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自由と選択と、

「自由に選んで良いんだよ。」
って、なんか少し矛盾しているように思う。

それは結局、今 目の前にある選択肢の中からしか選んじゃいけないっていう規制線の張られた中での限られた自由を意味しているのかな。

これは私が就職活動を始めた頃、周りからよく言われた言葉だ。
「仕事は、あなたがやりたいことを自由に選んで良いからね。」
うん、理解のある、優しい言葉。…に、聞こえなくもない。

でも、選択欄はどこ?
就活セミナー?企業ブース?
広過ぎて訳がわからない。

じゃあ、やりたいことや好きなことから選べば良いよ。
…って今度は選択肢狭すぎない?
そもそもそういうの一つも持ってない人もいるし、いっぱいあり過ぎて一つに絞りきれない人だっているよ。

一つを選んで、それを一生の職業にするって難しい。
自由に選ぶって、難しい。

それでも就活してた頃は、必死に探してたっけ。
一生の仕事、とまではいかなくても、できるだけ自分が楽しめるような仕事を。

社会に出てみてやっと気付いたのは、
自分がやりたいことや楽しめること、好きなことが、そのまま職業として名を馳せた選択肢の中にあるとは限らないってこと。

自分が思ってるよりずっと広かった世界。
「選択」しなきゃいけないって思うから、辛かったのかな。

別に選択することは全然悪いことじゃない。必要不可欠だし。
なんか楽しそう〜って適当に選んだ仕事が天職になることだってある。
選択する前から、自分にはこれしかない!って言い切れるものを持ってる人もいる。
何を選んでも、少なからず世界は広がると思うんだ。

自由に選べば良い。

でもそっからちょっと脱線しても面白いんじゃないかな。

社会人4年目になったら、ちょっと息抜きしたくなった。
会社を辞めて、もっかい選択欄を眺める。

前見たときより随分選択肢は増えた気がする。
でも、これ!って指差せるほど自分の中に光るものがない。
あれもやってみたいし、これにも興味ある。いつかこっちもやってみたい。
私だいぶ優柔不断だったんだな。

私は今、カフェでバイトしている。
前職を生かしてフリーでたまにデザインの仕事を貰ったり、イラストや絵本を描いて応募したりもしている。
決まった職業はない。
世間から見ればただのフリーターかも。
けど楽しい。

いつかは自分のお店を持ちたい。
珈琲豆挽きながら、絵を描くことも文を書くことも続けていきたい。

選択欄からは少し外れた。2つ以上選ぶっていうちょっとルール違反みたいなとこもある。

でも自由って、きっとこういうことじゃないのかな。

自分で決めて、良いんじゃないのかな。

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