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加齢と腰痛(病態理解編)

こんにちは、Leeです。

前々回・前回と
骨盤帯が腰椎より上位の脊柱アライメントに与える影響について
「Hip-Spine Syndrome」をお伝えしました。


THA後の腰痛に対しては、
術前の骨盤アライメントや脊柱の可撓性の影響を考慮する必要があるということでしたね。

そもそも、可撓性があるかどうかをどのように評価すればよいのでしょうか?


骨盤後傾位で円背の強い高齢のクライアントに対して、
姿勢アライメントの修正を行うことは腰痛へのアプローチに有効なのでしょうか?

そこで今回は「加齢と腰痛」というテーマで、
脊柱の変性が生じるメカニズムや腰痛が生じる要因などについてお話していきたいと思います。

この記事はこんな人におすすめです。

◆加齢に伴う脊柱の変化について知りたい
◆高齢者の腰痛のメカニズムについて知りたい

1. 脊柱の加齢性変化


 まずは、脊柱の構造についておさらいしましょう。

 脊椎は椎体間に椎間板を有し、
椎間板はクッションのように椎体間の衝撃力を吸収します。

荷重分担


また、腰椎椎間関節は関節面が矢状面に近いので、主に前後方向の動きをします。
 生理的な腰椎の分節運動が生じている場合には、並進と回旋のバランスが取れた動きが生じているため、回旋の中心は下位の椎体内となります。(図の左)

関節運動


脊柱の加齢変化として始めに生じるのは
椎間板の変性です。

椎間板髄核内のプロテオグリカン生産量が減少し、プロテオグリカンのもつ髄核内の保水効果が減少します。

髄核内の水分量が減少し、椎間板変性が生じると、線維輪への負荷が増加するため、過度の負荷により微細損傷が生じます。

この損傷を回復させるため血管や神経が侵入し、椎間板内圧を上昇させることで椎間板性疼痛に繋がります。

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