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俳句のいさらゐ

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松尾芭蕉の俳句が、上質のエピグラム(寸鉄詩)であることを探ります。
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2023年4月の記事一覧

俳句のいさらゐ ▩▩▩ 松尾芭蕉『奥の細道』その三。「象潟や雨に西施がねぶの花」

◩◩ 『奥の細道』には、童女や若い女性をイメージさせている句が以下のようにある。 草の戸も…

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俳句のいさらゐ 🌥🌥🌥 松尾芭蕉 曲水宛書簡の句より。「百歳 (ももとせ) の気色 (…

松尾芭蕉の生み出す小宇宙を味わうシリーズ。 標題の「いさらゐ」はちいさな泉のこと。にじみ…

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俳句のいさらゐ 🌳🐎🌲 松尾芭蕉 門人許六への餞けの詞より。「椎の花の心にも似よ木…

▣▣ 芭蕉の俳論を伝える『三冊子』、芭蕉の生涯全作品の集大成『蕉翁句集』『蕉翁文集』を完…

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俳句のいさらゐ ☤☤☤ 松尾芭蕉 『野ざらし紀行』より。「しらげしにはねもぐ蝶の形…

❖❖ 芭蕉の句「象潟や雨に西施がねぶの花」は、定型の語数を整えるために、ねじれた表現にな…

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俳句のいさらゐ ⚡⚡⚡ 松尾芭蕉『続猿蓑』より。「埋火 (うずみび) や壁には客の影法…

🔹🔹 草稿前書きから、門弟で近江膳所藩重役、菅沼曲水の江戸藩邸の一棟での吟であろうとわか…

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俳句のいさらゐ 🍵🍵 松尾芭蕉『野ざらし紀行』より。「牡丹蕊(ぼたんしべ)ふかく分出…

❖ ❖ 「牡丹蕊ふかく分出る蜂の名残哉」は、『野ざらし紀行』の中で、門人杜国におくった「し…

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俳句のいさらゐ ❇❇❇ 松尾芭蕉 酒堂宛書簡の句より。「夏草に富貴を飾れ蛇の衣(きぬ)」

⁂⁂ この句は、元禄3年4月16日の門人酒堂宛ての書簡にある。義仲寺の草庵から、同年4月6日に門人曲水が提供した幻住庵に移って間もない時期に、幻住庵からこの書簡を出している。幻住庵に移ってからは、連日、門人の怒誰、如行、此筋、千川らにも書簡をしたためている。 「夏草に富貴を飾れ蛇の衣(きぬ)」 この句の意味は、こういうことだ。 幻住庵は草が延びて、蛇が庭を跋扈 ( ばっこ ) している、そんな処だが、漂泊者に住まいを提供してくれる人がいるのは、何とありがたいことだろう。また

俳句のいさらゐ🌾🌾🌾 松尾芭蕉 杉風宛書簡の句より。「世を旅に代(しろ)かく小田の行…

◧ 書簡の宛先、杉山杉風(すぎやま さんぷう)という人 元禄7年閏5月21日 ( 1694年 ) 、芭蕉…

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