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2003年ドラマ『寄生木 YADORIGI』感想

2003年ドラマ(短編集「68FILMS」の中の1作)『寄生木 YADORIGI』(監督/ 高田弘隆)観賞。

冒頭シーン

向かいに住む青年(西島さん)に恋する女の子(宮崎あおいさん)は、彼と同じ服を着て同じ動作をする。
台詞はなくアンビエントな音楽と時間を無視したような景色の映像の中、二人の物理的な距離は縮む。しかし彼には知られずに。

好きな人が身に着ける物や動作を真似るだけならやったことのある女の子もいると思う。ただ彼女の表情、主に眼差しは肉体を通り越し、彼の感情の中にまでアクセスしているよう。
彼女の部屋の赤は生々しくどこか生き物の胎内を思わせる。カーテンの下がり方、ソファーカバー、そこかしこに花柄や顔が描かれたトルソー。
出かける彼の後をついて行くが、なぜ行き先がわかるのか。その勘はどこから来るのか。人間と言うのはメタファーで、彼女は「寄生木」というイキモノそのものなのか。西島さんも宮崎あおいさんも魅力的だった。ぞっとするほど。

黒いシャツ、シルバーのネックレスを纏う彼(西島さん)
彼の姿を真似る少女(宮崎あおいさん)
バルコニーでペットボトルから直接水を飲む彼
その姿をオレンジジュースで真似る彼女
彼を真似る彼女の部屋は生々しい赤い色が目立っていた

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