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2019年『名探偵・明智小五郎』感想

※ネタバレを含みます。

2019年、前後編で公開されたドラマ「名探偵・明智小五郎」(脚本/木村ひさし)観賞。原作は江戸川乱歩だがここでの明智(西島さん)はサイバーセキュリティ企業の元CEOという設定。会社は妻、文代(石田ゆり子さん)に任せている。明智自身は自分の会社を立ち上げ、ハッキング等あまり表沙汰にできない技術を持つ仲間数名と共に様々な事件を解決している。後に相棒となる小林サイバー捜査官に伊藤淳史さん。現代の明智は文武両道、小林も見事なコンピューター技術を持つ。明智は戦いながらゲームを解いたり犯人の特徴を見抜くなど尋常じゃない能力を見せる。全体のエピソードは江戸川乱歩なのでおどろおどろしいが、悲哀感が全くなくあっさりしている。反対になぜそんな軽い描き方なのに濃厚な事件にしてしまったのだ、と思い、歯痒くもある。しかし、多分見せ場は事件そのものではなく、謎の解き方だったのかな、と考えている。

現代の明智が正統派な分、脇を固める役者さんたちのクセが強い。
強過ぎて、そちらに気を取られてなかなか話に入って行けない。なので、あまり深刻に考えず楽しんでしまった方が楽に観られるのかも知れない。このギャグや小ネタまみれの手法が苦手な方にはおすすめしない。そもそもドラマのキャッチコピーが『このドラマはフィクションでしょ?』と、最初からこちらを弄んでいるので、やはり楽しんだもの勝ちだろう。

西島秀俊ファンとして見逃せない部分として、まず全篇ジョルジオ・アルマーニを纏っているのが素晴らしい。そして鉄板ナポリタンを「大好き」と言いながら嬉しそうに頬張る姿、小さな女の子と一緒にお菓子を買いに行く姿、奥方、文世に駄々をこねて椅子で回っていると「グルグルやめなさい!」と叱られたりする可愛い姿が見られます。そして結局夫を叱り、妻に叱られながらも最後はこの二人でなくちゃいけないのだろう、という微笑ましい結末を迎える。うん。やはりストーリーは二の次だ(ごめんなさい)

『名探偵・明智小五郎』ポスター
明智小五郎役の西島秀俊さん

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