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【Road to J1】梨の思い出

梨狩りに行って来ました

梨狩りといえば9月のイメージですが、あえて8月下旬のこの時期に行ってきました。ちゃんと理由があります。「新甘泉梨」(しんかんせんと読みます)という品種の梨が食べたかったからです。

大事に袋がけされています。

梨といえば、西日本の人であれば、おそらく「二十世紀梨」が思い浮かびますよね。まだ時期的には早いのでこの時期であれば「幸水梨」あたりでしょうか。
私はみずみずしい梨が好きなので、「二十世紀梨」が好きなのですが、今から5,6年ほど前に「新甘泉梨」という梨に出会いました。

美味しい梨の出会いとスタジアム

私は「ファジアーノ岡山」というサッカーJ2リーグのチームをかれこれ14年ほど応援しています。ホーム戦はほぼ皆勤をいうがっつりサポーターです。
そのファジアーノのホームスタジアムにはGATE10というエリアがあります。熱い応援をするサポーターエリアなのです。
スタジアム入り口のゲートが1から番号がついており、その10番目の入り口がある周辺に集まっているのでGATE10です。

サッカーの試合に毎試合行く人はだいたい観戦する場所が決まっています。となると熱い応援エリアであるGATE10では毎試合だいたい同じメンバーが同じような場所で応援しているので、自然と顔見知りとなります。
ただの「顔見知り」であり、スタジアムでしか会わない人たちです。でも試合が始まれば、一緒に声をあげ、ゴールが決まればハイタッチをし、試合に負ければ一緒に愚痴る。そんな「顔見知り」に人たちです。スタジアムの外の姿は全く知りません。
毎試合いるので、たまにお家の用事か何かでいない日があれば、「どうされたんかなー」なんて心配までしちゃいます。そんな不思議な「顔見知り」の人たちが10年も経てばだんだんと増えてきました。

私の場合、GATE10での「顔見知り」の方々は、なぜか年配の方が多く、試合に行くたびにお菓子やら果物やらを周りの人たちに配ってくれました。
飴ちゃんからはじまり、お煎餅、冷凍みかん、巻き寿司、桃やぶとうなどの果物。。。その場で皮をむいてくれたこともあります。その中でもらったのが「新甘泉梨」。「美味しい」って言ったら一玉どうぞって渡してくれました。
その方は「この梨が美味しくて、毎年鳥取に行くの」っておっしゃっていたのをよく覚えています。

「顔見知り」からの人間関係

実はこの方、ただのGATE10の「顔見知り」の一人だと思ってたのですがそうではありませんでした。その方の娘さんと私のダンナさんが職場の知り合いだったのです。
県内の何千人という人が同じスタジアムに集まっているのですから、知り合いの一人や二人はいるとは思いますが、さんざん「顔見知り」になった後で発覚した繋がりだったので、びっくりしたのと同時になんだかほっこりした気持ちになりました。

ファンとかサポーターの繋がりというのは、なかなか不思議なものです。名前も知らなかった「顔見知り」がだんだんと身近になってくる感覚は学校や職場ではありえない人間関係のでき方です。実際にスタジアムに通わないと体験できないものです。そういった体験も含めて私はファジアーノのサポーターでよかったなと思っています。
そして、ファジアーノのサポーターは子供からお年寄りまで老若男女が集まっているので、まさにそういった人間関係がスタジアム観戦の醍醐味と言えるような気がします。
そうやってできた温かい人間関係がファジアーノ独自の温かいバクスタの雰囲気を作っているのでしょうね。メディアの記事で見ただけですが、選手たちがファジのサポーターは温かいと言っているという話をよく目にします。その言葉は長年応援をしている人たちにとっては極上の褒め言葉ですよね。

思い出とともに

8月の終わりになると、梨を食べたくなります。甘くて瑞々しい「新甘泉梨」です。食べていると思い出す人がいます。GATE10でこの梨をくれた「顔見知り」サポーターの一人です。ファジアーノ岡山がJ2に上がってからずっと一緒に応援をしてきた人です。J1に昇格する日を楽しみにしていたサポーターです。
今、その人はスタジアムではなく天国からファジアーノを応援しています。来年のこの時期には「新甘泉梨」を食べながら、「昇格したよ!!」って報告できたらいいなって思っています。

いろいろな思いを馳せながらも、残り10試合。
頼むよ、ファジアーノ岡山。


鳥取といえば砂丘。


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