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採用力を上げるための7つのトレンドブックのご紹介

「採用の実務以外で、採用力を継続的に向上させるために何をすべきでしょうか?」

そうご質問をいただくことがあります。

採用活動を開始/強化するにあたり、最も議論がなされるのは「採用手法」についてです。どの採用媒体を使おうか、どのエージェントさんにお願いをしようか、リファラル採用はどうする、LinkedInを使って採用しようか、などの類です。

これはもちろん間違いでは無いですし、採用活動をするにあたり最も重要であることの1つです。

ただ昨今の採用/転職市場において、採用の実務のみに取り組んでいてもなかなか成果が出ない、そんな背景があって冒頭のご質問をいただいているのではないかと思っています。

本ブログでは、採用の「実務」ではなく、それ以外に「採用力」を向上させるために何に取り組むべきか、という内容をポテンシャライトなりにまとめてみたいと思います。

0. 「採用力」とは

まず、前述した「採用力」とはポテンシャライトはどういった解釈をしているのかを説明いたします。

採用力とは:
採用活動をするにあたっての総合的な力。

皆さんこんな経験は無いでしょうか。

「スカウトメールを多数配信してるのに反応がない」
「評判が良い採用媒体に掲載をしたのに想定以上に応募が集まらない」
「何とかカジュアル面談/面接まで勧められたが、結果的に辞退されてしまった」

比較的よくある事象かと思います。
こちらの事象が発生したときに原因は様々かと思いますが、少し乱暴な表現をすると「採用力」が弱いから、という理由が1つあるかと思います。

もし採用力が高ければ、上記3つの事象が発生する確率は少しは下げることができます。完全にゼロにすることはもちろん難しいですが、下げる事は可能です。

では、どのように下げていけばよいのか。本ブログでは「コンテンツ」の事例を用いて1つずつご説明できればと思っています。

1. 採用力を上げるためのコンテンツのご紹介

自社の採用力を上げるためには、自社コンテンツの充実がほぼ必須として捉えて良いかと思います。ただ、どの企業様もこのコンテンツ制作に腰が重く、なかなか取り組んでいない実態があるかと思います。ただ、昨今の採用/転職活動においてこのコンテンツ蓄積は必須課題かと思いますし、今すぐ取り組むべきタスクの1つです。

では、1つずつ説明できればと思います。

 1-1. Entrance Book

Entrance Bookとは、御社の採用コンテンツを整理し、主にカジュアル面談前に提示するものです。
下記をご覧いただけるとイメージがつくかと思います。

前提として、このEntrance Bookを作るためには御社の採用コンテンツが少なからずいくつかある必要はありますが、全く以て外部発信が「0」の企業様は(おそらく)ないかと思います。そのため、まずは御社のコンテンツを出来る限り集め、整理して作ってみましょう。

当社では1年ほど前からこのEntrance Bookを活用しておりますが、候補者様からの評判は非常に良く、そして僕らのお客様からの評判も非常に良いです。「作ってよかった」と言ってくださる方が最も多いコンテンツになりますので、ご参考までに。

※企業様のEntrance Bookを取りまとめたものを下記ブログに掲載しております。


 1-2. Personal book

Personal bookとは自社メンバーの「パーソナル」を記載したものになります。
パーソナルとは何か。これはメンバーの内部的の顔といいますか、仕事をしている真面目な自分を描くのではなく、あなたのパーソナル(内面)を赤裸々に語るものになります。こちらも事例を見た方がイメージが湧きやすいかと思いますので、下記をご覧ください。

僕のパーソナルブックになりますが、写真からもわかるように僕は実はウサギを飼っています。

メディアでは真面目な話をすることが多いため、面接で候補者様に警戒をされてしまうことが多く、最初は緊張されている方も多くいらっしゃいます。ただ、僕としては緊張をされてしまうと、あまり良い面談/面接ができないため、もっとくだけた形で話をしたいものです。
そう考えたときに、当時の問題点としては「採用広報」の踏襲のあり方に問題があるのではないかと感じていました。採用広報が2017年ごろからトレンドになり始めてから、「真面目系」のコンテンツが増えました。これ自体は全く悪いことではなく、むしろ良いことだと思うのですが、ただ昨今の採用広報のコンテンツは「堅苦しい」ものが多いです。なんというか、本人の内部的な性格が読めないと言うか。例えば、

「こんな趣味があります」
「ここの出身なんです」
「この大学のこの学部にいたんです」
「週に3回はラーメンを食べに行くほどラーメン通なんです」

例えばこんな感じの内容です。ありきたりな自己紹介に書いてあるような内容ですが、今の採用広報のコンテンツはこういった内容はなく、むしろ面談/面接では上記のような内容を候補者様が先に認知していたとしたら距離が縮まることも多くあるみたいです。
これは、候補者様にとっても心理的安全性を保つツールになりますが、面接をする側にとっても候補者様が自分との共通点を見つけ、かつ面接前にアウトプットして下さるので、話を進めやすくなることも多くなります。

取り組んでいらっしゃる企業様はものすごく少ないのでぜひご参考にしていただければと思っています。

 1-3. Podcast

Podcastとは「声」を用いたコンテンツを指します。
なぜテキストではなく、わざわざ「声」のコンテンツを増やすのか。当社も声についてのコンテンツは重要ではないと思っていましたが、実際取り組んでみると、最も効果があったものではないか、と思うほど効果を発揮しました。

※当社のPodcastの事例を下記へ記載いたします。

Podcastで「声」の採用コンテンツをアウトプットしている目的としては、

「面談/面接でわざわざ「口頭」で質問をするレベルではないけれども、聞いておきたい質問を回答する」

と設定しています。
皆さんこんなご経験は無いでしょうか。面接で現場の方、そして経営陣の方が出て来て下さって、質問したい事は多数ありますが、「この質問してしまっては時間がもったいない」「この質問は代表様に聞くレベルの質問ではない」と判断して結果的にその質問はせず(もちろん回答は得られず)、入社してからその回答する(答え合わせをする)。おそらくどんな形でもこの経験をしたことがあるのではないかと思っています。

ただ、そこの情報の透明性がかけており、何かモヤモヤして選考に進まなかったり、内定辞退をされてしまうことも発生する可能性は十分にあり得ます。そんな中、一つ一つの粒度の細かい質問を「採用広報」のテキストコンテンツで出すのも企業側としては億劫ですし、面倒です。

であれば、企業側も候補者様側もラフなテンポで、かつ気軽に話す/聞くと言うコンテンツがあれば、双方ハッピーになるのではないかと思い誕生したのがPodcastでした。

前述した、ポテンシャルライトのPodcastのURLをクリックすると、約20つのコンテンツが準備されています。ただ、コンテンツとは言っても、2分程度で回答しているものなので、気軽に聞くことができます。最初は半ば勢いでこの施策を始めましたが、候補者様にこのコンテンツを提示する、1次面接通過のタイミングあたりで、皆さんこちらをほぼ聞いてくださっていることがわかりました。

個人的にはすごく有効的な施策であり、かつ他社様もほぼ取り組んでいらっしゃらない事例のためお勧めです。


 1-4. エントリーマネージメントブック

エントリーマネージメントブックとは、入社前後のギャップを限りなくゼロにするために、自社の粒度の細かい内容を赤裸々に綴ったものです。

こちらは本ブログで弁長に記載をするよりも、上記ブログを見ていただければと思います。

とは言いつつも少し説明をすると、当社のメイン顧客層であるスタートアップは、採用活動時に本来アウトプットすべきであろう事の文言化ができていないことが多く、結果的に入社後のミスマッチを生んだり、また入社承諾をするにあたっての精神的な障壁になることが多いです。

それを解決するために、出来る限り粒度の細かいQ&Aを記載したブックになっています。

僕個人的には「こんなはずではなかった」と入社後に言われることが本当に嫌で、自分の思ってることを全て伝えたいですし、良いことも悪いことも赤裸々に語りたいタイプです。ただ、どうしても入社してから「ネガティブ」なことに目がいってしまいがちなため、そうならないように作成したものです。


 1-5. Wellness book

Wellnessとは「働き方」と当社は定義しており、つまり自社の働き方や福利厚生、人事制度などいわゆるprivilegeの内容を記載したものです。

コロナの影響により様々な企業様で働き方の変化が起きました。ただ、求人票の書き方は皆さん変わっていません。例えば、「リモート勤務について」はほぼ必須でご質問したことがあり、明瞭にしておくべき必要があります。

当社で言うと、毎週金曜日「以外」の出社を義務づけてはおりません。ただ入社3ヶ月以内(教育/研修が必要なフェーズ)は出社をしていただいています。

こちらの情報はいたって一般的な情報ですが、今の採用媒体でリモート勤務の必須箇所は特にありません。ただ記載しておくべきでしょう。

何が言いたいかというと、ニューノーマルな働き方にシフトしているにもかかわらず採用通知書の内容を変えていなかったり、福利厚生の内容を書いていなかったり、そんな事態が発生しています。

そのため、Wellness bookと銘打って、これらを文言化し、取りまとめてみました。こちらは内定前後に皆さんにお送りしておりますが、比較的評判は良いです。この辺の内容は、プラスに働く事は多くはありませんが、マイナスをゼロにする事は可能です。余裕があれば取り組んでみていただけると良いかと思います。(そんなに時間はかかりません)。


 1-6. EVP book

EVPとは「従業員価値提供」のことで、つまりメンバーが自社に所属をすることで、企業側からどんな価値を提供できているのか、を言語化したものになります。

「魅力」と「価値提供」は異なると当社は定義しており、例えばMission/Visionなどのphilosophyについては、候補者様にとって魅力となるでしょう。そして入社後にもこれらは働くにあたってのバイブルになるかとは思います。

ただメンバーが自社の従業員として働くにあたり、philosophyを「価値」として提供できているかと言うと、体現できてる企業様は多くは無いかと思います。

皆さん、今の企業様で働くことで、どのような「価値」を得ておりますでしょうか。おそらく、まず思い浮かぶのが「お金(給与)」ではないでしょうか。働くぽっと出の大家は急用であり、これは全く間違いではありません。もしくは「成長」と回答する方もいらっしゃるかと思います。今の企業を選んだのは自己成長のため、と捉えている方も多いかと思い、ただ給与ゼロではもちろん働けないかと思いますので、前述した「お金」も重要ですよね。

では、お金と成長以外にどのような価値を自分は企業から得ているのでしょうか。

詳しくは上記のブログを見てみてください。
あらゆる「価値」に分類されており、これらを取りまとめることによって、候補者様が自社を選んでくれる確率も上がるかと思います。


 1-7. Culture book

こちらは文字通り、カルチャーを文言化したブックになります。
ただ、前述した6項目と比較すると、こちらのCulture bookの作成ハードルは非常に、非常に高いです。(2回言いました)。

何故かと言うと、カルチャーの言語化は非常に難しく、かつ経営側/人事側の一存で決めにくいものだからです。Mission/Visionはある程度トップダウンで決めても良いものだと思っており、ただCulture/Valueの類はトップダウンで決めると、浸透しないことが非常に多いです。そのため、全社を巻き込んでカルチャーの文言化をする必要性があると僕は思っており、そのためこのCulture bookは作成することが難しい、という意味にあります。

本気でカルチャーの構築をしたい方は、おそらく5月 or 6月中にはカルチャーについてのブログを出そうかと思っておりますので、そちらをご覧ください。

少しだけ補足をしておくと、僕の2021年採用ノウハウでのHot topicsの1つは「カルチャー構築」です。Mission/Vision、そして事業内容、職務内容はもちろん重要です。採用活動/転職活動の軸にしていただいて全く問題ありません。

ただ、皆さんがこれまでに所属していた企業/チーム/コミュニティーで最も居心地が良かった、楽しかった、ワクワクした団体はどこでしょうか?その団体をイメージしていただいて、なぜその団体が思い浮かんだのかを少しだけ考えてみてください。


皆さんその答えは、

「その団体のMissionですか?」
「その団体のやっていることですか?」

などあるかと思うのですが、おそらく別の回答もあるかと思っていて、「所属している人」「所属しているチームの雰囲気」「気を使わなくて良いところ」などの回答が出てくるかと思います。

何が言いたいかというと、Mission/Vision、事業内容はもちろん大事ですが、それと同等程度に「カルチャー」も重要なのではないかと。ただカルチャーを選考中に感じる事はものすごく難しいです。本来選考の普及により特定の方のみコミュニケーションをとることが多く、ただ対面の面接があったとしてもその企業様のカルチャーを正確に感じる事は難しいです。ただ、入社前にできるだけして知っておいたほうが良いかと思いますし、皆さんも知りたいのではないかと。


最後に

今回は「採用力」と言う切り口でかつ「コンテンツ」についての話をしました。
誤解がないように申し上げると、上記の7つのコンテンツを揃えたからといって採用力が最大値になるわけではありません。ただ、ものすごく向上するのは確かです。あらゆる項目にこだわることによって、総合的に採用力が上がって参りますが、その1つの材料として「コンテンツ」にスポットを当てた話をしました。

おそらく、人事業務に携わられている方であれば今回の内容には関心があるかと思います。ただコンテンツ制作は骨が折れる業務であり、なかなか手がつけられない。そしてどのような手順で作ったらよいかがぼんやりしている、などはよくある事かと思います。

ポテンシャライトでは上記したコンテンツを戦略的に作成していくご支援も多く発生しておりますので、ご興味をお持ちの方はご連絡いただければと思います。

※当社の採用/人事組織系支援にご興味がある方はお気軽にお声掛けください。

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