写真に興味がない私がポートレート撮影を始めた理由

私がポートレートを撮り始めた理由は、写真が好きなわけでもカメラが好きなわけでもなかった。どちらかといえば写真にはあまり興味がなかった。私がポートレートを撮り始めたのは、いろいろな目的や機会など複合的な理由が2018年の初夏にたまたま重なり、1回目の撮影を踏み出すに至ったのである。以下に、その理由を羅列してみる。


ディレクションスキルを学びたかった。

私はデザイナーをしていたが、キャリアアップしてアートディレクターになるための技術を学ぶ機会が実務ではなかなか巡り会えなかった。撮影を通して、進行管理やディレクションを経験したいと思った。

カメラのレンズを理解したかった。

デザイナーは撮影現場でカメラマンに指示出し(ディレクション)をする。だが、その技術が自分には不足していた。レンズの知識や画角のことをもう少し理解していないと、カメラマンと対等に話せないと思った。実際にカメラを使って体感していこうと思った。

ライティング技術を理解したかった。

やはり、撮影現場でカメラマンに指示出しをする技術が自分には不足しており、ライトの当たり方や、光の見え方、また自分のイメージをライティングに変換して伝えることができなかったので、実際に経験して覚えようと思った。

いろんなスタジオを試してみたかった。

デザイナーは、撮影の仕事が決まると、スタジオのセッティングや香盤表(予定表)の作成も行うのだが、スタジオ経験が乏しいため、金額感や時間配分、広さのイメージを掴めていなかった。実際に経験して覚えたいと思った。

カメラは持っていたが風景写真に飽きていた。

もともと一眼レフは持っていて、風景などを撮っていたが、同じような絵になるのですぐに飽きてしまった。人物写真を撮りたいという思いはあったものの、チャンスがなかった。

コミュ障を克服したいと思った。

人と話すのがあまり得意ではなかった。自分のキャリアアップにおいてコミュニケーションは重要なことだが、積極的に話すタイプではなかったため、そういう機会を無理やり作ろうと思った。カメラを通して会話をするのは意外とやりやすかった。

撮影会のハードルが下がってきた

撮影会というと敷居が高いというか、高級機材を持っていて、カメラ慣れしている人しか入ってはいけない高尚な世界だという印象だった。しかし初心者歓迎の撮影会があるということを知って、勇気を出して行ってみた。

アイドルが撮影会に出ていた

その頃、地下アイドル現場によく行くようになっていたが、アイドルが出る撮影会があるということを知り、アイドルに会う感覚で撮影できるなら、心理的なハードルは下がるので行ってみようと思った。

たまたまLightroomがパソコンに入っていた

Adobeのソフトウェア提供がサブスクリプション方式になり、Lightroomも使えるようになっていたため、仕事でお世話になっているカメラマンに教えてもらいつつLightroomを触ってみたら、思いのほか楽しめた。

趣味を増やそうと思って始めてみたら、たまたま続いた

その頃、いろいろなことが上手くいっておらず、時間ができたときに打ち込める趣味を作ろうと思い、いろいろな趣味を試した。楽器など音楽系の趣味も何種類も試したが、半年や1週間とかで終わった。ポートレート撮影はたまたま続いた。

この人を撮りたいという人がいた

心の底から、この人を撮ってみたいという人が1人だけいた。美しい人であったが、表に出るのが好きではない人だった。その人を自分の手で、美しく写してみたいと思った。


そして、今もモデルさんに支えられている

ポートレートは対象が人である限り、相手がいなければ撮ることはできない。撮らせてくれるモデルさんがいなくなれば、撮影は終わりである。撮らせてくれるモデルさんがいなくなった時、私はいつでもポートレートをやめても良いと思っている。(やめようと思うことは実際に何度もある)

ところが、いまだにこの趣味は続いている。これだけ写真の上手な人がいる中、今でも「撮って欲しい」という方に突き動かされ、私のポートレートは続いてる。

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