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嵐のあとに残ったもの

離婚しておおよそ一ヶ月。
(いつ届を出したか正確に覚えてないけど、たぶん6月下旬だったはず。)

自分の性格と、元夫への気持ちとを考えると、きっと1週間くらいは落ち込んだりふとした時に泣いちゃうんだろうと思ってた。だって、離婚するって決まってから届を出すまでにたくさん泣いたから。

とは言え、今日まで家具を買い換えたり、家を片付けたり、要らないものを捨てたり、名義の変更をしたり、と色々やらなきゃいけないことがありすぎて浸る余裕もなかった。時間にも心にも。

完全に別居したのは7月頭。
覚悟はしてたけど、「当たり前に存在しないこと」をいざ体感すると家がかなり広く感じる。まあ、50㎡以上の部屋に一人になったから当たり前なんだけど。
元々ダイニングスペースを作ってなかったのと、リビングの模様替えをしたせいで、キッチンとリビングの間に謎の空間ができてしまった。

ただただ、家が広い。

そのひとことしか出てこなくて、涙は出ないし、つらい・悲しい気持ちにもならない。
「離婚したこと」に気が向かないほど何かに追われてるとか、もう他に相手が見つかったとかでもないのに。私って薄情な人間だったのかなとかちょっと思って、そのことにしょんぼりしてしまうぐらい、毎日淡々と、姓が変わった以外の変化がない生活をしてしまっている。

これが冬で、肌寒かったりしたら違ったのかな。
仕事が忙しくなければ?遊ぶ予定がなければ?キリがないけど、もし状況が違えば毎日泣いてたかもしれない。

だけどとにかく私は、離婚したことで心身ともに病んだりすることはなく、ひとりで暮らしていられている。
幸いなことに気にかけてくれる人が近くにいて、旅行にも行って、目一杯遊んで、食べて、たまにお酒を飲んで。

元夫はもう他人だけど、嫌いにはならないし、なれない。情はある。きっと一番大事な他人になってしまった。
再婚するならお祝いしたいし、死んだらお線香も上げに行きたい。極論を言うと。

なんで離婚したんだろうって考えると、私も元夫も大なり小なりたくさん理由が出てくると思う。でもなんで結婚したんだろうって考えると、じっくり思い返さなきゃきっと分からない。

愛は凪のように始まり、荒波を超えた先には情だけが残るのだ

と、思った。
よく言うのは逆だけど、少なくとも私と元夫は穏やかに始まって、荒波をいくつか超えた結果、情だけが残った。

ここまで書いて読み返すとかなり他人事のような感じだな。
そんな風に思うのも他人事みたいで笑える。

ごく最近にちょっと嫌なことがあったけど、きっと向こうはなんで私が嫌な気持ちになったかもわからないままなんだろうな。
解決するとか、理由を知る必要がないし。

周りの離婚経験のある人たちの話を聞くと、子供がいなければ段々関係性も薄くなっていくって言ってたから、私達もそうなっていくんだろうか。
だとしたらちょっと寂しいような気もするけど、そうか、もう他人だもんな。


私の人生のエンドロールがあるとしたら、元夫はそれ以外にどんな役名がつくんだろう。
親友とかだったら、きっと、いい人生になったって思えるな。

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