散髪の憂鬱

小学4年あたりまで

祖母に髪を切ってもらっていた。

私はじっとしてるから切りやすいと

祖母から言われた記憶があり

今も散髪中は動かないようにするし

下向いて欲しい時はやりやすいように下を向く。

私は相手に気を遣いすぎてる気もするけれど。


祖母が歳をとってきたからという理由で

高学年になり床屋デビューすることになった。

近所に床屋は選択肢がないくらいだったので

言われた通りに行くけれど

そこの床屋はおじさんが一人で営んでるから

カットもシャンプーも全てがおじさん。

待ってると半日待たされることも多かった。

一番嫌だったのは

耳あたりの切った髪を落とすときに

おじさんが口でフッと吹いてくるので

いつもゾワゾワしてた。

本当に他の床屋にしたかったけど

子供心にそんなことも言えず

髪が伸びるのが憂鬱だった。

その憂鬱は高校生頃に

チェーン店の美容室が出来て解消されたけど

未だに耳あたりをカットされたりする度に

口を閉じて忍耐の時間を過ごしている。






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