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#6 裸の王様 | 正妻の愚痴
ほんっとばっかじゃないの!
大衆の前で裸でパレードするなんてありえない。
おかげで正妻の私まで恥ずかしい思いをする羽目になったじゃないの。
誰が見たってあんなのマヌケでアホでバカな王様よ。
この国には、まともな大臣も役人も居ないのかしら!?
はぁ、これからどう国民を束ねていくのかしらね。
まぁ、あの男の子を除いたら、裸のあの人に対して「王様の服は素晴らしい!」なんて言うそこそこバカな国民でしょうから、なんとかなると良いわよね。
貴方達に話したことあったかしら?
今ではオシャレな王様だと煽てられるようになったけど、そもそも、あの人がオシャレになったのは私のおかげなのよ!?
あの人から私にアプローチしてきた時、地味だったんだから。
想像つかないでしょ?
でも、ホントよ。
地味なあの人に私は全く惹かれなかったの。
でも、家の都合で仕方なく結婚するってなって私は嫌だったけど、なくなく受け入れるしかなかったわけ。
きっとその態度が気に入らなかったんでしょうね。
「王になるこの私との結婚をしかも正妻として向かい入れると言うのに、なぜそんな不満そうな顔なんだ。」って言ってきたのよ。
いくら、王様の正妻だからって私としては地味な人と一生を遂げるのは嫌だったの。
それよりも、おしゃれでキラキラしてて毎日一緒にいて楽しそうなお方と暮らしたいじゃない?
だから、私はあの人に「私は貴方様のような地味なお方とは価値観が合いません。家が決めた結婚なので受け入れますが、それ以上のことは求めないでください。」って言ってやったのよ。
そうしたら、あの人なんて言ったと思う?
「具体的に私のどこを直せば受け入れてくれるのだ?」って言ったのよ。
今でも、あの時のことを覚えているわ。
その時に、あ、意外と素直な人なのかもしれないと感じたの。
だから、それからは私が来て欲しい服を着て、たまに時間を作ってもらって2人だけでお出かけもした。
パーティの時なんかも、必ず仕立て屋だけでなく、私にも確認していたの。
そんな事をしてるうちに、あの人は自分でも身なりに気をつけるようになってオシャレだと言われるまでになったの。
つまり、オシャレにになれたのは私のおかげなのよ。
それなのに、最近は忙しいのか何か知らないけど、私との会話も無いに等しいし、身なりなんて気にせず、地味な格好に戻っていたの。
そんな時よ、あの詐欺師の2人が来たのは。
私が服を仕立てるその場にいれば、絶対にあんな恥を晒すことはなかったんだから。
建国記念日を国を挙げて盛大に祝うためのパレードよ?
それなのに、こんな王について行きたくないと思わせる結果になった。
あーあ、これからどうするのかしら。
もしかしたら、こんな王について行きたくないって反乱が起こるかもしれないわね。
冗談よ。不謹慎なこと言って悪かったわね。
まぁ、仮に反乱が起こったとしても、あの人の事だから血が流れる前に治めるでしょうね。
どんなに馬鹿にされてもパレードを最後までやり遂げた姿を見た国民が武力で立ち上がるとは考えられないのも。
それに詐欺師の言葉でさえ信じてしまう馬鹿が国民を信じないはずないでしょ?
あの人はいつまで経っても、バカで素直すぎるどうしようもない人なの。
最後まで読んでくださりありがとうございます😊
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