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アンジュルムと勝田里奈の「Next Page」を読み解く

卒コンといえば最近は武道館という刷り込みが出来ていて、こういうホールコンでの卒業を見届けるのが久しぶりで、なんだか向かう道中も実感が全然なかった。

とりあえず勝田さんのスタイルブックをと思い会場で見本を眺めてると、スタッフのお姉さんが「誰推しですか?」と唐突に話しかけてきた。

「あ、タケ……ですけど」と言うや本を取り出して「竹内さんのこんな珍しい写真も沢山載ってます!ぜひ!」なんて営業かけられる。

苦笑いで「いや、買うんですけど限定のトートバックのサイズ感が気になって」と言うと「男の人でも持ちやすいと思います!」超グイグイ。なんか秋葉原の路上で絵画の勧誘されてる気分だったが、たしかにトートバックは持ち手が広くて男でも余裕で肩にかけられて持ちやすかった。タケのキーチェーンも買って付けてみた。

なんだろ、物販からして卒コン感がない。

時間つぶしに駅の方に戻って椿屋カフェがあったから「つばき、かぁ」と思いフラフラ入っていきコーヒー頼んでスタイルブックを読む。先日出たCDジャーナルと合わせて読むと2期の事、勝田さんの考えてる事が分かって、少し卒業を感じる。1万5000字インタビューは読み応えあった。

さて時間も良いので会場に戻る。

3階に向かうエスカレーターに乗ったら目の前にタワレコの嶺脇社長がいた。社長をアンジュルムで見かけるの久しぶりだなと見てるとグラサン中島デスクとpredia沢口けいこさんがソソソと現れた。

最新の『もういっちょTV』でも今後の積極的なハロプロ取材を語ってくれてるけど、アンジュルムのインタビューして欲しいなぁ。

なんて思いながら3階の自分の席に着く。前通路で見やすい。そして相変わらず会場内にはP!nkの曲がBGMとしてかかってる。いつも思うが誰の趣味なんだろ?アンジュルムのイメージに合ってるから全然良いんだけど、気になる。

『So What』とかね、強め女子の「ひとりで生きていけるわ!」ってアンジュルムぽいなと。

まあそんなこんなで開演。まだ卒業の実感はない。

暗転して登場するアンジュルム。その衣装が黒一色に金のアクセントというシンプル&クール。そしてタケの「Are You Ready」から始まったのはアルバム輪廻転生から『いとし いとしと Say My Heart』まさかの初披露。

もう、このタケのアップで「ぎぁあああああ!」となるな。女ヲタなら「好き!」が初っ端でMAXになって発狂する勢い。マジでまさかこのタイミングで聴けると思わなかった。

最高過ぎる。音源では繰り返し聴いていたが、やはりライブ映えパない。んで衣装がマジ最高に良い。なにコレと拝みたくなるレベル。

後のMCで、りなぷ〜プレゼンツの衣装だという事が明かされ、アンジュルムを完璧に理解している上での完璧なコンセプト作りと具現化に脱帽だった。本当に今後も衣装コーディネートには参加して欲しい。

そこからのセットリストは秀逸。新旧の楽曲、スマイレージ曲も入れ込みながらアルバム曲をガンガン初披露していく。みんな大好き『人生、すなわちパンタ・レイ』の台詞や『恋ならとっくに始まってる』の台詞は全てりなぷ〜から始まり、その度に女ヲタの絶叫と、どよめき。

しかしパンタ・レイ最高だ。ハロプロにヒャダインが提供した曲で一番好き。最初のSay My Heartとパンタ・レイで僕的には満足してしまったんだが、全体的に楽曲もオシャレな並びで、この構成もりなぷ〜が絡んでるんだろなぁなんて思わされた。

2期だけで歌った『旅立ちの春が来た』は、証明やレーザーが旧メンバーカラーになってて、その演出で初めて少し卒業を感じる。続けて全員揃って『交差点』が流れ出す。歌い出しのかみこ、素敵だと思ったらタケが「くんっ」と言葉に詰まりそのまま号泣して歌えなくなる。

唐突だ。感情は唐突に来る。

かみこがタケのパートを笑いながらフォローして歌い上げる光景も、顔を覆って泣いているタケを優しく笑って見つめるりなぷ〜も、全てが美しくて唐突に僕も目頭決壊。周りの客席ほぼ女子だったんだが、もう一斉にズルズル状態。隣の人は膝から崩れ落ちて号泣。至るところで大変な有様。

最初にタケが号泣するのはダメよ。そういうのにみんな弱いんだもん。みんな「タケぇぇぇ」ってなっちゃうよ。てかタケは『交差点』をまともに歌えた事が無いんじゃね?よく考えたら毎回号泣してね?

笑ってたりなぷ〜もメンバー全員泣き出したせいで、とうとう落涙。りなぷ〜曰く「カオスだった」というくらい全員が泣いていた。なんだろね、もはやパブロフの犬なのかな。『交差点』は落涙スイッチなのかな。

次が『Uraha=Lover』だったんだけど、この曲は個人的には和田彩花をイメージする曲なんだが、なんか流れ的に完全に勝田里奈の為の曲に感じられた。よくよく考えたら、りなぷ〜もぁまのじゃくな人だから、この曲にはハマるわ。ジーンとしちゃった。

ホントに大好きな曲。そして本当に良いセトリだった。良すぎて終演後もまだホールツアーの初日みたいな気持ちだった。アルバム曲解禁、新曲初披露、秋からのアンジュルム楽しみ!みたいな感じで、りなぷ〜の卒業という感情が薄かった。

こういう気持ちにさせるのも、演出だったのかなぁと思う。コンサートのタイトルを「Next page」としているのも伏線なんじゃないかと思う。卒業の悲しさよりも、次のステージのアンジュルムを楽しみに思ったり、次のステージの勝田里奈を楽しみに思わせるような細心の配慮だった気がしてならない。

「勝田がいて良かった」とはマツコ・デラックスの金言だが、本当に勝田里奈がアンジュルムにいてくれて良かったと思い、もっといて欲しいと痛感すらしてしまう【粋】な構成だった。

りなぷ〜挨拶後、新曲『私を創るのは私』が新体制で披露された。りんちゃんセンター。そして全員がタケのメンバーカラー青を貴重にした衣装というコーディネート。歌詞にも「次のステージへ」「まっさらな第二章 熱く描こう」と誰もがアンジュルムの「Next Page」に期待せずにはいられなくなる。

全員が全員、素晴らしかった。

りんちゃん、よく頑張った。桃奈、莉佳子、そしてそこに割って入る伊勢鈴蘭の覇権争いが楽しみで仕方ない。はーちゃんこと太田遥香が真価を発揮するのはもう少し先かもしれない。だが、伸びしろしかない。ある日、突然その日が来る気もしてる。

川村文乃はコンサート中、ずっとキラキラシチューなアイドルだった。船木結のポイントの押さえ方は和田彩花のそれと似た空気を感じる時がある。かみこ、国宝級の涙だった。いや、もはや世界遺産に登録すべき。むろ、今までりなぷ〜が担ってきたパフォーマンス面での支えは、今後の室田瑞希が一身に背負うんだろうな。大変だけど、むろなら出来ると思わせられるパフォーマンスを魅せて貰った。

かななん、なんだかんだ一番不器用だよなぁ。でもパフォーマンス中の低音パートと一緒で、陰の大黒柱は中西香菜なんだと思う。意外に脆いタケをむろと一緒に支えて欲しい。

そしてタケがリーダーとして、世界一丸い存在として輝ける事を期待したいと切に願う。そんな素敵な勝田里奈卒業コンサートでした。

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