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未来、愛しかない

今日の集団面接で「皆さん既にお気づきだと思うんですけど、私は男です」と言った子がいた。

私には充分なLGBTへの知識がないから正しい言い方なのか分からないけど、トランスジェンダー?って言うのかな。
身体は男性で、心は女性の子だったんだと思う。
集団面接の前にグループディスカッションがあったから、その時に何度か話もしてたんだけど、私は自分のアピールに必死で気付いてなかった。だから、凄くびっくりした。

「自分のことを話して面接官に嫌な顔をされたこともあります。今日、こうやって二次面接に呼んでいただけたことに本当に感謝しています」と、その子は話していた。すごく震えた声だったから、泣いていたのかもしれない。

私はインキャで人見知りで協調性が無い。
だから、いつもは選考終わった瞬間に一瞬でひとりで帰ろうとする。
だけど今日は、その子が待っててくれた?みたいで(「GDの時から話したいと思っていた」と言われて嬉しかった)、一緒に帰った。

疲れたねとか、選考長かったねとか話してたんだけど、突然「やっぱり私、変に見えるかな」と聞かれた。
変じゃないよ、と答えるのも違う気がして、「自分は女の子に見えていたからびっくりした」と正直に伝えた。
あと、「肌が白くて羨ましい、私は地黒だから」っていうのも言った。

面接の時と同じ声で「ありがとう」と言われてしまった。私まで泣いてしまいそうになって、「オススメの日焼け止め教えて」とだけ答えた。

控えめで優しくて、だけど芯の強い子だった。
百貨店の選考だったんだけど、ここで働くの向いてるだろうな、と思った。
その子が何度も「人事の方に感謝してる」って言うもんだから、私も「良い会社なのかもな」とか思うようになってしまった。
でもそれ以上に、その子がこの会社に「ありがとうございます」って思うより、「私が社員であることを有難いと思え」って考えれるような社会になれば良いと思った。

そんな社会になったら、わたし、一生死にたくないね。この時代に生まれてきて良かった。


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