幸せなんて
誰かと比べられるのは嫌なくせに
一番誰かと比べてしまうのは
自分自身だった。
私より優れている。
学歴も仕事も
容姿も性格も
ファッションセンスからなにまで。
ある日、SNSで見つけてしまった。
彼が大学時代に付き合っていた元恋人が写っていた
女っていうのはこういう探りの才能みたいなものが
恐ろしいほど長けている。
気付かれないように
時間をかけて。
なぜ見る必要があるのか。
そんなのあるはずないじゃないか。
"ちょっと見てみたい"
自分の方が優れていれば
安心したいから。
なーんだ全然可愛くないじゃん。
プリクラだけはこれが詐欺かというほど
盛れていた。
色々巡ってたどり着いたところに
またその子がいた。
数年前の物しかみたことなかったけれど
最近の写真を見てしまった。
彼と付き合っていた頃のものから
最近のもの
髪は伸びていて少しだけ動画もある
こんな声をしていて
こんな風に動くのか
プリクラとは全然違うけれど
多少なりとも
綺麗になったんだろうと思った
楽しそうだった
男女問わず写ってる写真
全部笑ってた
SNSには輝いた部分だけが載っている
きっと一部なのに
全部が輝いているから嫌いだ
明るくて元気な子なんだろう
友達もたくさんいるんだろう
頭もよくて育ちもいいのだろう
すごくいい人ってことも聞いていた
かわいいにこだわっている自分も嫌になった
決してかわいい顔とは言えないけれど
その顔を少しでもかわいく見せる術を
その子は持っている
自分を生きている
きっと精神的にも自立していて
情緒不安定にもならなくて
なったとしても自分一人でしまっておいて
周りに心配なんてかけないんだろう
そう思った。
悔しくなった。
自分とは真逆すぎて。
だから彼も
すごくいい人だなんて言うんだろう
見て良いことなんて何一つなかった
自分が惨めになった。
そう思ったら、自分がかわいそうに思えた。
唯一、自分は自分でしかないのに。
自分を本当に守れるのは私だけなのに。
私を変えられるのは私自信なのに。
その子はその子の人生を生きているだけだ
その子の容姿も生活も全て
その子が作ったもの
それを羨ましく思うなら
自分も自分を磨けばいい
楽しいと思えることをやればいい
理想をイメージして
近づく努力をすればいい
私がこうしてる間も
その子はその子を生きている
次また見てしまったときは
もっと綺麗になっているかもしれない
その時自分だって綺麗になっていればいい
楽しく生きてればいいんだから
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