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雑記~嘘と恋とシオン〜

それは本当に痛恨の一撃だった。6/12日、僕は興奮気味でホクホクとした気持ちでPCを見つめていた。
何故ならその日は当時気になっていた静岡のローカルアイドルfishbowlのステージを見た後、最推しのLiveアイドルグループ、situasionのメンバーと一緒に新宿駅前でワンマンライブの宣伝をする練り歩きイベントをこなした後だったからだ。
声優やメディアアイドルだったら殆ど体験できないくらいの近距離且つ無銭でこんな事が出来てしまうなんてお得すぎるし、新宿駅周りを練り歩く事で運動もできるのでこんなに良いことは無いとアドレナリンが出まくっていたことを今も覚えている。

その日の夕方、ホクホクのまま僕はSNSのタイムラインを見ると、アイドルのリルネードさんの抽選制フリーライブがYouTubeで配信されていることを知った。

リルネードさんとはでんぱ組inc(以降でんぱ組)や虹のコンキスタドール(以降虹コン)等アイドルが多く所属する芸能プロダクション「ディアステージ」に所属しており「2020年代のおしゃかわ」をテーマに「蔀祐佳さん」、「桐原美月さん」、「栗原舞優さん」の3人で活動している女性アイドルグループだ。

「でんぱ組虹コンJr.メンバーオーディション」の落選者の中から選ばれた3人組女性アイドルグループの彼女たちにハマったのは、蔀さんがバンダイナムコグループで行っている「電音部」というコンテンツに参加しており、こちらをきっかけにリルネードさんを認識したのを覚えている。

これを読んでいる人はアイドルを好きだったり、そうでない人もいるので少し説明しておくと、アイドルがフリーライブやLIVEの YouTube配信を行う時の目的は二つあると私は考えている。

一つ目は新規参入の導線作り。音楽で新規勢力を知るきっかけは年々厳しくなっており、最近ではSpotifyの discoveryチャンネルやApple Musicのラジオとかを駆使しても自分の好きなアーティストをお気に入り登録している人はこの人も登録しているということでお薦めされるが、中々フィルターバブルの壁をぶち破れている気がしない。そういう意味ではフリーライブを行うと有志の無銭カレンダーなんかに登録されてれば「ワンドリンクだけでライブも見れてちょっとお金を出すとチェキを撮って数十秒アイドルさんと話せちゃうなんてお得⁉️」みたいに思ってくれる人は来てくれるのでそういう人にアイドルグループと曲を知ってもらえる機会はかなり重要なのだと思う。

二つ目の目的はグループからの何らかの発表(ツアーが始まるよとか、新しい曲のリリースが決まったよ、みたいな幸せなお知らせから誰々が卒業します、グループが現体制を終了します。最悪解散しますのような悲しいお知らせ)をしてファンの気持ちを鼓舞し、次の機会に動員する事が目的だと思う。

そして今回のフリーライブの目的はどちらもだった。
今回のお知らせとは、新シングルの発売決定、新衣装作成の決定、シングルを基にしたリリースイベントとツアーが行われると言うところまでは順調に発表され、会場も配信の向こうのファンも彼女たちが着実にステップアップしている事を喜んでいた。
しかし何故か3人ともソワソワしている。どうやら映像スライドを準備していたようだが上手く投影できる準備が整っていなくて引き伸ばす事になり間伸びしているようだった。それも数十秒、暗転と共にリルネードの曲「クレイジーアラーム」がなり始めると共に彼女たちの3年間の軌跡の様な画像スライド動画が流れてくるのに混じってそれはやってきた。

リルネード3rdアニバーサリー「Rirune Rirune Rirune 〜どんな星になったって君を見てるよ〜(タイトルはメンバーの桐原さんが付けたとのこと)」In Zepp DiverCity(TOKYO)!!

リルネードさんの目標として彼女たちが上げていたのは3年でZepp DiverCity TOKYOに立てるよう活動するというものだった。
それが本当に叶ってしまう瞬間を、画面の向こう側だが、共有できてしまうだなんて、とんでもない場に居合わせてしまったと思っていたら、3人が先ほど言っていた「クレイジアラーム」を歌い始める。これは夢の中でアイドルになった瞬間を妄想することから、実際にアイドルになれてあなたに会えた未来の喜びを語り、これからも着いてきてね」と伝える歓喜の歌だ。特に「アイドルになって、夢叶ったよなんて」という部分が、その瞬間の彼女たちと重なっているのが、かなり良かった。

曲が終わって、落ち着きを取り戻していく会場の反応を見つつ、栗原さんからもう一つの発表がある事を言われて何なのだろうと不思議に思っていると、心なしか一息ためた気がした後、「メンバーとスタッフと今後の活動の話し合いを重ねた結果リルネードは2022年9月28日、目標だったZeppダイバーシティ東京での公演を区切りとして解散することとなりました」とのアナウンスがされた。

瞬間、何が起こったのかわからず、右端のチャットウィンドウを眺めると、「もったいない」、「悲しい」、「これからなのに」と言った意見が表示されているのを見て事態を実感した。

嫌だ、嫌だ、嫌だ‼︎
あの幸せな場を守りたい。何で僕は今まで現場に行かないで、ストリーミング視聴して終わらせていたんだろう。

後悔が次から次と押し寄せてくる。

時間はそうしている間も過ぎていて、今日のイベントの最後の曲として「フォークソング」が流れる。

この曲はメンバーそれぞれをフォークのさきに例えて中心からそれぞれ分かれて未来に向かっていく情景を歌ったものだ。
さっきまで「アイドルになって夢叶えたよ」と歌っていたのに「大成功って気持ちとか思い出して隣にいる君を幸せにすればきっとねぇそれが大正解なの。たぶんね」と名残惜しそうに歌っている情景の高低差にクラクラしていた。

■どうしていいかわかないまま僕はライブへ

数日後、僕は代官山にいた。
メンバーの栗原舞優さんの誕生日を祝う生誕ライブイベントが開かれたためだ。別に卒業が決まったからでなく、少し前からLive配信で栗原さんの配信を見ていて「やばい、彼女にめちゃくちゃ惹かれている。でもこの気持ちを伝えたらガチ恋(アイドルやタレント、Vtuberや配信者などに本気で恋愛感情を持ってしまう事)沼に堕ちてしまうから少し距離をとって見に行って冷静になろう」と思い立ち、解散発表前にチケットをとったのだ。言ってみれば熱がこもっているのでサウナで汗をかきにきたようなものだ。
そもそも知り合いの有識者から「チェキを買わなければハマらないので大丈夫」と言う一線を教えられていたため、あえて物販が終わった開演時間少し前に会場に入場した。そこではリルネードさんのファンが男性、女性と結構雑多にいる事に気付き、男性率が圧倒的に多い声優現場との差に愕然とした。また、入場すると有志の生誕企画関係者から栗原さんのメンバーカラーにちなんだピンクのサイリウムを渡して頂き、ソロ曲があるとのことなので、ソロ曲で光らせてくださいとのお願いを受けた。

この日特徴的だったのは、リルネードのファンの人たちがペンライトを肩より上にあまり上げたがらない事とやるのは振りコピ中心という事だった。
声優現場しか行った事がなかった自分としてはコール(イベント時も現時点もコロナ禍なので発声はできないのだが)やサイリウムで対象からファンサを貰うためがっつくのが当たり前の現場と違って思い思いに楽しんでいてバラバラな人たちがバラバラなまま共存している事に一つの多様性を感じた事だった。

少し話を逸らすと、会場と同時にツーショットチェキ券は販売されていたもののこの日の栗原さんの券は完売だったもそうだが、終演間際になって栗原さんからスタッフさんにお願いして再販していただいたとのアナウンスがあり、かなり心がぐらついたもの心をそっと閉じるように会場を後にした事を追記しておく。


■今更だけど恋しませんか?

そうこうして日付が過ぎていき、8月にリルネードさんとfish bowlさんのツーマンが予定されていたので申し込むも安定の落選で落ちこんでいると栗原さんのTweetで錦糸町のタワーレコードで夕方からシングルEPの事前予約者向けのリリースイベントが7月28日にある事を知り、行こうかなぁとTwitterで発言していたら、メンバーの栗原さんから良いねを貰ったのをきっかけに、これで縁が出来たな(ドンモモタロウ)といざ錦糸町へ参加する。

この日のイベントは3人がそれぞれが着ている衣装を交換してのステージとチェキだったのと、メンバーの桐原美月さんが激しく踊っていたのを覚えている。また、蔀祐佳さんの誕生日が近かった事もあり生誕祭に行けない人たちは先にお祝いをしていたことも伝えたい

8月14日 DSPM リルネード✖️fish bowl+ふぇのたす
この日はゲストにリルネードに楽曲提供をしていてfish bowlのプロデューサーであるヤマモトショウさんが所属するふぇのたすが急遽参戦。ステージでもリルネードさんをフューチャーして彼女たちの代表曲の一つでありふぇのたすのMIKOさんが作詞をしている「夏のレコードが回り出す」をカバーされたり、fish bowlさんのステージはファンの皆さんの熱が強くてマサイ、振りコピ、歌唱担当のシーンになると推してるファンの方がサイリウム単色を点灯させる等現場の若さを見せつけられた。
リルネードさんのステージてはお馴染みの曲から入って途中で新曲の「きらめき、いま見えるでしょ」(ふぇのたすのMIKOさん作詞)をこの日自分の中では初見。これまで比較的「私と君の関係性」について歌っていたリルネードさんが「私たちのこれまでとこれから」について歌っているのが新鮮だった。

■武道館に行くアイドルと終わっていくアイドル

9月13日、その日僕は渋谷Spotify O-westにいた。この日はクマリデパートさん主催のイベントに対バンとしてリルネードさんが招待された「おいでよクマリルネード」が6月公演が延期されてこの日となったのだ。
平日夜のイベントに行くのは非日常感と次の日の仕事へちゃんと起きられるかとかスリルがあってどこかたがが外れているのだが、数週間前の配信で栗原さんに迷っている事を伝えた時来てほしい事を言われた時点で電子決済で即チケットを買っていた。最近のチケットシステム怖い。

今回のライブはリルネードさんが対バン相手のクマリデパートさんの「ネコチャンになっちゃうよ」をカバーしてクマリさんの元気な猫ちゃんからいたずらっ子なんだけどどこか落ち着いた猫ちゃん(クマリの優雨ナコさん曰くペルシャネコのよう)を表現していたところが印象的だった。
そしてクマリデパートさん、すでにこの時は次のシングルがライブで発表されていたのだが、7月時点での体制(幸せハッシン!フロムキッチン)を見せるという事で、この日は1人でも名前を覚えて帰ってもらおうと名前入りの衣装、「限界無限大ケン%」の衣装で登場。ステージ上を次々とフォーメーションを変えながら「あなたのハートと笑顔を幸せにします」と訴えかける姿とファンもそれを受けて誰か1人の推しの出番でペンライトを点灯させるのではなくそれぞれが好きなようにカラーチェンジさせていくのが自由で少し羨ましかった気がしている。
この日は僕もクマリさんのイベントだからいつも持ち込まないサイリウムを点灯させてリルネードの栗原さんパートで多動していたせいもあって特典会で栗原さんに会いに行ったらライブの時いた場所を特定されてかなりうれしくなってしまった。()

特筆すべきことはクマリデパートさんが数週間前に2023年の3月に武道館に立つことが決まったことだろう。苦節7年のアイドルが「あなたのハートと笑顔を幸せにします」と色々な試みを重ねて遂に武道館に立つことが決まったという物語には重みや祝福を感じる。その一方で3年でZeppに立つ事を目標にしてZeppに立つ事を機会に活動を終了させていくリルネードさんのようなアイドルがいたこともここに記しておきたいと思うのだ。

■結局のところ

ここまで記してきて何が言いたかったのだろうとふり返ると結局クマリデパートさんのこの曲に尽きるのだと思う

この曲は隠れファンに向けて歌ったようなアンサーソングだと思うのだけど、色んな現場に通ってフワフワ楽しむのも楽なのだが、今回のリルネードさんのようにいつ終わりが来てしまうかは解らないのだからあなたのその「何かを好きだという気持ち」は最高で肯定されるべきことなのだから(大声ダイヤモンド)終わりが決まってから自分みたいな限定オタクプレイをするのではなく、その特別な気持ち後悔する前に今からだって伝えてみませんか?って事なのだと思う。(まぁそう言いつつ私は気づけばリルネードさんで最推しの栗原さんを心の中では「舞優ちゃん」と呼んでいながら、本人を前にすると年齢的な差から栗原さんと読んでしまうのだが)

ということで最後の特典会は抽選制だけど最後のコインに祈りを込めるように申し込むのです。どんな星になったって君を見ているよ