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第6回 国立の中心ではない場所でD.I.Y.を叫ぶ(丸山→大澤)


JR南武線谷保(やほ)駅と拠点をパシャリ

ゴールデンウィークもあっという間に終わってしまって、気がつけば5月も半ばに近づく今日この頃。大澤さんやみなさんはどうお過ごしですか?こちらはと言えば東京の端っこにある小さな街でせっせとD.I.Y.に取り組んでいます。

国立市内での新しい活動と新しい拠点

というのも実は2020年に普段のデザインとは違うノンプロフィットな活動をする新しい法人を設立しました。その法人で国立市内でアートプロジェクト推進していくために、新しい地域拠点となる場所をずっと探していたのですが、2022年の末頃にようやく新しい拠点となる場所が見つかりました。その写真が上の写真です。

その場所は元は洋品店だった小さな小さな店舗物件です。なんと(!)駅から徒歩1分もかからない好立地。ただしここは国立市の中でもローカルなJR南武線の谷保(やほ)駅。よく見ると奥の方にちらっと見えてます。

「南武線? 谷保駅?? 聞いたことないけど…」
わかります。僕もかつてはそうでした。ちなみに今さらですが国立は「くにたち」と呼びます。「こくりつ」ではありません。ネーミングも立川と国分寺の間だから国立(くにたち)。まさに取ってつけたような名前で、もう少し考えてもよかったんじゃないかと思いますが、まぁそれもいいのかもしれません。

小さな街の中心

ここ国立市は東京30市町村でも2番目に小さな市です。その中でも街の中心は誰に聞いてもJR中央線の国立駅とその周辺と答えるはず。これってやはり郊外とかにしかない特徴ですよね。

例えば、僕は国立に住む前は世田谷区に住んでいたのですが、世田谷区の中心はどこって聞かれたらみなさんどこをイメージしますか? 下北沢、三軒茶屋、二子玉川、成城学園…?? 
同じく東京の中心とかもないんですよね。銀座、青山、原宿、新宿、渋谷、六本木、上野…いくらでも東京を代表するような場所が出てきます。なんだかどこも甲乙つけ難い。この辺りは人によってかなり差が出る部分かもしれません。

しかし、国立市はよっぽどのへそ曲り以外は国立駅とその周辺が中心と答えるでしょう。もちろん電車の駅は他にも「谷保(やほ)」、「矢川」、「西国立(←実は立川市)」があるのですが、全部南武線なので地元の人ですらローカルすぎて降りたことがないって人も結構いるはずです。

こうやって見るとそうでもない感じがしますが、中はかなり厳しい状態

DIYのやりがいしかないような元洋品店

そんな目立たない駅の本当に目の前に、ひっそりとあったのがこの建物。あまりに目立たなすぎて、僕も完全にノーマークでした。1954年の1月にできたようなので、築年数は69年。古い物件に慣れている僕ですが、いままで使ってきた物件の中でも圧倒的に手を入れないといけない手強い物件です。

写真にも写っている通り元々は洋品店だったのですが、壁にタイルが使われていたり(ボロボロですが…)なんだか不思議な内装。実は建物の歴史を調べていくうちにわかったのですが、洋品店以前は魚屋として使われていたとの話。洋品店らしさが感じられないのはそのせいか。

この物件、壁は崩れてきているし2Fは床が抜けそうだったりと、どこから手をつけていいのか、そしてどこまでやったりいいのか、もうキリがないような状態です。とは言え予算も時間も限られているので、お願いするべきところはお願いして、そこ以外は少しづつDIYでなんとか使えるところまで自分たちで頑張ることに。
一部新規壁は建ててもらったのですが、掃除・養生・パテ打ち・磨き・シーラー・塗装…あげればキリがないくらいやることが……。DIYのレクチャーを受けながら、少ない人数で工事を進めています。

パテを練って作っているところ
パテを打って壁の穴を塞ぐテスト中
塗装の前の準備として掃除を進める

Kunitachi Art Center 2023

というのも、5月20日から始まる「Kunitachi Art Center 2023」というイベントで、この場所をインフォメーション機能として使う予定なのです。元々はここに間に合わせる予定だったのですが、現実的でなかったので、イベント中にもDIYをしながら来場者の皆様を迎えようと思っています。

第4回目の2023は、全部で19箇所のスペースで展示などをご覧いただけます

Kunitachi Art Center 2023
05.20 sat - 06.04 sun

https://www.kunitachiartcenter.jp/
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Kunitachi Art Centerは国立市内および近辺に点在する アトリエ・ギャラリー・店舗を会場に展示とまちを横断するプログラムです。 普段は見ることのできない制作の裏側や、作家本人とのコミュニケーションの中で生まれる、 作品鑑賞だけではない面白さの余白の部分も伝えていきます。

急に宣伝っぽくなりましたが、このイベントもコロナの真っ只中の2020年から何人かのメンバーと一緒に企画をしていて、気がつけば早くももう4回目。今回からは共催として東京都/アーツカウンシル東京/国立市などが加わりより力を入れて進めています。
街を横断しながら様々な展示を見たり、カフェに寄ったり、お店でお買い物をしたりと、郊外の国立市で一日楽しんでもらえるようなそんなイベントです。

イベントには作家を案内人に迎えて展示を巡るツアーや、公開制作プログラム「GEI SHOW HALL 2023」などのプログラムもあります。また、ボランティアスタッフも募集していますので、興味のある方はぜひサイトをご覧ください。

弊社(株式会社と)で運営をしている「museum shop T」も、もちろんKunitachi Art Center 2023のスペースとして参加しています。会期中は写真家・小説家として活動する清水裕貴さんの展示をご覧いただけます。ぜひご期待ください。

museum shop T|清水裕貴「海は地下室に眠る」
https://t-museumshop.com/2023/05/03/shimizuyuki/

DIYに興味のある方、一緒に参加しませんか?

あくまでここはインフォメーションとして使うだけで展示などはやっていないので、せっかくなら寄ってもらった方にペンキでも一緒に塗ってもらえないかな…などなど、かなりラフなイメージで準備しています。開催までにギリギリ間に合うかどうか…。ぜひ、イベントにお越しになる方は、合わせて谷保駅前の拠点にお立ち寄りください!

そしてイベント後も拠点のDIYはまだまだ続くので、DIYに興味のある方や拠点に興味のある徳の高い方、ぜひお手伝いしてください~。いつでも歓迎してお待ちしております!

慣れないDIYに四苦八苦している丸山より


丸山晶崇(株式会社と)
東京都生まれ。デザインディレクター/グラフィックデザイナー。2017年に株式会社と を設立。地域の文化と本のあるお店『museum shop T』や、千葉市美術館ミュージアムショップ『BATICA』など、ショップの企画・運営もしている。アート関係の仕事や地域の仕事を進めると共に、公開制作・展示・アーティストとの共同企画など幅広い活動を続ける。「デザイナーとは職業ではなく生き方である」をモットーに、デザインを軸にしたその周りの仕事を進めている。長岡造形大学非常勤講師。

大澤夏美(ミュージアムグッズ愛好家)
1987年生まれ。札幌市立大学でメディアデザインを学ぶ。在学中に博物館学に興味を持ち、卒業制作もミュージアムグッズがテーマ。北海道大学大学院文学研究科(当時)に進学し、博物館経営論の観点からミュージアムグッズを研究し修士課程を修了。会社員を経てミュージアムグッズ愛好家としての活動を始める。現在も「博物館体験」「博物館活動」の観点から、ミュージアムグッズの役割を広めている。

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