フリーランスになってから選択肢に「逃げる」が追加された
私が会社員をやめたのは、10年以上前のことです。
現在の年齢は、30歳半ば。結婚していて、子どもが1人。夫は会社員をしています。会社員とフリーランスの2つを経験した私がこれまでの「働き方」について、少し考えてみたら
フリーランスになったら「逃げる」選択肢が追加されたなぁ
と思いました。
今日はこの「逃げる」について、お話していきます。
「逃げる」ことが思い浮かばなかった会社員時代
会社員のころは、主に経理や営業の事務をしていました。
いわゆるルーティンワークです。でも人間関係は良好で、残業もなし。お給料にも満足していました。
朝早くに起きて満員電車にゆられるのはキツいなぁ…と感じていたけれど「食べていくために仕事にいく」ことが心と身体に染みついていて、このころは「逃げる」という発想自体ありませんでした。
「逃げたい」というより「面倒くさい」
「逃げたい」というより「早く終わらせたい」
仕事に対しては、そんな感情を抱いていました。
ジョブチェンジで選択肢に「逃げる」が追加
私は「ファイナルファンタジー」などのRPGゲームが好きです。
その理由のひとつが、最初に決めた戦士や魔法使いといった「ジョブ」をあとからチェンジできる、というもの。
ひとつの世界で、いろんなジョブ=お仕事ができるようなイメージです。これが仮想現実を生きているようで楽しいんですね。
ゲーム上でジョブを変えると、行動コマンドが変わることがあります。
例えば、今まで戦士だったとすると、戦士の行動は「戦う」「守る」だけ。いつもこの2択から選びます。
そんな戦士から魔法使いにジョブチェンジしたとします。すると「魔法を使う」「道具を使う」が選べるようになり、魔法使いから盗賊になると、今度は「盗む」「探る」が選べるようになります。
ゲーム上でジョブを変えると行動の選択肢が変わるように、フリーランスという働き方にジョブチェンジしたことで、新たな選択肢に「逃げる」が追加されたように感じるんです。
フリーランスの選択肢「逃げる」の意味は?
語弊のないようにいうと、
この「逃げる」は、請け負った仕事から逃れる=「あいつ、とんじゃったよ(連絡とれなくなっちゃった)」ということではなくて「自分にとって良い仕事につながらなそうだと感じた仕事を、丁寧にお断りできるようになる」という意味に近いです。
会社員のときは、目の前にある仕事を「やる」以外の選択肢はなかったように思います。
仕事だからやる。そのために会社に行っているのだから。
そんな気持ちでいました。
それがフリーランスになると、目の前にある仕事を
やるのか?
やらないのか?
もう一度確認するのか?
という選択肢から選ぶようになりました。
「やらない」ことは私の中では「逃げる」という意味です。
さらに「互いにすりあわせをした範囲外のことはしない」ということもお仕事するうえで大事なことだと分かってきました。
だから自分が責任を負える範囲におさめる、責任を負えない仕事まで手を出さないということも私の中では「逃げる」という意味合いで捉えることが多くなってきています。
なぜ「逃げる」が選べるようになったのか?
どうしてフリーランスになって「逃げる」の選択肢が追加されたのか?
を考えてみると
自分でお客さんを選べるようになったから
というのが大きな理由になっていそうです。
なんだかこれ、上から目線で嫌ですが…
フリーランスをはじめたころは「お客さまは神さまで、自分で選ぶとかおこがましい」と思っていました。
だけど、そうやって仕事を続けていくと私の場合は疲弊しました。
どうしたら、仕事を続けていけるんだろう?と考えたときにその重要性に気付いたのが「逃げる」という選択肢でした。
「これは違うぞ」と思うことは、仕事をしていると誰にでも起こりえることじゃないかなと思います。
一度やると決めたお仕事、決まったお仕事は最後までやり通すけれども、その中で「これは違うぞ」と思ったことがあれば、次回はお伺いをたてよう。無理そうなら逃げよう(お断りしよう)。
お仕事を受ける前の段階で「これは無理だな」と感じたときは、交渉をして、無理そうならやわらかく丁寧に逃げよう(お断りしよう)。
フリーランスになったら、自分の経験や感情を判断材料に「やるか、やらないのか」「確認するのか」「交渉するのか」を選べるようになったような気がしているんですが、フリーランスの皆さんはいかがでしょう。
やや
こうなると「逃げる」のほかに「確認する」「交渉する」の選択肢も追加されたことになりますが、そこは目をつむってください…
フリーランスの最大メリットは「逃げられる」ことかも
「逃げる」は自分を守るための選択肢でもあり、自分が楽しむための選択肢でもあるんだろうなぁと思います。
「逃げる」が追加されたことで、私はずっとフリーランスを続けていられるのかもしれません。
いつでも「逃げる」を発動できる。
自分の大事なものを守ることができる。
逃げることで安心を得ているわけなのでした。
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