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2021年ドラマ『シェフは名探偵』感想

2021年『シェフは名探偵』(総監督/木村ひさし)観賞。
「ビストロ・パ・マル」の料理長、三舟(西島さん)がシェフスカーフをそっと触る時、彼は客が抱える問題を的確に推理する。解決に導いたあとにそっと出されるのは暖かい飲み物、ヴァン・ショー。彼の優しさであり、この店の矜持でもある。
抜群の記憶力で会社を辞めたその日に三舟からギャルソンにスカウトされる高築(濱田岳さん)は副料理長、志村(神尾佑さん)ソムリエの金子(石井杏奈さん)とパ・マルで仕事をすることになる。

料理を通して軽いタッチで描かれる人間模様。
終始穏やかに優しく物語は続く。1話完結なので観やすく、殺人事件等の警察絡みの事件ではなく、密やかに心に巣食う傷を扱い、三舟たちは料理やデザートで優しくお客様の心を解きほぐして行く。

設定では気軽なフレンチだが、出て来る料理は良い素材ばかりなので結構な価格だと思われる。しかし丁寧に置かれる皿やグラス、握りやすそうなカトラリーから生まれる細やかな配慮は見ていて心地良かった。高槻くんがレシピを知りたがる三舟シェフのヴァン・ショー、私もいただきたいです。

ビストロ・パ・マルのシェフ、三舟忍(西島秀俊さん)

上の画像は文庫本の帯にも巻かれていましたが、物語の雰囲気とは違い、なぜこれほど孤独に見える三舟シェフなんだろう、と思っておりました。しかし物語が進むうち、お節介とも優しさともとれる彼の行動の発端ともなる過去が判って来るとしっくり来る。

ビストロ・パ・マルのメンバー、金子(石井杏奈さん)、志村(神尾佑さん)、三舟(西島さん)、高槻(濱田岳さん)
西島さんと料理の相性は抜群

※スピンオフドラマ『ソムリエは迷探偵』感想

2021年『ソムリエは迷探偵』観賞。
『シェフは名探偵』のスピンオフドラマ。ソムリエ、金子役、石井杏奈さんが物語を動かす。1話15分ほどなのですぐに終了。西島さんもちょこちょこ出て来ます。
ビストロ・パ・マルと金子さんの部屋を舞台に、軽めのミステリーと美味しそうな料理が楽しめる作品です。ドラマのラストには毎回出て来る料理のレシピを説明するのだけど西島さんもひとつだけナレーションをしている回があって、声の良さに悶絶しました(笑)作ってみたいものもいくつかありました。楽しかったです。

迷探偵役には石井杏奈さん

※原作の三舟シェフは髭を蓄え、髪を後ろに一つに結んでいる気難しいキャラクターです。ドラマ版では原作の副料理長、志村さんのキャラクターが三舟シェフとミックスされています。

※上の3冊が『シェフは名探偵』の原作になっています。そして待望の最新刊はこちらの単行本です。↓

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