お昼の終電

今日はお昼に終電があった。

終電は、真夜中に走るもので、
それに乗るとしんと暗くて、
みんな眠っているか、
お酒に酔っていて、
たどり着く先は、恐ろしい夜道。

乗ったら危険なものというイメージがある。

では、お昼の終電はどうだろう。

もしも、
ふんわりと晴れている
暖かい春の昼下がりに
終電が走ることがあったのなら、

あえて終電に乗って、途中下車をして、
ぶらりと家まで歩いてみるのも、
良いかもしれない。

坂道を下って、神社の横を通って、
私の住む町を優雅に歩く。

春の陽の光を浴びながら、鼻歌混じりに。
もう明日まで用無しになった、線路を横目に。

でも、幸せな
春の昼下がりに、
終電後を散歩する日は、
きっと来ない。

川が氾濫する
停電した
命を守る行動をとってください

そんなメッセージが、
スマホに、ラジオに、テレビに
流れ続ける一日。
これが、お昼の終電が存在する理由だから。

みんな無事でありますように。

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