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2021.02 小鳥

悲しいことにいまだ、

自分のことを持ち上げる腕力はあっても重力には逆らえなかった。
あれは東京タワーではなく電波塔だし、

悲しいことにいまだ、

人をかき分けてでないとまっすぐ歩くこともおぼつかない。
二本の脚だけではどうしても不十分で、

悲しいことにいまだ、

徒競走ではこの世のすべてに追い抜かれていくばかりだ。
それなのに他のなにかを飼い慣らそうとして、

それなのにいまだ、

あの小さな、羽に怪我をした動物の行く末を案じていた。
ヒトに倫理観は必要だったでしょうか、

悲しいことにいまだ。




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