いてもらったあと心拍数や呼吸の観察をされ、30分ほどですべての片付けが終わってカイト氏も産後2時間まで面会OKに。
カンガルーケアは希望せず、ベッド上の小脇に抱える形で家族写真を撮ってもらうことに。私は見事な二重顎に顔はパンパン、背景はいろんな管でぐっちゃぐちゃのベッド、髪の毛は散乱しまくってて見返せるもんではない(笑)。妊娠中に余裕があれば、ノーメイクでもそこそこ見れるように整えておくのがいいかも。せめて眉ティントするとか(私はズボラだから知ってても多分しなかった)。まぁこれも記念かな…。
子どもはふにゃふにゃしわくちゃだけど可愛い。浮腫がとれたらどんな顔立ちになるのかな~と今から楽しみ。

2時間後、深夜からほぼ飲まず食わず+寝不足+産後の熱(38℃ほど)と震えでほんのり吐き気があり、朝ごはんはきたけどほとんど食べられず。ふらふらすぎて恐怖のトイレタイムも一旦保留、点滴つけたまま車椅子で入院する個室へ。切開部分が痛すぎて円座クッションの上でも体重が左右均等にかけられない(笑)し、寝ころんでいると気づかなかったけど右の腰をめちゃくちゃ痛めてた…。陣痛中に変な力が入ったからだろうなと。
その後1時間ほどうとうとして、少し熱が下がったらしく若干は回復。無事にトイレも済ませて点滴もとれ、お昼ごはんは普通食を7割程度食べられた!



スマホに残されたレポートはここまででした。

人生で間違いなくいちばん痛い経験でしたが、予想より遥かにあっという間でスムーズに(陣痛開始から3時間ほどで誕生)進んでくれ、既に親孝行してくれているなと思います。陣痛スタートだったら進みが早すぎて危なかったかも。

臨月に入っても毎日ただゴロゴロしてただけで安産になるように特別なことは何もしていません。暑かったし散歩すらやる気おきず。ひとつ心当たりがあるとしたら、股関節だけは昔から柔らかかったのが良かったかも?
結局、スピード出産だったからか無痛分娩のおかげかは分かりませんが体力のない私でも早めに回復できました。
産んだら痛みなんて全部忘れるよ!ってことは正直まったくないですが(笑)、人生の中でもかなり濃い経験になりました。今後は並大抵のことなら乗り越えれそう。

サポートしてくれた助産師さん、先生方には本当に感謝しています。立ち会いだったら恐らく暴言吐きまくってお互いにいい思いしなかっただろうし、経験豊富なプロの励ましがなければとっくに心折れてました。産後の入院中もことあるごとに母子ともども誉めてくれたり、的確なアドバイスをくれたりで涙々(産後メンタル)。

この経験と感謝を忘れず、子育てを含めた結婚生活、引き続き楽しんでいこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?