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Z級低予算人生
2022年3月20日 16:50
「檸檬爆弾」と言えば、多くの人は梶井基次郎の『檸檬』を思い浮かべるだろう。陰鬱な主人公の内面と対照的なほど鮮やかな檸檬が鮮やかなあの短編である。私は高校生の時に現代文の授業で読んだが、現在でも頻出らしい。主人公が思いがけず購入した、檸檬という黄色の果物を爆弾に見立て書店の棚に置き去りにするシーンが非常に印象的だ。読んでしばらくは誰もが「爆弾」を仕掛けたくなったことだろう。かく言う私は現在進
2022年3月4日 09:46
実家での療養を始めてまもなく1年を迎えようとしている。母親は専業主婦なので、幼稚園入学以来に一緒に過ごす時間が増えた。話すことはほとんどテレビの内容だが、ふとした時に幼少期の思い出話をされることがある。アルバム整理やホームビデオ鑑賞と言うような、感傷的なことをした訳でもなく、唐突に、母の中の記憶のトリガーが引かれるらしい。先日一緒に野菜炒めを用意していた時は、幼稚園のうさぎ当番の話をされた。