悪が正義になるゲーム「勇者のくせになまいきだ:3D」
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※ネタバレあります!10年前のゲームなのでそんなに気にする人いないかもですが、ご注意ください!
わたしの人生で一番忘れられないゲームは「勇者のくせになまいきだ:3D」。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントが2010年に発売したPSPソフト。通称「ゆうなま」。実は3作目なんですが、TSUTAYAの中古ゲームコーナーで適当に選んだのが3作目だったってだけです。その時はこんなに神ゲーとは知りませんでした。
難しい操作がなくて(基本「岩を壊す」それだけ)、キャラデザがかわいくて(ポケモンか?ってくらいキャラがいる、進化とかもする。ポケモンか?)、クリアできそうでできない程よい難易度で(燃えちゃう)、そしてなによりエンディングがとんでもなく良い。わたしは初見のエンディングムービーの衝撃が忘れられなくて、今でもたまにYouTubeで見ちゃいます。
1.ゆうなまってどんなゲームなの?
大抵のゲームって、
プレイヤー=勇者=モンスターひいては魔王を倒す側
だと思うんですが、ゆうなまは違います。
プレイヤー=魔王=勇者を倒す側
なんです。(厳密に言えば魔王ではなくモンスターを生み出す破壊神ですが)
プレイヤーは迫り来る勇者を倒すために、ツルハシを振るって岩を削り養分を生み出し、食物連鎖を利用してモンスターを増やします。(ヘッダー画像参照)
これがなかなか難しくて、燃えます。岩を削りすぎたらダンジョンはスッカスカ、勇者にとってチョロゲーとなり、すぐにやられてしまいます。だからといって削らなさ過ぎるとモンスターは増えず、勇者を倒すことはできません。上手にモンスターを増やすことができたら、ダンジョンがとても気持ちの悪いことになるのと比例して、かなりの達成感を味わえます。勇者もサクサクやられていきます。
↑増えすぎてなにがなにやらの図。この状態になると完全に「勝ち」だが、PSPが逝くという点では「負け」(処理落ちして突然電源が落ちたりする)
この塩梅を掴むころには、わたしはゆうなまの虜になっていました。就活が終わって卒業を待つのみの大学4年の頃に、夜通しツルハシを振るい続ける程度にはどハマりしました。あの頃のわたしは、昼は倉庫派遣労働者、夜は個別塾講師、深夜は破壊神。完全に大学生の顔を捨て、3足のわらじを履き、破壊神メインで生きてました。わたしの愛用PSPはゆうなまのせいでバッテリーがバカになり、10分でアチチホッカイロ状態になるようになったのも良い思い出です。
2.エンディングムービーがすこぶる良い
そんなふうに、ちょっとひねった設定の面白いゲームは世の中に多々ありますし、ただ「あの頃確かにわたしは破壊神だった」という思い出補正だけでこんなに心に残っている訳ではありません。なぜならゆうなまは、
とにかくエンディングムービーが良い。
終わりよければすべてよし。このムービーが凝りまくっているせいでわたしは破壊神を卒業して3年が経とうとしている今でもこのゲームのことが忘れられないのだと思います。
このゲームは基本的にキャラクターは全てデフォルメされたドット絵で進みます。モンスターも勇者も、小さい2頭身で描かれています。
最終面をクリアすると、世界は勇者の猛攻から逃げ切り、今まで一緒に戦ってきた、魔王と魔王の娘、そして破壊神(自分)のものとなります。ムービーが始まります。自分が生み出してきたモンスターがぴょこぴょこと行進。
クリアした嬉しさとともに「可愛いなあ」とニコニコしながら見ていると、
?!
あれあれ!?
最後の最後で急に製作陣の本気〜〜!!!!
静止画でもこの麗しさです。アニメーションを是非見てみてください。音楽つきで(音楽もいいんだこれがまた)。YouTubeに上がってます。さらに言えば、必死こいてクリアした後の達成感に包まれながら見てみてください。もう……すごいですよ。
3.ゆうなまはただ「勇者を倒す」ゲームじゃない
クリアし甲斐があって、ゲーム性もグラフィックも質が良い。それだけでお腹いっぱいですが、ゆうなまはそれだけに飽きたりません。とっても奥深いゲームです。
そもそも、勇者はすべからく正義なのか?という点から考えさせられます。というのも、このゲームをクリアするためには、ゆうなま世界の食物連鎖(コケ→ムシ→トカゲ→ドラゴン...)を覚えることは必須です。したがって、モンスターも生命だということを思い知らされます。
さらに、ゆうなま世界では言外に、
モンスター=自然
勇者=人間(自然を破壊するもの)
と表現されています。それならば、一体どちらが悪なのか...と考えさせられてしまいます。
、、、
いろいろ語りましたが!
そんな小難しいことは考えなくてもとっても楽しいゲームです!岩を壊すだけでトベる!この記事を読んでくださったあなたが、ゆうなまファンになってくれたらわたしも嬉しいです。(最新作がVRでも出てるみたいだしね!)
最後までお読みいただきありがとうございました!
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