イスラエルによるレバノンの樹木への戦争、人類の敵を超えて地球の敵か／Bilal Nour Al-Deen
【イスラエルによるレバノンの樹木への戦争】
- イスラエルはレバノン南部の森林に対する戦争をエスカレートさせている。農業地帯のすべての生命を焼却し、居住不可能な緩衝地帯にしたい。-
by Bilal Nour Al-Deen
2024.04.07
#レバノン はそれら木々と文化的に深いつながりを持っている。
北部高地の森林を支配する古代のスギの木は、国章として象徴的な重要性を持ち、国旗の前面と中央に描かれている。
世界の他の国々と同様、象徴的で回復力のあるスギは、気候変動の脅威の高まりに直面している。
そして、レバノンの森林はここ数カ月、さらに陰湿な脅威にさらされている。
北部のスギ林とは異なる、レバノン南部の何百エーカーもの豊かな緑と植生が、#イスラエル による激しい #焼夷弾攻撃 を受けており、この地域に深刻な #環境破壊 と #農業破壊 をもたらしている。
占領国による #白リン弾 の使用は、レバノン住民、農業労働者、そしてレバノンの果物、柑橘類、オリーブ、タバコの大部分を生産する南部の重要な農業部門の生活に劇的な影響を与えている。
セーブ・ザ・チルドレンによると、「10月7日以降、国境を越えた砲撃やロケット砲撃が増加し、レバノンの主要な農業地帯では、オリーブ畑や近隣の農村に燃え広がる炎が発生している。」という。
同慈善団体は2月、イスラエル軍の砲撃により4万7000本以上のオリーブの木や収穫中の他の作物が焼失し、レバノン南部で数万世帯が生計を失っていると指摘した。
4月4日、退任するレバノン首相ナジブ・ミカティは、レバノン南部が「農業災害地帯」に指定される可能性があると警告した。
レバノン国営通信社はミカティの発言を伝えた :
「800ヘクタールが完全に被害を受けた。34万頭の家畜が死に、農民の約75％が最後の収入源を失った。」
ヒズボラの緑の指
2013年、広範な植樹活動を通じて南部のさまざまな地域を活性化するために非営利団体「国境なき緑の協会（GWB）」が設立されたが、これはイスラエル軍上層部に深刻な苦痛を与えている。
2017年、占領軍のヘルツィ・ハレヴィ参謀総長は、レバノンのレジスタンス、ヒズボラが国境活動の隠れ蓑として環境保護団体を利用していると非難した。
しかし、国連レバノン暫定軍（UNIFIL）はテルアビブの主張に反論した。
同報告書は、GWBが実際に合法的な植樹活動に従事していたことを確認し、さらに国連軍が「現地で無許可の武装者を観察しておらず、決議1701の違反を報告する根拠も見つけていない」と指摘した。
その後、#アメリカ はレバノン南部の群葉問題に関与した。
2023年、米国財務省は、GWBが「ヒズボラの地下倉庫と弾薬貯蔵トンネルの隠れ蓑として機能している」という口実のもと、GWBとその会長に #制裁 を課した。
イスラエルの焦土化政策
レバノンの木々に対するイスラエルの継続的なパラノイア（偏執病）は、テルアビブが南部に白リンを降らせた理由を説明するかもしれない。
これらの焼夷弾は、人間、車両、植生を含む経路上のすべてを焼き尽くすものであり、国際法上、民間地域での使用は違法である。
北部の戦闘が始まって1ヵ月も経たないうちに、イスラエル軍の空爆によって松や樫、樹齢数百年のオリーブ畑など数百ヘクタールの森林が破壊されたという報告が出てきた。
それ以来、レバノンの人々の怒りは高まるばかりだ。3月20日、アッバス・ハジ・ハッサン農相はこう宣言した：
「#シオニスト の攻撃は、かけがえのない人的被害だけにとどまらない。
イスラエルの爆撃は農業部門に深刻な被害をもたらし、少なくとも6,000ヘクタールの農地が直接、2,000ヘクタールが完全に損害を受けた。
また、樹齢300年のものを含む6万本のオリーブの木、柑橘類、バナナ、アーモンドの木、実のなる木と実のならない木も破壊され、広大な地域が完全に破壊された。」
ハッジ・ハッサンは、テルアビブの焦土化政策には2つの目的があると考えている：
「一つ目は南部人の意志を打ち破り」彼らの土地を強制的に退去させ、「戦線を揺るがす」こと、そして二つ目は「植生をなくすために」目に見えるものすべてを破壊することであり、それによって抵抗勢力とレバノン人は、イスラエル空軍にさらされることになる。」
レバノン南部緑の協会の関係者は、イスラエルはこの目的のために南部の広大な土地を破壊してきたと『The Cradle 』に語っている：
「パレスチナとの国境に隣接する全領土、ナコウラからヘルモン山、クファル・シュバの丘陵までの長さ100キロメートルを超える地域、平均6～7キロメートルを超える深さの地域を数回の攻撃で標的にしている。」
同氏は、軍事作戦は「イスラエルがレバノン国境内に緩衝地帯を設置するために、その地域を居住不可能にすることを目的としている」と付け加えた。
「明らかだ、森林を意図的に焼き払い、オリーブの木や果樹を破壊し、白リンの集中的な使用で土壌を汚染している。」
GWB会長のズハイル・ナーレ氏は、米財務省から個人的に制裁を受けているが、レバノン内務省の認可を受けていることを『The Cradle 』に明らかにしている。
「私たちの目標の一つは、植林のための森林や実り豊かな苗木を生産し、植えたものの世話をするための苗床を設立することです
私たちはレバノン南部だけでなく、レバノン全土で活動する環境保護団体です。」
ナーレ氏はまた、イスラエルがレバノンの林業全般を問題視しているのは、彼らの違法な偵察活動が隠蔽されているからだと指摘する。
テルアビブは、国連安全保障理事会決議1701のあからさまな違反で、偵察活動を実施するために年間数百回もレバノン領空を侵犯していることに注意すべきである。
「イスラエル人は一般的に、（レバノンの）植林や林業を嫌っている。なぜなら、森の木やその葉は、その鬱蒼とした枝の下に何があるのかを見えないからだ。また、レーダーや熱波も通さない。
そのため、イスラエルは植林や森林保護について不快に感じている。私たちは南レバノンに18カ所ある。」
GWBとレジスタンスの関係
レバノン軍のナジ・マラエブ元将軍は、『The Cradle』の取材に対し、GWBは確かに「イスラエルを悩ませた」と語っている。
「#ヒズボラ がUNIFILやレバノン軍も展開している地域に、軍の兵舎や司令部、目に見える武器庫を持たずに展開しているということは、すでに『国境なきグリーン』をはじめとする他の名称の陰に隠れて中傷されているということだ。」
マラブ氏は、イスラエルが目に見えるすべての緑を焼き払うなど、ヒズボラに対抗するための多種多様な努力にもかかわらず、ヒズボラは軍事能力を維持していると強調した。
「2024年1月2日、#ハマス の指導者サレハ・アル・アロウリが暗殺された後、ヒズボラはレバノン南部から一度に62発のロケット弾を発射できた。」
「イスラエルがこの地域を監視しているのに、これらのミサイルはどこから発射されたのでしょう❓」と彼は尋ねる。
ベイルートに拠点を置き、ヒズボラを長年取材してきたアメリカ人研究者兼ジャーナリストのニコラス・ブランフォード氏は、『The Cradle』に
「GWBのモットーは『抵抗の陰』であり、これは確かにヒズボラとのつながりを示している。ヒズボラもこの関係を否定するとは思わない」
と語った。
「南部におけるGWBの主な目的は、ブルーライン沿いに観測所を設置することだった。これらのポストは隠されることはなかった；
高さ15メートル以上に達するものもあった。今までに、おそらくすべての観測ポストは破壊されただろう。」
ブランフォードは、「これらの観測所はイスラエルの動きを監視するためのものだった」と主張した。
「イスラエル人は常にGWBのポストについて不平を言っていたが、それに対して何もできなかったため、心理的な要素もあったのかもしれないが。」
環境と戦略への配慮
しかしブランフォード氏は、ヒズボラが隠蔽目的でGWBを利用した可能性は低いとも強調している :
「ヒズボラはしばしば、イスラエルのジェット機や無人偵察機などの上空からの視線を遮るために、既存の森林や森を利用している。
ワディ・サロウキにはいくつかの陣地があり、それらは秘密にされていなかった。
これらの陣地の入り口は、ワディを走る幹線道路から見えた。」
同氏はさらに、ヒズボラの軍事的好みは、1980年代に遡る有名なムリータ・トンネル網に代表される、地下バンカーやトンネル網の使用など、目立たない戦術であると説明した。
ブランフォード氏は、イスラエルがアラブ・サリム付近の乾燥した下草にリン弾を撃ち込んだのを目撃したことを思い出し、敵が利用する潜在的な隠れ蓑を破壊することを目的とした、長年にわたる軍事戦術の一例である。
明らかに、ヒズボラは、戦闘員に隠れ蓑を提供する樹木の戦略的重要性を認識している。
占領軍の行動は、ガザにおけるテルアビブの完全破壊アプローチと同様、全面戦争における戦争戦術として、イスラエルがレバノンの樹木をすべて破壊する用意があることを示している。
とはいえ、歴史は、そして実際にガザは、この戦略が最終的には無益であり、短期的な戦術的利点しかもたらさないことを証明している。
レバノンの木々は、その抵抗と同様、土地に深く根ざしている。
（了）
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