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押さえておきたい候補者情報とその信憑性の確かめ方

「職歴にのっていた情報って本当だったのかな...?」

入社してくれたものの、期待していた活躍がみえないメンバーがいると、ふと「職歴にのっていた情報、実績は本当だったのかな...?」と考えることも少なからずあるのではないでしょうか...?私たちが関わる中途採用領域において、こういったケースは少なからず耳にします。仮に入社してからのミスマッチを感じたとき、それは採用段階において防げるケースが多くあることに気づかされます。採用決定までの時間は限られています。短い時間の中で判断するための見方として、履歴書・職務経歴書をはじめ、面接と並行して把握するべき情報と、その見方のポイントを整理してみました。



1. そもそも履歴書・職務経歴書への記載が虚偽だったらどうなる?

これまでの裁判所の判決によると、虚偽の情報を採用企業側へ伝えた場合、その内容によっては、候補者は以下のようなリスクを負うことになります。

①軽犯罪法違反
修士号・博士号などの学位や、医師や弁護士など、法令で定められた称号などを偽って相手をだました場合は、軽犯罪法違反が成立します。軽犯罪法違反と認められると、拘留または科料に処せられる可能性があります。 
②詐欺罪
経歴を偽ったり、必要な資格がないのに資格があるとして給与を受け取っていた場合は詐欺罪となり、10年以下の懲役になる可能性があります。過去の判例では、医師免許がないのに医師免許を保持しているように見せかけて、病院で医師として採用され、診療を行った者に対し、裁判所は詐欺罪が成立すると認めました(東京高等裁判所昭和59年10月29日判決)。
(参照:ベリーベスト法律事務所「履歴書の内容にウソが発覚!経歴詐称をした社員は解雇できるのか」より)



1. 事前情報として持っておくべき3つの情報

「さぁ、明日は気になっていた候補者の一次面接!」

という段階になって、色々と気になることはないでしょうか?面接前に事前に持っておきたい情報を整理してみました。


 1-1. 履歴書・職務経歴書

履歴書・職務経歴書、この2つの書類は、事前に入手しておくと良いと思います。最近では、カジュアル面談からスタートしてそのまま採用にまで至るケースもあるかと思いますが、採用判断をするため必要であるということだけでなく、”入社時情報を残す” "身元を明らかにしてもらう" という観点で、候補者の方に準備しておいていただくと良いと思います。


 1-2. SNSアカウントの把握

最近では当たり前のように使っているSNS、採用時にも積極的に活用することをオススメします。

まだお会いする前からSNSを見るのはなんだか気がひける」といった声も耳にすることはありますが、オープン情報であることは前提として、お互いにとって有意義な面接時間を過ごすためにも、目を通す程度でも良いので、確認をして面接シュミレーションの材料とするには良いかと思います。


 1-3.その他、オンライン情報の把握

昨今、様々なWebメディアの登場により、年齢やポジションに関わらず、 何かしらの取材を受けていることが増えてきました。そのためご面接前に、Googleの検索窓に、事前に入手している情報から検索かけてみることもオススメします。意外な共通の知人とイベント登壇していたり、社外活動に積極的で広報的な役割を任せられる、といった副次的な期待をもてる可能性が出てくることもあります。



2. 候補者情報の信憑性を確かめるための3つの方法

ここまでは認識しておくべき情報リソースをお伝えさせていただきました。ここからは面接で口頭で得られる情報も含めて、それぞれの情報においてどこに目をつける必要があるのか?どういった対策を講じればよいのか?という観点でお伝えできればと思います。


 2-1. 学歴・職歴

中途採用においても学歴は必要情報ではないでしょうか?人材紹介会社の調査によると、中途採用担当者で採用に学歴が影響している企業は62%という結果が出ています。(参照:株式会社ワークポート「採用のホンネ調査」より) 個人的に、この数値は自身の肌感とは異なります。この数値を表現するとしたら

職歴以上に学歴を優先して採用を見送ることはありますか?

でしょうか。少なくとも、前提として日本での採用においては学歴も職歴も共に見られていることが一般的ではあります。何年か前に、経歴詐称でニュースのコメンテーターが降板させられた報道も記憶に新しいです。その方の場合には学歴を偽り、職歴は偽っていないようでしたが、こういった事柄からも、職歴だけでなく、学歴も重要な情報であることは間違いないと言えるでしょう。

学歴・職歴詐称を防ぐ手段としては、2つです。卒業証明書の提出もしくは、リファレンスチェックを入れるということです。学歴に関しては多くの企業は前者のアクションをとっていないかと思いますが、学歴が採用決定の判断要素として重要であれば、あっても良いアクションかと思います。もしくは、いずれの場合も、SNSを用いて同大学・職場の繋がりから裏を取りにいく作業を行なっても良いかもしれません。


 2-2. 実績・年収

 中途採用の場合、過去に残してきた実績が採用判断のために重要な指標となることは言うまでもありません。それに伴い、これまで評価されてきたご年収という点も合わせて把握する必要があります。

皆さんは、実績の裏付けをどうやってとっていますでしょうか?私がオススメするのは2つのやり方です。1つ目は、面接での深堀りです。2つ目は実績と年収を掛け合わせた把握です。面接が進むにつれ、ご年収のようなデリケートな内容にも触れる機会が増えてくると思いますが、個人的には面談ではなく面接の場合、その場でご年収のヒアリング実施を行なっても良いと思っています。候補者によっても調整する必要があるため、一概にはいえませんが、長年面接官をやっているとある種の違和感みたいなものが出てきます。そういった時は、実績と年収を合わせて把握することで、感じた違和感の整合性を判断する材料となり得ます。

例)                                セールスMGRポジションへご応募いただいた候補者           現職でセールス経験5年目                      売上予算達成12ヶ月連続、社内MVP2度受賞のご実績          とても輝かしいご実績が語られていますが、その方のご年収が350万円と聞いたら違和感をもたれる方も多いのではないでしょうか?とても大雑把に表現してしまいましたが、そのような違和感をもったら注意です。

対策として、実績の信憑性調査の方法は2つです。1つ目は面接でヒアリング、2つ目はSNSによるリファレンスチェックをオススメしています。違和感を持った面接では、実績を切り口に掘り下げた質問を展開します。それだけの実績を出すことができた要因何だったのか?など、裏付けとなる内容を探っていきます。また、2つ目は信頼できる方にそれとなく聞いてみたり、輝かしい実績を残されていらっしゃる方なら、SNSで発信していることもあります。同僚の見ている場で発信している公開情報であれば、信憑性が高いものと認識することができます。


 2-3. その他

上記2つに加え、求職者の中には自分を誇張表現するために、職種や保有資格なども偽るケースがあるようです。これは多くはないと思いますし、あったとしても気づかれないまま、問題として浮上せずに過ぎ去ることが多いようです。

とはいえ、あることは事実です。細かい項目を一つ一つチェックしていくことは、限られた面接の時間のなかでは難しいと思います。本当に欺こうと思ってくる(表現がおかしいかもしれませんが)優秀な詐欺師がいたら、判断をつけることは難しいでしょう。

最終的には、対峙している候補者に対して、信憑性を確認するために現実的に行うことができるアクションをとった上で、対話を重ね、信頼してメンバーとして受け入れることができる人物であるか?という点に収束していくのかと思います。

また最後の最後のリスクヘッヂとして、入社時にとりかわす就業規則や労働条件契約書「履歴書や職務経歴書の内容に偽りがあった場合は懲戒処分を行う」といった内容を明記することで、会社を守ることができます。



3. 最後に

今回は、候補者情報の信憑性を確かめる3つの方法をお伝えさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?最近では、様々な求人媒体が出てきたことにより履歴書・職務経歴書を不要としている会社も増えてきたように感じます。ただ、入社してから気づくギャップを判断する指標の一つとして、本人から提出される貴重な情報は保持しておいて損することはないかと思います。人材紹介もやってきた身としては、面接は、お会いする前にイメージした候補者像の仮説検証をしていくような場であったりします。ぜひ皆さんも、短期的に、確かな採用成功のをするため、誤った採用による経営リスクを軽減させるために、情報の信憑性に今一度目を向けてもらえればと思います。

ポテンシャライトでは「押さえておきたい候補者情報とその信憑性の確かめ方」についての助言もさせていただいております。ご興味いただけた方はお気軽にご連絡をいただければ幸いです。採用状況を鑑み、無料でカウンセリング商談も実施しておりますので、よろしくお願い致します。

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