スーパーかあちゃんへの道08
今日は時間がなくて、洗濯を回しただけで干すのは主人に任せ、朝食は割とちゃんと作ったけども洗い物は主人に任せ、なんか色々任せて、電車に飛び乗りほうほうの体で出勤。「ほうほうの体」が「這う這うの体」と書くのは初めて知った。
こわ。はうはう、は怖いよ。貞子だよ。
ところで仕事が始まり人文書担当になった。これまでは文芸担当だったのだが、色々と勝手が違って、職場に着いてもまだ這っているようなもん。
その違いというのは色々あるのだけれど、開始二日目で目に見えてわかる違いってのは単純なもんで、何より本が重いのよ。形がばらばらなのよ。文庫本を腕の中に20冊積んで、棚の間をすーいすーいすいのすいのすいと闊歩するのとはわけが違うのよ。
例えばこんな感じ。
棚から、売れる可能性が低い本を抜く。そして少しでも売れる可能性が高いものと入れ替える。これはどんな棚でも基本は一緒。
しかしこの人文・芸術書、棚から一冊抜いたが最後、周囲の重たい本がずっしりと傾いてきて、作ったはずの隙間にはもう、片手で本を差すことは無理。ではもう一つの手には? これから差す本があるよね。それらをちょっと小脇に抱えて、なんとか両手を空け、自立する気のないずっしりさんたちを左右にムン!とかき分けて、隙間を作りまして、そこに新しい一冊を。って思うけど、小脇の本は落下寸前。ムン、てしたら脇開くよね。ぜひちょっとやってみてほしい。ムンしたら脇開く。
ちょ、せっかくの隙間。あ。と思うけど、ここでこの超重量級の本を落としたら、あわや破損。てわけで隙間を諦めて振り出しに戻る。「あぶな」と思わずぼやいて振り返れば、『売れないバンドマン』という本を読んでいる売れなそうなバンドマン風の人と目が合う、こと3秒。い、らっしゃいませ〜。と低音で呟きながら一時退散。ううう、せめて売れるバンドマンの本を読めー!という謎の悪態。
結局、抜いた本をブックトラック(というのはバックヤードから本を持ってくるとき書店員がガラガラ押している荷台)に置いて、差したい本を一冊だけ手に持って、再び棚へ出陣する、という始末。
この「一冊だけ持って移動する」、という行動がすごく非効率な気がして、一気に何冊もやりたい、と思って何度もチャレンジするのだけれど、手強い。すぐに詰む。たった二本の手すらうまく使えぬ。
そんで帰れば、土砂降りの雨。駅の出口で。ぽつねん。子供が待っているのでダッシュで帰る。雨粒が大きいよ。痛いのよ。最初から最後まで、なんだかはうはうの一日。
明日があるさ、明日がある、なんて、カラ励ましなメッセージうるさいわ阿呆って思っててごめんなさい。
私はその歌をハミングして、横断歩道を渡りました。るん。
スーパーかあちゃんへの道のりはまーだまだ遠い。
応援いただいたら、テンション上がります。嬉しくて、ひとしきり小躍りした後に気合い入れて書きます!