2021.01.31(sun)新宿

すこしずつ捨てていく
消耗してすりきれたもの
ともだちがくれた古いアイエイチや
いらないと言ったのに持たされた寝袋
もう似合わなくなったスカートに
いつかフラッグスで買ったバッグすらも
変なシミひとつでいらなくなってしまった

ああここまで来ても結局言えずじまいだったな
もういいけど
だってどうせ後悔する
ちょっとの旅行から帰るみたいに
昔のように手を振ってくれますように

まだあちこちに停留所があったころ
さまよっていた都庁の足元にももう慣れたもので
あそこのタリーズで作業したあとはたいてい三丁目まで歩いた
エリちゃんといろんなはなしをしながら
恋のはなしだってときどきはした
そんなことをきっと芳しく思い出す
私はいつだってじぶんの感情を先読みして生きている

いつかの入り口がこの街だったように
ここを出口にする日がもう見えている
あのバスのどれかに乗って
この街の表面だけを撫でて往くね
内面まで知ろうとしないのはお互い様なので