ケンタウロス企業とは？～ユニコーン企業との違い～
日本のSaaSマーケットでもM&AやIPOなどがよく話題に上りますが、海外では扱う数字の桁数が違います。いずれ日本からケンタウロス企業は現れるでしょうか？
CLOUD100からみえるトレンド
Cloud100という世界の未上場クラウド企業のランキングがあります。
2024年のCloud 100のリスト金額は8,200億ドルに達し、前年比25%増。Cloud 100史上最高のリスト金額となっています。
いくつかの要因がある中で、AI企業が時価総額で1,000億ドル以上の大躍進を遂げたことが大きいそうです。
また、平均的なCloud 100企業がケンタウロスの地位（後述）に到達するのに要した時間が短くなり続けています。
2024年のCloud 100企業の平均がケンタウロスのステータスに到達するのに要した期間は8年未満で、2016年のCloud 100の初回では10年でした。
特にAI企業は平均6年強と短く、これまでにない速さです。
ユニコーン企業とケンタウロス企業
「日本にはユニコーン企業が少ない！」とよく耳にしますが、
世界にはユニコーンならぬ、ケンタウロス企業というステータスが存在します。
ユニコーン企業とは、
・評価額が10億ドル以上
・設立から10年以内
・未上場
・テクノロジー関連のスタートアップ
を指します。
ケンタウロス企業は、
・ユニコーンの条件を満たしながら
・年間経常収益（ARR）が1億ドルを超える
企業が該当します。
ケンタウロス企業がCLOUD100のベンチマークとされるなど、投資家から注目を浴びる理由としては
ARR（年間経常収益）が高い→→→安定的に成長している
とみられるためです。
ユニコーン企業の中にはすぐに脱落してしまう企業も少なくありません。
ケンタウロス企業の例
2024年にケンタウロスに達した企業をピックアップしてみると
① Quantexa
●設立年: 2016年
●本社所在地: イギリス
●評価額： $1.8 billion
ロンドンを拠点に、不正検出や顧客インサイトの提供を通じて、金融、保険、公共部門向けに意思決定インテリジェンスソリューションを展開
② Vena
●設立年: 2011年
●本社所在地: カナダ
トロントを拠点とし、財務計画、予算管理、分析を行うSaaSソリューションを提供し、特にExcelを活用した柔軟な機能で評価されている
③ SOCi
●設立年: 2012年
●本社所在地: アメリカ（カリフォルニア州サンディエゴ）
地域密着型のマーケティングとブランド管理を支援するツールを提供し、複数店舗展開企業に特化したサービスを展開
世界におけるユニコーン企業は1,515。
ケンタウロスの企業数については、ARRが関わってくるため正確な数字を得ることは難しいようですが、160くらいという相場のようです。