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#4 ポシュロウのマインド

前回、ポシュロウが
「働くことに障害のある方に向けた、
動画等をベースとした、就労に向けた学習や情報収集がいつでもどこでも、
自分のタイミングでできるWEBサービス」
であるというお話をさせていただきました。

今回は、そんなサービスを作っていくうえで、具体的にこんな中身をつくりたい、とか、こんな機能を備えたい、の前に、土台であり、理念となるようなマインドについてお話したいと思います。


大切にしたい価値観はたくさんあって、すべてを書ききれないのですが、
今回は3つの観点にフォーカスしてお話します。

“「その人の答えを持っているのは、その人である」”

1つ目はその人の答えを、持っているのはその人であるということ。


誰かにとっての完璧な情報は、誰かにとっての不完全な情報かもしれないし、
誰かにとっての心地良い場所は、誰かにとっての心地悪い場所であり、
誰かとっての正解は、誰かにとっての不正解なのかもしれません。

「働く」においても、誰かの正解ではなく、
きっと、そのひとりにとっての答えがあるはずだと考えています。

しばしば、私自身も無自覚に、他者をステレオタイプなカテゴライズで捉えてしまうことがあります。いわゆる「アンコンシャスバイアス」です。
気を付けないといけないのは、そのバイアスの多くがマジョリティに合わせて作られているこの社会の中で生まれた価値観であり、それを無自覚に押し付け、ある種のパターナリズムとして、その人にとっての「答え」「正解」を勝手に決めてしまうことです。


ポシュロウではできる限り、「社会に合わせるために」から考えるではなく、「その方がどう在りたいか」など、その方自身の「答え」を共に考えてていけるようなアウトプットにしたいと思っています。

なのでコンテンツも、様々な視点や様々な解釈、あくまでひとつの選択肢、ひとつアイデアとして届けていけるようにしていきたいと考えています。
その上では、より多くの当事者の方と共に創っていくということも絶対に忘れてはならないポイントのひとつだと言えます。


“「そのひとりのその先にも届ける」”

2つ目はそのひとりのその先にも届けるということです。

もちろん届けたいのは、働くことに障害のある当事者の方であることは間違いありません。

ですが、大切なのはそのひとりの困難さは、その方自身の問題課題ではなく、その方と環境の相互作用によって生まれているということ。
より良い環境をつくっていくことで、結果的にそのひとりの困難さを取り除けることに繋がると考えています。

だからポシュロウは、ゆくゆくは当事者の方だけでなく、その方の周りの人、企業や社会側へもちゃんと情報や学習の機会を届けるということにも、きちんとフォーカスして作っていきたいと思います。

また、
例えば障害者雇用を推進している企業の人事の方で、想いを持っていても、何をどうしていいかわからなかったり、なかなか周囲を巻き込むことが難しかったり、ひとりで情報を集めながら孤軍奮闘されているような方もいるので、
そういった方々へも必要な情報や、自分らしい、自分たちらしい選択肢やアイデアが届けられるような進化をさせていきたいと思っています。


“「使っていること自体がカッコいいと思えるブランドにする。」”

3つ目は使っていること自体がカッコいいと思えるブランドにするということです。
ここはかなり言葉選びが難しいのですが、
語弊を恐れず話すと、福祉におけるサービスや、障害のある方をとりまくサービスは、ひとつひとつのそれ自体が良い悪いというわけではなく、ブランドとしてオシャレなものだったり、カッコよさにこだわった選択肢が少ない印象をもっています。

サービスにおいて「カッコよさ」は本質ではないかも知れませんし、こだわる必要性がないという考え方もひとつだと思っています。

一方で、ある支援者の方から聞いたこんなエピソードがあります。
その方はある当事者の方とお話しているときに、こんなことを言われたそうです。

「病院から退院をして、いくつかのサービスを勧められ、見学に行ったとき、あまりのダサさに絶望した。私の場所はここしかないのか。」

もちろん、「カッコいい」の物差しは人によって全く違いますし、一概にダサいとは言いきれないかも知れません。またそもそもの選択肢の数であったり、そうなってしまっている、そう感じさせている様々な背景、社会的な課題もあります。

ですが、そういうエピソードがあったからというわけではないですが、
私はポシュロウを「使わないといけない」よりも、「使いたい」「関わりたい」と一人でも多くの方に思ってもらえるようなサービスにしたいと思っています。


例えば、コーヒーで例えるなら、スターバックスやブルーボトルコーヒーのように、「そのロゴが入ったカップを持っている」とか、「その空間にいる」というそれ自体がなんだかかっこいいと思える、
おいしいコーヒーだけでなく、ある種の世界観も買っているというようなイメージ。

ポシュロウにおいても、動画等の情報としてのコンテンツだけでなく、ポシュロウという世界観を手にしてもらう、そんなブランドにしたいのです。


とまぁ、今作っている、
なんだったら、まだ世の中に出してもいないサービスのこだわりをつらつらと書くことは、自分たちへの大きなプレッシャーにもなるわけですが、
当然、最初のアプトプットから完璧なものができると思っていませんし、自分だけで作れるなんてことも思っていません。

でも、作っていきたいのです。


そして、そんなポシュロウを作っていくうえで、きっとあれをしたい、これをしたいがたくさん出てくるだろうなと思います。(現にもうたくさん出ています。)

ただ、もしかすると大切な意思決定は「何をするか」よりも「何を捨てるか」になってくるのかも知れません。
そんな中でも、絶対に捨てない、捨てたくない大切な価値観として、この3つは残しておきたいと思います。


次回はそんなマインドをベースにしながら、
現状で実装を検討しているポシュロウのコンテンツや機能的な面などについて触れていきたいと思います。




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