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9.優しい冷凍とおばあちゃん

 おばあちゃんがおばあちゃんたる所以はなんでしょうか。

 それは、まだ解凍しきれてないおかずを出してしまうところでしょう。
 ただシャリシャリのイカの刺身からも学ぶ事があると知りました。

 私はおじいおばあちゃんが大好きです。たくさんお世話にもなりましたし、おじいおばあちゃん子に自信をもっています。
 今回はおばあちゃんのお話ですが、いつかおじいちゃんの話もかきます。

 私の実家はおじいおばあちゃんちと隣接していたので、ほぼ2世帯住宅として生活をしていました。なのでご飯を食べに行くことも多かったです。
 時たまおかずとしてお刺身をだしてくれるのですが、そのお刺身はもれなく半解凍で凍っていたのです。お茶目ですね。
 ほぼ100%半解凍という茶目っ気にはすぐ慣れ12歳のころには逆に癖になっていた時期もあります。

 最近でも、おばあちゃんが冷凍タコを送ってくれました。タコ大好きです。さすがおばあちゃんです。大好きです。
 たとえ欠けた包丁のカケラが付いていても。
 背筋が凍りました。さすがおばあちゃん、孫の冷凍もお手の物です。
 きっと冷凍してからタコを切り分けたので、包丁が負けてしまったのです。

 おばあちゃんお茶目です。
 昔お味噌汁に青虫が入っていたのもお茶目です。きっとそうです。庭で採れた野菜を使っていましたから、無農薬の証です、虫も食べるほど美味しい野菜だったのです。

 余談が入ってしまいました。
 ある日おばあちゃんに冷凍する理由をきいてみました。明日食べる予定でも冷凍庫にしまうのです。
 理由はおばあちゃん曰く、

 「お腹こわさないためだよ」

 と、一言答えてくれました。
 たしかに冷凍したら日持ちはする。次の日食べる確約もない上では良い仕組み化だと思いました。(おばあちゃんは忘れることも多いですから)

 しかし、今になって考えると、アニサキス症の予防も兼ねていたのでは、と思うのです。アニサキスを滅するには冷凍が一番簡単です。サバやイカなんかには多いですから、おばあちゃん刺身レパートリーにも合致します。

 私は大学で水産学をかじった身なので、おばあちゃんの優しさの深さを見誤る事を防げましたが、おばあちゃんからだけでなく、貰っているのに見落としてる、認知できていない優しさが他にもたくさんあるでしょう。

 無知は罪とは言ったものです。
 サバかれる前にイカに学ぶか

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