見出し画像

初めての富士山登山日記 ep3-出発から夜明け前まで

概要と準備編はこちら↓


1日目 七合目を目指して出発

朝、早起きして家を出て、近所のコンビニでおにぎりとパンを調達。
店員さんに山登り好きのおじさんがいて、山の格好で買い物をするといつも「山ですか?」と声を掛けてくれる。
この日の朝もレジで「富士山登るんです、小屋に泊まって。」「私も昔登りましたよ~。気をつけて行って下さいね。」などと2、3言、言葉を交わした。山の挨拶文化、素敵だよね。

電車とバスを乗り継ぎ、10:30頃に富士スバルライン五合目に到着。

高所に身体を慣らすため、レストハウスで山菜うどんを食べたり、トイレに行ったりのんびり準備をして、富士山保全協力金(1,000円)を支払い、12:00頃、霧の中を歩き始める。

濃霧で先が見えない

登り始めてすぐの道は、砂利道の緩い上り坂をただただひたすら歩くだけ。きちんと整備されているので、迷うこともなかった。

七合目辺りから岩場。岩場は所々渋滞していた。

そんなに大変な岩場ではないけれど、酸素が薄いのですぐ息が上がって、エンドレスで「へぇへぇ…よいっしょ!」が口から出る(うるさい)。
私達のパーティの後ろにいた私と同年代?男性2人の「マッチングアプリで出会った歴代女性の話」に聞き耳を立てながら、ひたすらよじ登る。

そして15:30頃、宿泊地である東洋館に到着!

寝る場所はカプセルホテルみたいに1人ずつスペースが仕切られていて、中には寝袋と、コンセントが1つ。新しくてとっても綺麗でめちゃくちゃテンション上がった。
トイレはなんと水洗で、全然臭くない!!
快適過ぎてここが山だということを忘れそうになるレベル。
そして山だということを忘れて、「あっ私トイレ行きたいから待ってて!」と1人でトイレに行くとか、「あっ忘れ物したから取って来る!先行ってて!」と荷物を取りに行く、みたいな場面で5歩くらい小走りすると、徒競走でもしたのか!?くらい脈が上がって、自分が標高3,000mにいることを思い出す。
もし標高3,000m前後の都市に旅行に行って、犬とか悪い人とかに追いかけられても走って逃げられないわと思った。

夕食までは景色を見ながらお喋りしたり、家族に連絡したり。
(富士山のどの位置にいても、docomoの電波がある)

夕食。めちゃくちゃ美味しかった!!夕食の時に次の日のお弁当も受け取る。

食後はココア

充実のドリンクメニュー

友人2人が景色を見ながらビールを飲んでいてめちゃくちゃ美味しそうだった。残念ながら私は自分の酒の弱さを鑑みて自粛。でも日が落ちてきてちょっと寒くなり始めた中で飲む温かいココアも、最高だった!

19:30頃、就寝。

東洋館前から撮影


2日目 山頂目指して夜間登山

0:30頃起床。周りを見ると、もう出発している人もいたが、まだ寝ている人の方が多かった。

1日歩いてヘトヘトなところに快適な寝床が用意されているのだからめちゃくちゃぐっすり眠れるに違いないと思っていたのに、全然寝た気がしないまま起きる時間になってしまった。

帰宅後にこの日の就寝中の心拍数を確認すると75-80bpm。

私の普段の就寝中の心拍数は55-60bpm程度。
75-80bpmは、普段オフィスでPCをカタカタしている時の心拍数と同じか、それよりちょっと高いくらい…そりゃ寝た気がしないわ…。

星の写真を撮ったり補給したりしてから、1:00頃、山小屋を出発。

荷物軽量化の為に三脚を持っていなかったのでブレブレ

暗闇の中、急な岩場をひたすら登っていく。

東洋館を出てすぐの岩場(前日の昼間に撮影)

2日間の中でこの時が1番テンションが高くて、ずっと「富士山、楽しー!」と言いながら登っていた。

…そして私のテンションの高さとは逆に、友人のうち1人の元気がどんどんなくなっていく。
気分が悪い、と全然前に進めない友人。
標高2,900mの東洋館から、3,100mの太子館まで、200m上がるのに約1時間かかった。
その友人は「大丈夫」とは言うものの顔色が悪く、ここで下山するか否かの検討が始まる。
結果、山頂での御来光は諦めて、ゆっくり行けるところまで登っていこう、これ以上悪化したら下山しよう、ということになり、再びゆっくり登り始めた。

他の登山者の様子を見ていても、太子館を過ぎた辺りから、登山道上でうずくまっている登山者の数が増えた気がする。
エチケット袋を片手に横たわっている人と、その横で「大丈夫?水飲む?」とか言ってペットボトルを差し出している人がギザギザの山道の角ごとに居るのを見て、「ここは終電前の新宿三丁目かいな」と心の中でツッコミを入れた。

友人の高山病はその後もずっと良くもならず悪くもならず(という感じに見えた)。
私自身は相変わらずのテンションの高さで、早く登りたくてしょうがなくて5人の中で先頭か前から2番目を歩き、スタスタ歩いては途中で止まって後ろを振り返り、他のメンバーを待つという歩き方をしていると、アルピニストの友人に注意された。
一歩足を前に出したら、1回ゆっくりと深呼吸する。自分が歩ける速さの何倍もゆっくりで大丈夫。ベレストに登る人も標高が上がると一歩進むのに何秒もかけるんだよ、と。
そこからは1歩進んで1回深呼吸。時々お喋りしながらゆっくり登って行った。

そして4:30頃、遂に空が明るくなってきた…!!!


episode4に続く↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?