カギの人 マアさんの話 その2

その後、お父さんは、ヨヨさんがみつけてきた新しくてピカピカした病院に入院しました。しかし、その病院は、家から遠いので、80歳を過ぎたお母さんは見舞に行けませんでした。マアさんも、遠いので、着替えをとどけたりするのに大変苦労したのです。 そして、お父さんの肺炎はなおったものの、より足腰が弱り、そこの病院にくっついた介護施設に入ることになりました。 いよいよ、マアさんとお母さんの足は遠のき、お父さんはさみしく、どんどん弱っていきました。 ヨヨさんは仕事が休みの日に少しだけ顔を出し、ピカピカした介護施設に満足そうでした。 
お父さんはそこで亡くなりましたが、その時には姉と妹のあいだには越えられないくらいの溝ができていたのです。

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