【財務分析 Vol.29】 Cash is King「キャッシュフロー計算書」

すらまっぱぎ!うっちーです(@Life_is_UpToYou)
インドネシアからお送りいたします。

財務諸表をみればその会社がわかる。

未来分析実践活用編
Vol.29 『キャッシュフロー計算書』

▶キャッシュフロー計算書概要

財務三表としては最後の登場になりました「キャッシュフロー計算書」略して”CF”です!CFの大枠の要素はBSと同じ三つだけ!

”営業キャッシュフロー”、”投資キャッシュフロー”、”財務キャッシュフロー”

BSとPLによって企業の活動を正しい期間で、その”状態”や”成果”を把握することに成功した会計の手法は、一方で”現金”の本当の動きを照らすことをおざなりにしてしまいました。

だからこそ有名な”黒字倒産”なる言葉が生またんですね。。。

減価償却になどの償却方法を会社で決められたりと、期間会計には経営者の”意思”が介入可能となっています。だからこそ、『Profit is opinion , Cash is King』と言われいます。

いくら利益を上げていようが、お金が底をついたらそこで終了です。

そして諦めたらそこで試合終了です。(安西先生)

▶二つの種類

キャッシュフロー計算書には二通りの種類があります。

”直接法”と”間接法”です。両者の違いは”営業キャッシュフロー”の計上方法の違いです。

”直接法”は下記のように、実際に発生した営業活動に紐づく収入や支出を集計して書き出す方法です。なんとなく収支計算書のような感覚に近い気もします。

※収支計算書が使われない理由                    収支計算書だけでは、お金の入りと出だけが記入され、その裏にある資産や負債の大きさが把握できず、実態を捉えられないためです。

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私個人的にはこの”直接法”はとてもわかりづらいです。また集計のめんどくささから、多くの会社で用いられているのはもう一方の”間接法”となります。

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このように、間接法では始点が『税引前当期純利益』となります。

さらに項目を見てみると、その内容は”売掛金”であったり”買掛金”があります。

そうです、BSとPLから現金の動きを導き出す方法が”間接法”なんです。

つまりはPLと期首・期末のBSがあれば簡単に計算できるということになります。

▶”間接法”キャッシュフロー計算書

間接法についてもうすこしクローズアップしてみます。

間接法こそ会計期間の整合性を保つために完璧に創り上げられたルールを”仕上げるピース”であると感じています。

適切に利益を計上する必要がある会計には、どうしても”ズレ”が発生してしまいます。「無意識にクレジットカードで買い物しすぎて翌月請求やば!」ってなるやつと同じような感覚です。カードを切った時点で洋服は買っているし、飯も食べているから発生している。そうPLは発生した時点で計上するのが基本です!

”ズレ”の原因はこれだったんです。これの意識が弱くPL重視で企業運営をおこなっていると、、、再度登場「黒字倒産」ですね。

逆にこう考えると、間接法のキャッシュフロー計算書はすごく理解しやすいと思います。

税引前当期純利益を始点として、利益として計上されているけどお金に絡んでないものは調整してあげればいいんです。

例えばその代表格が”減価償却費”ですね。

減価償却費は先に固定資産にお金を払いますが、その固定的な資産を使って利益を生み出すことから、将来にわたって費用計上してくださいね。という性質のものなので、「お金は先」「費用(費用は利益を生み出すもの)は後」=CFでの調整が必要と整理できると思います!

ついでになぜ固定資産への支出が”投資”と呼ばれているかも理解できそうです。お金を投資して利を得るためですね。

売掛金や買掛金も同様です!売ったけどお金が入らない。買ったけど支払いは翌月。売った時は”売上”に計上され買ったときは”仕入”に計上され利益を上下させますから。天才ですから(桜木花道)というわけです。

この辺は多少簿記の知識を持っていた方が、すっと入ってくるかと思いますので、時間がある方は2級程度までは勉強してみるといいかと思います。

そうすると、在庫はどうしてだろう。と思ったとき、すっとクリアになると思いますので。

▶キャッシュフロー計算書は8つのパターンのみ

という感じで、営業活動ばかりに目を向けてきましたが、他に”投資活動”と”財務活動”がありました。この三つの内容ですが、名前の通りなんです。

”営業活動”・・・営業活動にて稼ぎ出した本業からの入金

”投資活動”・・・固定資産や株など、成長するために投じた資金

”財務活動”・・・財(金)調達のやりくりを表すもの

この三つがどういう動きをしているかを見るだけで、企業がどういう状況にあるかがざっくりとわかります。

そしてそれは全部書き出してもたったの8パターンしかありません。

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上場企業のCFをまとめてきていますが、大体が一番左の”健康経営”に該当します。メルカリなどはまさに”勝負中”の形を取っていました。スタートアップに多い形となります。

良くない状態にある企業に共通するのは”投資活動”が上を向いていますね。将来へ投じたはずの資金を売却してお金を得ているという点からも、縮小していたり、そこからでもお金を生み出さなければならないということがわかると思います。

こういう風にストーリー的にCFを見れると、会社を分析するということが楽しんでできるんじゃないかと思います!!

~まとめ~

キャッシュフロー計算書は決して難しいものではないので、俯瞰してみてみるといいと思います。またどんなものにお金を使っているのか。や、どんなサイクルでどんな風にお金をやりくりしているのかがわかって”経営”というものを垣間見れると思います。


過去の資料である財務諸表から結果を読み取り、その原因を考え、要因分析し将来の施策を考えると、その企業の動向をつかめるようになります。

一緒に財務の観点から物事を把握できるよう頑張りましょう!


参考


財務分析項目について下記サイトがすごく便利です!是非活用してみてください。

財務諸表ハック|各種企業財務チャート、複数社比較も簡単にできるXBRL財務分析ツール
財務諸表ハックは、XBRLをベースに企業財務情報を財務分析チャート、帳票に展開するWebアプリです。
www.tukuttemiru.biz


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