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クリムト展見てきた

クリムト展に行ってきた。やや無理やり外部セミナーを、午前中に突っ込み、午後はそのまま年休だ。

上野駅は相変わらず人が多いけど、平日午後の東京都美術館はまだ混雑と言うほどではなく見やすい方だと思う。先に大哺乳類展に、行ったんだけど、それはまた別に書く。

5分も待たずにチケットを買って、音声ガイドも借りる。稲垣吾郎さんだ。そういえば音声ガイドってどうやって決まるんかな。音声ガイドについてはあんなもんあったら自由に見られん、という意見も見たけど、私は好きだな。ツボな声優さんだったらなおさら。耳への滋養だ。

展示室内は人も多くて、空いてそうなところから見て回る。最初はクリムトやその家族の展示からスタートだったんだけど、あの有名な、ワンピースみたいな服着て猫を抱っこしてる写真はイメージと違ってかなり小さかった。クリムトは猫好き。猫好きな男性ってモテると思ってる。クリムトもいつも周囲に女性がいたようなので、納得。

今回は「ユディトⅠ」が目玉の一つなんだろね。わかりやすくエロみがある。すごい。何かしらの劣情を抱かせるよ。私はクリムトの「ダナエ」を何かの本で見て、とても惹かれたんだけど、「ダナエ」とは方向が違う官能だな。「ユディトⅠ」は明らかに誘ってる、他者の視線ありきだ。「ダナエ」の方は気持ち良さに没入していて、他者の視線を必要としていない。覗き見してるような感じ?

そしても「ベートーヴェン・フリーズ」の原寸大レプリカがすごい。でかい。絵画というか壁画なので、立体、金銀、半貴石が埋め込まれてる。
だいたい私は単純なので、大きいものにすぐ圧倒されてしまうんだ…怖い絵展の「レディ・ジェーン・グレイの処刑」もサイズに驚いたし。

最後の方に「女の三世代」があってこれがまたね、老いがリアルなのだった。老女の血管の浮き出た手足、黒ずんだ肌色、垂れた乳房、不恰好に出た下腹部。それに比べて、若い女と幼子のツヤツヤっぷりよ…カラー的にも若さは春夏の色、老女は秋冬を背景にしていて、一層老いがえげつなく響く。自分の老いを考えざるを得ない。つら。

そんなわけで図録は「女の三世代」が表紙の方を買った。図録は、クリムトの手紙の中身を訳してあって興味深い。ただ、ここまで世界的な画家になると、プライベートな手紙まで晒されるのか、とも思った。クリムトが最も愛したというエミーリエ・フレーゲがクリムトからもらった手紙を処分していたという話は、愛を感じる。(それでもいっぱいのこってるんだけど、処分しきれないくらいやりとりしてたんよな)

クリムト展の会期は2019年7月10日まで、上野の東京都美術館でやってます。7月23日からは愛知の豊田市美術館に巡回します。今回絵の入れ替えはしていないけど、豊田とは展示内容違うんだろうな。多分図録にはあった「人生は戦いなり」はそっちで見られるはず。







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