転職への認識のモヤっ 金融機関の夫×スタートアップの私
こんにちは。バリキャリでもゆるキャリでもない、フルキャリワーキングペアレントしてます。
日系大手IT企業から、外資大手コンサルを経て、今はスタートアップに勤めています。
私の夫は日系金融機関に勤めています。先日、夫と転職について認識の差を感じてモヤっとしたので、それがなぜなのかを言語化して整理したいと思います。
会社勤めで、彼と同じように考えているかたがいたら、この記事が今後働いていく中で何か役立ったら嬉しいです。
夫は金融機関の中では変なやつ
最初に言っておくと、私には夫の仕事や会社を否定する気はありません。あしからずご了承ください。
夫の会社は新卒から、ザ・日系の金融機関に勤めています。
特徴としては次のような感じで、昭和っぽい文化が残ってたりします。
終身雇用でメンバーシップ型
3年ごとぐらいで異動(転勤を伴うことも多い)
福利厚生が手厚い
給料も良い
男性が多く、配偶者はほぼ専業主婦
年功序列
私の夫は、金融機関の中ではあまりいないタイプらしいです。その理由は、本人曰く「ダメ上司の指示を適切に無視して、自分のやりたいことをできるため」とのことです。
私から見える部分では、長期の育休なんて前例のない中、二人しかいない部署で育休を3か月取得したり。(それ以来ワーパパ枠でセミナーに呼ばれる)
残業が当たり前な環境で、子どもの保育園のお迎えで毎日定時上がりしたり。
夫は強く自分を持っている人物であるからこそ、周りができないことをしているとは思います。
あくまで、夫の環境では、ですが。
環境が変われば、そんなの当たり前じゃん、と思う人も、たくさんいるでしょう。私のように。
夫が転職しない理由
そんな割と今風な考え方をしているつもりであろう夫は、転職しない理由として次の三つを挙げました。
今の仕事が楽しい
コンサルティングのような、誰かの役に立つ提案を自由にできるこの仕事が性に合っているようです。逃げたくない
「上司は嫌だが、転職してここから逃げるというのは負けたようで嫌」だそうです。仕事を変えるのは面倒くさい
夫としては、労働条件も良く、同じ内容で他で同等に貰えることはないと考えているそうです。自分は長く一つのことをやるタイプだと考えているとも。
それを聞いた私は、大きく二つの点でモヤモヤしました。
モヤ①転職は逃げであるか?
一つ目に私がモヤっとしたのは、転職を「逃げ」とした発言から、仕事を変えることへの夫のネガティブな見方に気づいたためです。
私は過去に二度転職しており、仕事を変えることにはポジティブなイメージがあります。
だって、転職した人が、後悔して戻りたいと言っているのを、私は見たことがありません。
ゼロはないにしても、少なくとも転職して満足している人の方が、割合としては圧倒的に多いのではないでしょうか。
それは、私含め転職した人の多くは、「逃げた」のではなく「捨てた」気持ちでいるからなのではないかと思っています。
夫の言う「逃げた」は、「そうせざるを得ない状況下にあり、仕方なく」というような、外発的な要因に基づく決定というニュアンスを含んでいるように聞こえました。
しかし「捨てた」は、内発的な自分の意志による決定です。
「自己決定」が人生の満足度を高めるといいますが、仕事選択においても当然それは当てはまると思います。
モヤ②現状維持バイアスを自分の趣向と分けて考えられていない
二つ目にモヤッとしたのは、仕事を変えるのが面倒であるという説明に対して。
これ自体は当然で、人には変化や未知を恐れて、現状維持を望む現状維持バイアスが働くものです。
私としては、夫に(職を変えた)経験がないのに、現状維持バイアスにより「自分は長く続けるのが性に合うタイプだから、この状態を維持するのがいいのだ」と判断しているところにモヤッとしました。
アルバイトの例
夫は「そもそも、あなたと俺とじゃ違う。」と、学生時代のアルバイトを例に出しました。
夫はずっと同じ飲食店でアルバイトをしていました。店長に腹立つこともあったけど逃げたくなかったし(また言う)、時給も良かったしと。
一方の私は、アルバイトは常に掛け持ち状態。一つ試して、一つ捨てる。合計15種類ぐらいは経験したと思います。
「自分にとって、よりよいものがないか」を常にアンテナ高く探している状態にありました。
二人の違いを、夫の認識では「自分は続けられるタイプ、妻は続かないタイプ」
私の認識では「夫は環境を変える抵抗が大きいタイプ、自分は比較が好きなタイプ」
として異なった認識をしていたようでした。
比較することで「自分」を理解
私の場合、学生時代のアルバイトで色々試したので、自分の好みをある程度理解していました。
例えば、飲食店で接客するアルバイトは疲労度が大きいこと。「好きなこと」でも待遇が悪ければ頑張れないこと。逆に、集中して黙々作業できるデスクワークは好きなことなど。
複数経験し比較することで、仕事が自分に合うかの判断材料を多く得たほか、自分自身が「色々やってみたい人なんだ」ということも分かっていました。自分への理解も深められたのです。
とすると夫は
夫の場合はどうでしょうか。
一つの仕事しか経験していなかったら、その仕事が自分に合うかなんて分かりません。比較なしには、それをベストともベターとも決めることはできないのです。
「自分は長く続けるのが性に合う」というのも、現状維持バイアスや会社のカルチャーによってそう思い込まさせられているだけかもしれません。その可能性に気付けない環境下にいるということも問題です。
夫は異動が多いので、そういう意味では別の仕事も経験していますが、「今の仕事が面白いので、以前にやっていた仕事には戻れない」と言います。それも経験して比較したからこそ分かることでしょう。
それなのに、比較するという選択肢を持とうとしないことに、私はモヤっとします。なにも絶対転職しろとは言っていません。選択肢を持って、選び取った仕事をしてほしいのです。
比較のない、自分を理解しようとしない人生なんて、もったいないように思います。
会社に依存したキャリア形成をする君へ
今の仕事が楽しいのは結構。
でもその仕事、あと数年内に異動になるんでしょ?
毎回運試しで会社任せのキャリアを形成していくの?
つまんない仕事にぶち当たってる時間、もったいなくない?
人生100年時代にずっと今の会社に勤めて、定年後どうするの?
そう心の中で詰めてしまう妻なのでした。
私はそもそもなぜモヤっとするのか
私は自分がなぜ、人のキャリアにモヤッとしたり、口出したくなるのかも考えました。
私は人生の後悔を極力減らしたいと常日頃から考えているのですが。多分、周りの人にも後悔してほしくないんですね。
ああすればよかったじゃん!と後から言いたくないのです。それも私の後悔に繋がるので。
私は私のために、周りの人に後悔してほしくないんだと思います。
ちなみに、ブロニー・ウェアさんの「死ぬ瞬間の5つの後悔」にて、死ぬ前に後悔することは次の5つだそうです。みなさんの生き方で、この5つに繋がりそうなものはないでしょうか。
自分に正直な人生を生きればよかった
働きすぎなければよかった
思い切って自分の気持ちを伝えればよかった
友人と連絡を取り続ければよかった
幸せをあきらめなければよかった
ぼやき 超ホワイト企業を辞めた私より
私が新卒で働いた日系企業も、福利厚生が手厚く、給料多めで残業少ない、ホワイト企業代表みたいな会社でした。
もしホワイト企業が足枷になって辞められない人がいたら、「以前の企業が羨ましいのは有休日数ぐらい」とお伝えしたいです。
それすら、今は裁量労働制なのであまり関係ないです。
したがって、条件とか待遇にこだわって、1日の大半を過ごす職場が充実せずにいると、時間が、人生がもったいないと思っています。
また、長く同じ場所に勤めることの弊害もあります。
良くも悪くも環境は人の人格形成に影響します。長く働いていると必ず会社の価値観の影響を受け、それが世の中の普通かのように思い込んでしまいます。
特に会社員として正規雇用の人間にしか会っていないと、多様性への理解もなくなります。視野も狭くなります。
世の中には多様な選択肢があります。そして、私たちには環境を選ぶ権利があります。私たちはもっと自由に働くことを選び取ってよいのです。
当たり前のことなのですが、それを転職により実体験として学んだことは、私の人生を豊かにしてくれたと思います。
ちなみに、何か行動しようと相談したときに、「しない方がいいんじゃない?」とリスクばかり言う人は、ほとんどのケースでその経験をしたことがない人、ですね。
相談は経験者にしましょう。
拙文で恐縮ですが、読んでくださりありがとうございました。
出典:『死ぬ瞬間の5つの後悔』
出版社:新潮社
著者:ブロニー・ウェア
訳者:二木めぐみ
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