俳句のいさらゐ ❇❇❇ 松尾芭蕉 酒堂宛書簡の句より。「夏草に富貴を飾れ蛇の衣(きぬ)」
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この句は、元禄3年4月16日の門人酒堂宛ての書簡にある。義仲寺の草庵から、同年4月6日に門人曲水が提供した幻住庵に移って間もない時期に、幻住庵からこの書簡を出している。幻住庵に移ってからは、連日、門人の怒誰、如行、此筋、千川らにも書簡をしたためている。
「夏草に富貴を飾れ蛇の衣(きぬ)」
この句の意味は、こういうことだ。
幻住庵は草が延びて、蛇が庭を跋扈 ( ばっこ ) している、そんな処だが、漂泊者に住まいを提供してくれる人がいるのは、何とありがたいことだろう。また