《吉野山系》4
修験道の聖地、吉野山。その修行は、母なる山に入って現世の自分を一度葬り、その胎内から生まれ変わるという疑死再生の修行だといいます。修行者の自分でなくとも、“母なる山”というフレーズはなんとなく聞き覚えがあります。山はやはり母なのでしょうか。
生まれ変わる。輪廻転生。それは私が普段から扱う、編むという技法に通じるものがあります。一本の糸は編まれることで様々な形状になり、ほどけばまた一本の糸に戻り、次にはまた違う形になることができます。そんな編みものの特性を活かし、吉野の皆さんと共に、生と死を巡る旅をします。
素材には残糸を使用します。残糸というのは主に、ニット工場で服を作る際に発生してしまう残り糸のことです。廃棄するしかない糸が世界中のニット工場の倉庫で眠っていると言われており、環境問題にもなっています。作品タイトル「吉野山系」は「太陽系」と同じ意味合いで、「系」は、ある関係をもって一つのつながりやまとまりをなすもの、という意味です。宇宙に漂うチリが集まって絶妙な関係性の元に地球や太陽系が形成されたように、世界のどこかで漂っていた残糸を吉野山に集め、吉野山がもつつながりを独自の手法で提示したいと考えています。
MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館
力石咲 展示作品《吉野山系》パフォーマンス
映像制作:Create ESM 代表 永野貴志
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MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館
会期:2022年9月17日(土)~ 11月13日(日)
会場:奈良県 吉野町、天川村、曽爾村
入場料:無料
主催:奥大和地域誘客促進事業実行委員会、奈良県、吉野町、天川村、曽爾村
協力:EcoFlow Technology Japan株式会社、FM COCOLO、一般社団法人曽爾村農林業公社、パナソニック コネクト株式会社、Peatix Japan株式会社、豊永林業株式会社、株式会社ヤマップ、有楽町micro FOOD&IDEA MARKET(50音順)
プロデューサー:齋藤 精一(パノラマティクス主宰)
キュレーター:吉野エリアキュレーター 井口 皓太(CEKAI代表・映像デザイナー、クリエイティブディレクター)
天川エリアキュレーター KIKI(モデル)
曽爾エリアキュレーター 西岡 潔(写真家、アーティスト)
参加アーティスト(50音順):全34組
吉野・天川・曽爾|菊池 宏子+林 敬庸、齋藤 精一、村田 美紗
吉野|井口 皓太、大原 大次郎、力石 咲、NAZE、VOU/棒、magma、MACCIU、松田 将英、米澤 柊
天川|ATSUSHI、覚 和歌子、華雪、川口 大輔、KIKI、坂本 大三郎、寒川 一、西尾 美也、平 勝久・平 瑞穂/STUDIO PREPA、横山 寛多
曽爾|岩谷 雪子、尾柳 佳枝、CALMA by RYO OKAMOTO、北浦 和也、小松原 智史、三瓶 祐治、⻑岡 綾子、永沼 敦子、⻄岡 潔、前田 エマ
NARA Program(吉野)|タカ ホリイ、松田 大児
https://mindtrail.okuyamato.jp
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