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起立性調節障害でしんどい、学校へ行けないみんなへ

はじめに この記事をご覧になる方へ

この記事は、起立性調節障害の当事者である小中高生に向けて書いております。小学生でも読めるように、できるだけ難しい言葉や言い回しを避けて書くことを心がけました。もちろん親御さんにも読んでいただけます。少しでもお役に立てれば幸いです。

文字を読むのもしんどい、あるいは文字を読むのが苦手なお子さんのために、音声での配信も予定しています。
音声が完成次第ここに追記してお知らせします。

起立性調節障害に関する他の記事もありますので、そちらもよろしければご覧ください。
書いていないことで、何か聞きたいことや相談などがありましたら、どうぞお気軽にコメントやお問い合わせ(この画面を一番下までスクロールするとでてきます。)からお寄せください。できるだけ早くお答えします。

この記事を書いた人

はじめまして。Lia(りあ)といいます。体の性は女性で、起立性調節障害とうつ病(心がしんどくなる病気)という病気を持っています。起立性調節障害もうつ病も、今は随分良くなりました。もうすぐ19歳になります。
今日は、今、起立性調節障害で悩んでいるみんなの役に立つために、自分の経験を文字で伝えようと思います。よろしくお願いします。

学校に行けなくなったみんなへ

起立性調節障害で学校に通えなくなった人たちの中には、
「学校の勉強についていけなくなる、どうしよう」
「進学できる学校はあるのかな」
そんな風に悩んでいる人も多いと思います。
私は中学校3年間、ほぼ学校に通わずに中学校を卒業しました。

これを聞いてどう思いますか?
「え、将来はどうなるの。」
「勉強ができなさそう。」
いろんな感想があると思います。


でも、ちゃんと中学の勉強が分かるし、高校も卒業できました。春からは通信制(家で勉強するしくみ)の大学に通って、弁護士になるために法律の勉強をします。今はまあまあ楽しく生活しています。

これまでの経験を通して、みんなに伝えたいことをいくつかお話していきます。

心や身体がしんどいなら、学校を休んでもいい。

私は、中学1年生の夏休みに起立性調節障害の症状がでてきて、体と心がしんどくなりました。それからはずっと学校に行きたかったけど行けませんでした。原因は、中学校の生活が私に合わなかったことと、部活と塾を頑張りすぎたからです。

中学校はとても厳しくて、入学式当日は30分ぐらいずっとお辞儀の練習をしていました。入学してからもとても厳しかったです。連帯責任といって、「集団の中で一人が失敗したら、それはみんなのせいだから、みんなで罰を受ける。」という考え方で教える先生が多かったです。なので、自分はなにもしていなくても、学年のみんなで怒鳴られることがたくさんありました。たった一人の些細な失敗で、学年の100人みんなが怒鳴られました。


私は、いろんな感覚が人より敏感なので、とても辛かったです。


ここで1つ、みんなに伝えたいことがあります。それは、

「大人の言っていることが絶対に正しいとは限らない」

ということです。大人でも間違えることはあるからです。
私の学校の先生も、もしかしたら失敗していたのかもしれません。例えば、間違ったことをした人がいたらその人だけを叱ればいいのに、関係ない人まで叱るのはおかしいですよね。他にも、礼儀は大切かもしれないけど、30分もお辞儀の練習をする必要はあるのでしょうか。もしかしたら、大人たちが、みんなの揃ったお辞儀を見たかっただけかもしれません。

こんなふうに、古い考え方に縛られて、理不尽なことを言ってくる大人もいます。黙って静かにしたがってその場をしのぐのも、間違っていると指摘するのも、どちらも正しいと思います。

お父さんやお母さん、おうちの人もそうです。
「早く起きて学校に行きなさい。」
「今日も休むの?」
こんなことを言われる人も多いと思います。
でも、それは間違っていると私は思います。
他の病気では、入院したり、家で休んで良くなってから学校に通います。なのに、周りから見て元気に見えるからといって無理に学校に行かせようとすることは、私は間違いだと思います。だから、心や身体がつらくて学校を休んでいるのは正しいことだとみんなに言いたいです。

でも、お父さんやお母さん、おうちの人はきっとみんなのことをとても心配しています。
「このまま勉強もしなくなったら、うちの子はいったいどうなるんだろう。」
今は大学に行くのが当たり前の時代です。そんなこともあってか、焦ってついつい「学校に行って」と言ってしまいます。決してみんなに辛い思いをさせたくて言っているわけではないです。そこだけは、どうか分かっていてください。

元気になったら、ぜひなにかに頑張っている姿をみせてあげてくださいね。それまでパワーをためましょう!

学校に行かなくても、将来は大丈夫。

中学生や高校生にもなると、自然と将来のことを考える人も多いかもしれません。とてもいいことだと思います。でも、学校に行っていないとどうなるのか心配だと思います。

私は、中学1年生の夏休みが終わってから、全くと言っていいほど学校に行っていません。
じゃあ、勉強はどうしたかというと、全部自分で勉強しました。はいちさんというYouTuberの人が授業動画を無料で配信していたので、それを見て勉強しました。学校には、質問にも行っていません。

それでも、中学3年生のときの学校のテストでは、数学以外は平均点以上はとれていました。(県内で一番の高校への進学者を毎年出す、県内では比較的レベルの高い中学校だったと聞いています。)
学校に行かなくても、きちんと正しい方法で勉強すれば、学校に行っている人と同じくらい勉強ができるということです。なので、安心してください。

私は、もともと勉強ができた方だったので、「勉強できないなんて落ちこぼれだ。死んだほうがいい。」と間違った考え方をしていました。
もし勉強ができなくても、生きていく方法はたくさんあります。

いじわるなことを言ってくる人がいたら

私は中学校で、
友達から、「みんなしんどいのよ?」
ちょっといじわるな子から、「休んでるのに、テスト良い点でいいなー!」
保護者の方から私のお母さんに「○○ちゃん(私)、修学旅行は来るのね。」
と言うようなことを言われてきました。

まず、これらは、間違っていると思います。
「みんなしんどいのに、休んでずるい」
なにもずるくありません。さっきもいいましたが、しんどいときは休んで当然だからです。

「休んでるのに、テスト良い点でいいなー!」
それは、しんどいけど、行きたい高校に行くために泣きながら一人で勉強して努力したからです。こういうことを言う人が、遊んだりしている間に。

「修学旅行や行事ごととか、楽しいときだけ来る」
楽しいと感じるときは、脳にいい成分がでたり、血圧が上がったりして、体調も良くなります。体調がいいときは、学校に行って良いと病院の先生に言われているので行くのです。

だから、もし似たようなことを言われても無視することです。辛い人にそんな言葉をかける人に、無理に優しくしたり、仲良くする必要はありません。

その分、「大丈夫?」とか、「なにかあったら言ってね。」とか、優しくしてくれる人をもっと大事にしましょう。

今はそんな人が周りにいなくても大丈夫です。今後できると私が保証します。大学生にもなると、いろんなところでたくさんの人と出会います。社会には、本当にいろいろな人がいます。だから、あなたのことを分かってくれる人がきっといます。だから、大丈夫です。

好きなことを見つけよう

さっきも言いましたが、楽しいと感じるときは、体調も良くなります。なので、好きなことをたくさんするようにしましょう。

ゲームもいいですが、電子機器の画面から出るブルーライトという特殊な光が体にとても悪いので、好きなことがゲームの人は、休憩しながらしてくださいね。

運動してみよう

起立性調節障害の人は、ふくらはぎの筋肉が弱いそうです。ふくらはぎの筋肉は、「第二の心臓」といって、身体中に血液を送る大切な役割を果たしています。
私は、ここの筋肉を鍛えることで随分良くなりました。
なのでその方法を紹介します。特別な道具や準備はなにもいらないので、ぜひやってみてください。

その場足踏み
その場で足踏みするだけです。意外と疲れます。
倒れると危ないので、体調のいいときにやりましょう。
慣れてきたら、なにかしながらでもいいです。私はアニメをみながら運動していましたよ。

その場つま先立ち
普通に立つ

かかとを浮かせる(つま先立ち!)
↓ 30秒キープ!
(慣れてきたら時間を長くしたり、回数を多くしましょう。)

ゆっくりかかとがつかないようにおろして、またつま先立ち!

これを繰り返します。ほかにも、「ふくらはぎ  筋トレ」とかで調べるとたくさんメニューがでてくるのでやってみてください。体感を鍛えるのも姿勢がよくなっていいですよ。

散歩
外に出て日光を浴びると、体の中で栄養がつくられます。この栄養は、体に必要な大切な成分です。ほかにも、日光には体内時計を整える役割もあります。
散歩がしんどい、外に出たくない人は、日光をあびるだけでもやってみてください。

高校はどうするか

体調とよく相談して決めてください。
私は、進学校を目指していましたが、残念ながら不合格でした。でも、今思うと、それで良かったと思います。きっとその時の体調ではとうてい通えませんでしたから。「普通の高校に行きたい。」そんなプライドがありました。

私は、定時制&単位制&通信制という仕組みの高校に4年間通いました。
まず、自分の好きな時間に通えます。私は、朝はしんどいからできるだけ遅くからが良かったので10時半からの授業にしていました。お昼からの授業にすることもできました。(この場合、私の高校だと4年間かかる計算です。4年間、あるいはそれ以上通う人もたくさんいました。)
次に、自分の好きな授業を選べます。必履修科目という、高校で必ず受けなければならないと決められた授業を受け終えたら、あとは好きな授業を受けられます。
私の場合は、午前中はしんどいので、できるだけ簡単そうな授業を選んでいました。
それから、体調に配慮してもらえます。
定時制という仕組みの学校は特に、「なにか特別な事情があって、全日制の学校に通えない人」が多いので、先生もその対応に慣れています。なので、「こまめな水分補給が必要です」とか、「身体がしんどくなったら、保健室に連れて行ってください」とか、事前に知らせておけば学校中の先生が把握してくれて、先生が授業ごとに変わる単位制でも安心して授業を受けられました。
これはもしかすると学校によるかもしれないので、学校にきいてみるといいです。



通信制の高校について

私の通っていた定時制以外にも、同じ学校に通信制がありました。定時制の生徒も通信制で学んだ単位(学校の卒業に必要な、ポイントのようなものです。)を卒業単位に加えることができました。

通信制での学びはとても快適でした。家でレポートを書いて、決められた回数授業(たくさん授業日があるので、選んで必要回数出席する)を受ければよいのです。これなら、体調のいいときにレポートをして、都合のいいときだけ学校に通えばよいです。体調が悪い人の他に、忙しい会社員の人、中には芸能人の人も通っていたそうですよ。

学校の行事も勉強なので、これも決められた時間参加する必要があります。でも、行事が苦手な人もいますよね。そういう人は通信制にたくさんいるので、できるだけその人たちが参加しやすいように、配慮がなされている印象でした。

通信制も悪くない選択肢だと思います。

大学はどうするか

高校生にもなると、嫌でも進学や就職のことについて考えさせられる人も多いと思います。

私は通信制大学に進学します。卒業までにかかる学費はだいたい60万円くらいです。

実は、小学生のときから医師になりたくて、高校でも勉強を頑張っていましたが、勉強に行き詰まってきたある日、

「医師になって、自分は幸せに生きられるのか。」
と思い、夢と幸福を天秤にかけた結果、夢を諦めるという結論に至りました。
そこから、少し時間をかけて、医学の次に興味があった法学の専門家である、弁護士になりたいとおもうようになりました。この決断が正解だったと言えるように頑張りたいと思います。

通信制大学のことは、母からおそわりました。
「通信制大学っていうのがあるんだって。一人で勉強をすすめるのはあなたは得意だから、やってみたら?」(もちろん口調は違います。笑)
と言われて知りました。
通信制大学では、主に社会人の人がスキルや知識を身に着けたくて通います。ですが中には、私のように体の調子が悪くて通学制には通えないという人もいるようです。

もし、途中で元気になって、通学制の大学に通いたくなったら、編入という方法があります。もし、行きたい大学があるけど今はまだ通えそうにない、という人はぜひ通信制大学を検討してみてください。

終わりに

もし、ここまで全部読んでくれた人がいたら、お疲れ様でした。目次から選んで読んでくれた人も、本当にありがとうございます。
起立性調節障害は、自律神経系の病気なので特効薬もないし、長い付き合いになります。私は今も、朝は少し苦手です。立ちくらみなんかも、少しあります。
それでも、病気とうまく付き合いながら、あるいは学校に通えなくても素敵な人生を歩んでいくためのヒントに
なれれば幸いです。

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それでは、また。





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