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【パワポ研の決算資料探訪24】coly社の決算説明資料は、グラデーションで効果的な色使いが目に優しい

企業の決算説明会資料について解説するこのシリーズ。前回大変好評をいただけましたので、おかげざまでこの度シリーズ24回目を迎えることができました(好評だった初回Goodpatch様の記事は以下)。

今回も見どころある企業の決算説明資料について紹介させていただきます。
対象とするのは、coly社。2021年上場で、モバイルオンラインゲームの企画・開発・運営などを主な事業とする企業です。

2024年1月期第1四半期 決算説明資料(URL

それでは早速見ていきましょう。

表紙

若い企業らしい、非常にキャッチーな作り。よくみると、自社IP(Intellectual Property)を切り抜いて、自社ロゴにあわせています。芸が細かいですね。細かいと言えば、文字が重なる部分は袋文字にして、視認性を維持しています。非常に丁寧です。

株主・投資家のみなさまへ

我々パワポ研は、あくまでここではパワポデザインを論評する以上の立場を持たないのですが、結果としてたくさんの決算説明会資料を読み込むことが多くなります。そしてたくさんの資料をこれまでも見てきたのですが、代表取締役社長(の名義)がこんなに減収に関する文章を掲載したものは初めてみました。穿った見方をしなければ誠実に見えます。デザイン的にも質素でよいかなとも思いました。

目次

これまでも出てきていましたが、この資料の最大の特徴は緑の枠線。ロゴにもあったとおり、当然コーポレートカラーは黄緑になりますが、それを全面に押し出すスタイルです。
正直なところ、スライドライティングの鉄則として「いらない装飾は外す」というものがあって、その原理原則にはこの枠線は反しているのですが、意外にも読んでいて気になりません。背景として溶け込んでいるからですかね? いずれにせよ、見やすさを妨害するものではありません。むしろ、明るくて見やすいとさえ思えます。色によって差分がありそうですね(例えば、黒の囲いだとするとちょっとヘビーな印象を間違いなく受けるでしょう)。

当社のビジョン

これは難易度が高いスライドです。こういったビジョンはつらつらと書くのが相場と決まっているのですが、嫌でも目立つ緑色の「もっと、面白く」という文字がビジョンそのものでしょう。これは真似するのは難しいですが、インパクトは大きいです。文字も微妙に黄緑→緑のグラデーションをかけているのがポイントです。相当工数がかかっています。決算説明資料だから費用対効果は◎ですが、普通の社内資料でこの工数をかけていると、ちょっと時間の使い方を見直したほうがよいという指摘を受けるでしょう。

ディバイダー

ディバイダーも当然緑色で構成されています。黄緑→緑のグラデーションが美しいですね。ここで初めて気が付いたのですが、各スライドの枠もグラデーションがかかっているようです。一つ作れば複製はそこまで手間ではないで、費用対効果が高い工夫と言えるでしょう。本屋に行ってもグラデーションを活用した表紙の本はデジタル系を中心に随分増えているようなので、グラデーションは最近の流行りといってもいいですね。

販管費の推移・内訳

スライドカラーを黄緑に統一すると、当然利用する色もそれに合わせたものである必要があります。このスライドでは、グラフの色を原色系ではなく、緑から青色にかけたグラデーションを上手く活用しています。Vividな色を使うと目立ちすぎますからね。

ビジネスモデル

尖った色をテーマカラー(この場合は黄緑)として使うときは、他の色も調整する必要があります。このスライドでは、赤・緑・青色が使われていますが、それぞれ原色のそれとは大きくことなるように調整されています(赤→シャアザクっぽい赤、緑→コーポレートカラー、青→エメラルドブルー)。少しサイケというか、デジタルチックな色にするのが、最近の流行ですね。

成長戦略

色を使い過ぎず、明度や彩度だけで調整するのも一つの手法です。このスライドは黒文字と緑系統のボックスだけで構成されていますが、見やすい色合いになっています。

まとめ

思い切ったコーポレートカラーでも、色合いを調整すれば見やすい資料になります。また、資料の枠(囲い)は、それが目立つ色であったとしても案外気にはならないので、積極的に真似してもいいのではないかと思われます。グラデーションを使えると、なお綺麗に見えるのでよいですね。

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