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腰痛にまつわる腰方形筋の話

こんにちは、Leeです。

腰痛マガジンも1周年が経ち、沢山の方に読んで頂けて嬉しいです(๑˃̵ᴗ˂̵)

今回は、これまでの記事の内容にも触れながら、
腰痛にまつわる腰方形筋の話をしたいと思います。

クライアントの評価をする中で腰方形筋に圧痛があったり、
腰方形筋に対してアプローチをして改善がみられたという経験はないでしょうか?

その理由について
腰方形筋の機能や腰方形筋が関与する腰痛のメカニズムをおさらいしていきましょう。

この記事はこんな方におすすめです。

◆インナーユニットとしての腰方形筋の機能を知りたい
◆腰方形筋に対してマッサージ以外のアプローチ方法を知りたい

それでは早速いってみましょう。

1. 腰方形筋の機能

解剖

 腰方形筋は腸骨稜から起こり、第12肋骨に停止する外側線維第1~4腰椎に停止する内側線維に分けられます。


片側が収縮すると体幹の同側への側屈や骨盤拳上が生じ、
両側が同時に収縮すると腰椎が前弯位であれば腰椎伸展に作用します。

運動学


 線維別にみると、外側線維は骨盤拳上や体幹側屈に作用し、内側線維は体幹伸展や側屈に作用することが明らかにされています。
 内側線維は椎間の変位や椎間板内圧を軽減し、安定性を向上されるという報告があり側方安定性に関与するインナーマッスルとしての役割を持っています。

インナーとアウター


 また、腰方形筋は呼吸にも関与し、主に呼気補助筋として強制呼気時に胸郭を下制する作用と、腰方形筋の前部線維の活性により第12肋骨部で横隔膜の付着部を安定させる作用があるため、強制呼気と安静吸気に活動するとされています。

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健常成人を対象とした報告では
安静時および強制呼気時の腰方形筋の断面積の左右差と胸郭運動、肺機能について
腰方形筋断面積の左右対称性と胸郭側方偏位量、胸郭拡張率、呼吸筋力との間に有意な正の相関がみられたとされています。

本間友貴 他:強制呼吸での腰方形筋断面積の左右対称性と前額面上の姿勢,呼吸機能の関係,2018

臨床で簡単に行える胸郭の評価をこじろうさんが紹介してくださっています。

是非ご一読ください!

また、呼吸の重要性についてはだいじろうさんのこちらの記事でご確認ください。

☆POINT☆
腰方形筋の重要な機能は「姿勢(脊柱)の安定」と「呼吸」です


2. 腰方形筋と腰痛の関係


腰方形筋と腰痛の関係については以下のような報告があります。

「慢性腰痛をもつ女性の体幹筋の筋断面積は健常な女性と比較して減少している」

(対象)慢性腰痛を持つ主婦36名(平均43.2±6.9歳)と健康な主婦34名(平均44.4±6.9歳)(方法)慢性腰痛の評価にVAS、Oswestry Pain Questionnaireを使用。筋断面積はCTを用いて脊柱起立筋、多裂筋、腰方形筋、大腰筋、大殿筋を測定。大殿筋は大腿骨頭中心、体幹筋はL4椎体の上縁と下縁の横断面。(結果)多裂筋、大腰筋、腰方形筋の断面積は慢性腰痛グループで有意に小さかった



「片側性の非特異的腰痛患者は座位での体幹運動が非対称」

(対象)片側性非特異的腰痛をもつ腰痛患者54名と対照群59名。(方法)骨盤の非対称性を測定し、動作解析で座位と立位での体幹側屈・回旋の対称性を測定した。(結果)片側性非特異的腰痛患者は骨盤の非対称性を代償するために腰椎の動きに非対称性を生じさせ高いストレスをかける
☆POINT☆
腰痛における腰方形筋のキーワードは「筋の萎縮」と「左右非対称な運動パターン」です


3. 腰方形筋が腰痛を起こすメカニズム

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