文章力は“5つの能力”を理解することで加速する
ライデンです、
文章力を高めたいけどまず何から着手したらよいのか分からない、煮え切らない時期がありました。このフラストレーションを突破するキッカケとなったのが、今回ご紹介する“5つの能力”です。
僕は何か問題を解決しようとしたら、そのファーストステップとして、問題点を細分化する作業に徹します。具材を包丁で細かくみじん切りにするイメージ。
例えば、
『異性にモテたい』という悩みがあるとします。しかし「どうしたらいいのかなあ」と、ボケーっとしていても自分を変えることはできません。まず何から始めればよいのか、ここを明確に把握できていないとアクションに移すことはできないのです。そこで、悩みを細分化します。異性にモテるためには、
・外見を整える
・コミュニケーション能力を高める
・仕事に精を出す(稼ぐ)
など、大まかに分けることができますよね。そして、他人の意見も取り入れながら、自分に最も不足している要素を選びます。ここでは、『外見を整える』にしてみましょう。
しかし、外見を整えるようとしても、まだ何から手を付けたらよいのか明確とは言えません。顕微鏡でのぞき込むイメージで、対象物をズームインしていきましょう。
『外見を整える』を細分化すると…
髪型を変える、肌の手入れ、爪の手入れ、メガネをかけてみる、服装、香水をつける、痩せる、マッチョになる、etc
他にも色々あると思います。例えば、メガネを普段かけない人が伊達メガネをすればイメージはガラっと変わります。なので、もしかすると異性にモテるためのファーストステップは『伊達メガネを買う』ことが考えられますよね。
服装にフォーカスすれば、まだまだ細分化できるはずです。こうやって、『異性にモテたい』という“大きな問題”をズームインして、『伊達メガネを買う』という“小さな問題”まで細分化することで、初めに何をしなければいけないのか、一撃で理解できるようになります。
ここまでの話はOKですか?
で、この考え方は冒頭の『文章力を高めたい』に応用できます。実は、文章力を磨くためのファーストステップが分からない一番の理由は、『文章力を高めたい』という大きな問題を解決しようとしているからなんです。
文章力というワードは非常に曖昧です。
あなたにお伺いしますが、文章力とは何でしょう?
ズバっと答えられますか?
もしこの問いに即答できないのであれば、いつまで経っても「何から始めていいのか分からない」フワフワした状況が続くことでしょう。
僕は答えることができます。答えを認識しているので、自分には何が不足していて、何から始めればよいのか把握しています。そして、日々の特訓メニューを作り出すことができます。
答えが分からない?
安心してください。この先の内容を読めば「あ、そういうことね」と合点がいくはずです。ですから、一文字も見逃さないよう注意深く読み進めてほしいのです。丁寧に解説しましたので、どなたでも理解できます。
文章力とは何か?
先のモテたい悩み同様、ズームインして細分化していきます。すると、文章力は『5つの能力』に分解できることが分かります。
1)伝えたいことを整理する能力
2)文章全体を構成する能力
3)表現力,語彙力
4)読者の思考,感情を読み解く能力
5)見直す能力
どうですか?
なんとなくでもイメージできますかね。今はまだ理解できなくともこれからひとつずつ説明しますので、安心して付いて来てください。きっと読み終えた頃には、「うん、この能力が足りないな。まずはここから始めよう」とやるべき行動がその場で理解できるはずです。
では参ります。
1)伝えたいことを整理する能力
ここで悩まれる方は多いでしょう。
「結局何を言いたいのか自分でも分からなくなる」状態は、誰しも一度は経験済だと思います。これは、伝えたいメッセージが頭の中で整理できていないことが原因です。
端的にまとめることができず、文章が無駄に長くなってしまう傾向があるので、書き方を矯正するトレーニングが必要になります。
このトレーニングは一通り説明が終わりましたら紹介しますので、今はこのまま読み進めてください。
2)文章全体を構成する能力
これはコース料理をイメージしてもらえれば分かりやすいのかなと思います。もしも一品目に、デザートを出されたら躊躇してしまいますよね。全ての料理をおいしく堪能できるように、提供する順番はこだわるはずです。
文章にも『伝わりやすい順番』が存在します。例えば、結論を先に持ってくるか、もしくは後にするかで記事の構成は変化します。
ただ、2000文字以内の記事であれば、そこまで難しく考えずに感覚で書かれても問題ないでしょう。しかし、1万字オーバーの重量感のある記事を書くのであれば、目次や見出し小見出しを、予め作成する必要はあると思います。
ちょっとした『フォーマット』があれば楽チンですね。
3)表現力,語彙力
文章がつまらないと感じたり、文章全体にリズムがなく単調になりがちなのであれば、表現力と語彙力をアップさせる必要があります。イメージとしては、料理のレパートリーを増やすことが表現力、そして料理に使う具材の種類や知識を深めることが語彙力、と言った感じでしょうか。
毎日カレーだと飽きるように、文章においても、表現や言い回しが連続してしまうと面白みに欠けてしまうのです。
ただ勘違いして欲しくないのですが、小説のような華麗な表現は特別必要ではありません。小説やエッセイなどを書きたいのであれば追求するのもありだとは思いますが、コンテンツに重きを置いた記事では『例え話』がより重要になってきます。
僕の記事は、90%の割合で『例えば、』が含まれています。もちろん今回の記事でも用いています。読者に分かりやすくイメージできるように伝える努力も、表現力なんです。
4)読者の思考,感情を読み解く能力
読者の心を突き動かす文章には必須です。逆に、Wikipediaや論文のような書き物には不要と言えます。
「読み手を感動させたい」
「共感を生む文章を書きたい」
「感謝されたい」
のであれば、読者の思考や感情を理解することが大切なのです。なぜなら、読者は昆虫や動物ではなく『人間』だから。人に向けて書くわけだから人を理解するのは当然のことだと思いませんか?
「人はなぜ、感動するのか?」
「人はなぜ、同情してしまうのか?」
「人はなぜ、感謝するのか?」
なぜ?を追求するのが、ここで言う能力になります。パソコンで文字を打ち込むライティング作業とは離れた領域であり、コピーライティングの軸の一つです。
コピーライティング=ライティングスキル+心理学
5)見直す能力
編集のイメージです。
書き終えたら記事のチェックをすると思いますが、「ここをもう少し具体的にした方がいいな」とか「表現が少し弱いな」とか「同じ語尾が連続してるぞ」など、問題個所を発見し”説得力をもって”向上させることができる能力のことです。
単純な、校正に限りません。
校正(こうせい)とは、誤字脱字チェックの事です。こんなものはロボットでもできます。『見直す』とした理由は、記事の質をアップさせたい意図があったからです。
それと、太字で強調しましたが、『説得力を持って』は極めて重要です。「なぜ具体的にした方がよいのか」これを明確に答えられなければ、見直す必要はないからです。したがって上記4つの能力を一定レベルでクリアしている人が身につけるべき能力とも言えます。
添削できるようなレベルの人向けですね。
* * *
はい、ざっと説明してきました。
文章力という曖昧でぼんやりとしたワードを5つに細分化すると、自分に足りない部分が、以前よりも明確になったと思います。あなたはどこが弱いと感じましたか?
1)伝えたいことを整理する能力
2)文章全体を構成する能力
3)表現力,語彙力
4)読者の思考,感情を読み解く能力
5)見直す能力
「全部です。。」
という方は、優先順位をお伝えしますので、この順に学ばれますとスムーズに理解が深まるはずです。僕が子供に教えるならこの順番です。
1)→3)→4)→2)
「5がないじゃないか」と指摘されると思うのでお伝えしますが、5)はその都度やればOKってことになります。
1)を学び、実際になにか記事を書いたら必ず自分の文章を見直すようにしてください。トライアンドエラーですね。この繰り返しで1と5は同時に鍛えることができるのです。さらっと言いましたが、とても大切なことです。脳の奥の方にインプットされてください。
では、どうやって個々の能力を高めていけばよいのか?具体的なステップをこれから見ていきましょう。トレーニング方法のご紹介です。
本気の方だけ読み進めてください。
いいですか?真剣な人だけ読まれてください。文章は筋トレと同じように毎日トレーニング、つまり毎日書かなければ上達しません。文章という名の筋肉をムキムキにしなければなりません。
トレーニング方法に目を通しただけで上手くなることはありえません。筋トレ器具を購入して、説明書を読んだとしても筋肉は付きませんよね。行動するつもりのない人は、この先の内容を読んでも『意味がない』のです。
時間の無駄なんです。
きつい言い方になってしまい申し訳ないです。この点ご理解頂けましたら、どうぞ画面をスクロールしてトレーニング方法をチェックしてみてください。そして、今日から実践してください。
ではどうぞ。
◇トレーニング1:
伝えたいことを整理する能力
具体的なトレーニングをお話しする前に、「書き初めに苦労する」「早く書けない」方もいると思いますので、こちらの記事を先に読まれるといいでしょう。
ノンストレスかつ素早く書く4STEP
準備運動のようなものです。
で、「伝えたいことを整理する能力」を高めるトレーニングですが、以下のルールに従い記事を書いてみてください。
ルール1:一行18文字以内
ルール2:ひとつのセンテンスは4行まで
一行の文字数を18文字(最大20文字)以内に収めます。文章が長くなってしまう人は無駄な言葉が多く、余計なことまで書いてしまう傾向があります。
強制的に文字数を制限することで『必要な言葉』だけが残り、シャープな文章になるのです。余計な言葉を削らなければ18文字以内、そして4行までに収めることはできません。実際どのように書けばいいのかは、こちらの記事が参考になるはずです。
人が生理的に反応する五感テクニック
6歳児に説く、言葉の重み
どうですか?
縦に長い文章がそれです。
僕はコピーライティングを学んでから6年以上このスタイルで文章を書いてきました。仕事がら、メールを書くことが多いのですが、ほぼこのルールを守ります。
この記事はお分かりかと思いますが、横に長いです。パソコンで読まれる人が多いと分かってから、書き方を変えています。
今回はトレーニング、訓練としての『書き方』をお伝えしました。一度書いてみてください。想像以上に難しいですから。言葉を選び、不要な表現をカットし、コンパクトにまとめる作業は慣れていないとスムーズにいきません。
ぜひ挑戦されてください。
◇トレーニング2:
表現力,語彙力
ボキャブラリーを増やす方法に読書が効果的と言われていますが、僕は懐疑的です。もし本を読んだだけで増えるのであれば、誰もが辞典クラスの語彙力です。
「ライティングさん、私は読書で増えましたよ。いい加減なこと言わないでください。」と言う方は、とても器用だと思います。
『読書を楽しむ』『語彙を増やす』これらは別々であって、同時進行はできません。通常であれば、どちらか一方に意識が向くものです。あなたはきっと天才的な頭脳の持ち主です。素晴らしいと思います。しかし、一般人には読書を楽しみながら語彙を増やす同時作業はできません。
ボキャブラリーを増やしたければ、増やす作業にフォーカスすべきです。例えば、こちらの記事が参考になるはずです。
メッセージを強化する少し面白い作業
コピーライター必読の”金言集“
もしあなたが語彙をもりもり増やしたいのであれば、記事にあるように『自分だけのメモ帳』を作成するといいでしょう。僕も複数冊、所持しています。
【語彙をもりもり増やすルーティン】
STEP1:気になる単語をメモ
STEP2:毎日メモ帳を眺める
英単語を覚えるのに毎日コツコツ手書きをして覚えていましたが、そんなめんどくさい事はしなくてOKです。ただ毎日メモ帳を『眺めて』ください。そうすることで、脳ミソの奥に単語が備蓄されていきます。
この習慣を続けていくと、ある瞬間、言葉が舞い降りてくる感覚に包まれます。記事を書いていると複数の単語候補が頭の中に現れ、その中から適切なものをチョイスすることができるようになります。
信じられないと思いますが、僕はこの習慣を5年以上続けてこの境地にたどり着きました。あなたにできないはずがありません。
◇トレーニング3:
読者の思考,感情を読み解く能力
抽象度の高い内容になるので、本来であれば動画で丁寧に説明したいところではあります。ライティング面ではなく、人間の心のお話になってきますから、非常に奥が深いテーマでもあります。
ですからお伝えしたいことは山ほどあるのですが、その中でも人間に備わる『感情』にフォーカスして話を進めていきたいと思います。
感情コピーライティング
こちらはマガジンになりますが、いくつか記事がありますので、お時間あるときにでも読んでいただければと思います。
覚えていますか?
コピーライティング=ライティングスキル+心理学
大多数の方が『ライティング』を学ぼうとします。もちろんそれは素晴らしい努力だと思います。欠かせないスキルであることは僕も理解しています。しかし、文章を読むのはひとりの人間です。人を相手にするのだから人を理解するのは理にかなっているとは思いませんか?
僕はこれまで、
・(行動)心理学
・宗教
・哲学
・歴史上の扇動者
などの本を読み漁り、人間という生命体を理解しようと努めてきました。そしてこれからもその理解を深めていきたいと考えています。ライティング以外の部分で『差』がでます。もし余力があれば、あなたも学ばれることをおすすめします。
その入門として、人の感情を直視してみてください。
これだけで文章は変わります。
◇トレーニング4:
文章全体を構成する能力
これは意見が割れるところではありますが、文章の『型』についてです。QUESTの法則、AIDMAの法則、PASONAの法則…検索すれば「○○の法則」というのがいくつか出てきます。
で、この法則とやらをやけに重視する人もいます。
僕はあまり気にしないタイプの人間です。「起承転結」を意識してガチっと書くのは好きではありません。感覚的に書くのが自分には合っていると判断したからです。
この能力に関しては、自分の中で答えを見出すのが正解だと思います。しかし、根底にあるマインドセットは一緒。
読者は、読まない、信じない、行動しない
この考え方は共通していて、結果的に導き出された公式が「○○の法則」と呼ばれる文章の型になります。型はあったら便利ですが、このマインドセットを忘れなければ、書きたいように書けば問題ないという認識であります。
とは言いつつ、ちゃっかりフォーマットは持っています。基本的に僕の文章は次のフォーマットに従っています。この記事もそうなってます。
書くのが楽チンになるフォーマット
記事の構成は、真っ先に取り掛からなければならない問題ではないと思います。後からでも間に合いますから、優先順位は低めでOK
もし余力があれば、物語の書き方も学ばれますと、より一層エキサイティングで興味深い文章が書けるようになります。
ストーリーライティングの神髄
* * *
お疲れさまでした。
トレーニング編は以上となります。
あなたが今やるべき事がハッキリしたのなら嬉しく思います。そして日々の生活の一部にトレーニングを組み込み、文章力を高めていただければ幸いです。
あとは自分との戦い。
史上最強の柔道家と称される木村政彦さんは、『三倍努力』で有名です。「対戦相手が二倍努力するならこっちは三倍だ」という、物凄く単純な発想ではありますが、圧倒的な結果がすべてを物語っていると思います。
「一日9時間書き続けろ」とは言いません。僕たちには生活があります。一日30分でも、毎日書き続ければ、一年で180時間にもなります。
180時間を何となく使うか、それとも目的意識をもって180時間を使うかで、一年後の未来が決定します。毎日欠かさず記事を更新するのも、表彰されるに値する立派な努力ですが、正直もったいないと感じます。
自分が苦手とする能力を明確にして書き続ける
これだけであなたの文章力は昇竜の勢いで加速します。
一年前を思い出してください…
なにか変化はありましたか?
では、
一年後を想像してみてください…
あらゆることが可能になります。文章で読者を感動させたり、感謝されたり、お金を稼ぐこともできます。今まで以上に書く喜びを噛みしめているでしょう。また伝える能力を身につければリモートワークもストレスフリー。
あなたは、文章の力で何をしたいのですか?
そのことを胸に一歩一歩、進んでいきましょう。
ここまで読んでくれたのなら、その一歩が何なのか、あなたは理解しているはずです。あとは前を向いて右足、左足と動かすだけ。共に文章を心から楽しみ、ダイナミックな人生にしましょう!
最後まで読んでくださりありがとうございます。
ライデン
追伸:
2020年も残り僅かとなりましたね。
恐らくこれが今年最後の更新になると
思います。
今年はいろいろとお世話になりました。
すきやコメントをくださり本当に
ありがとうございます。
来年もよろしくお願い申し上げます。