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オランダでデザイナーとして活躍するヒロイクミさん

2018-09-22

グラフィックデザイナーそしてアート・ディレクターとして活躍するヒロイ・クミさん。彼女のアトリエを訪ねてアムステルダムの西はずれに足を運びました。アトリエは過去に学校だったという建物の中にあり、彼女は2人の写真家と天井の高い広いスペースをシェアしています。知的で清楚なヒロイさんは、言葉を選びながら丁寧に質問に答えてくれました。

グラフィックデザイナーというと本やポスターのデザイン、あるいはウェブデザインを考えるのですが、ヒロイさんのなさっているお仕事はそういうものですか?もう少し詳しくお話していただけますか?

基本的にはそうですね。グラフィックデザインとアートの中間に位置するようなプロジェクトもやっています。コンセプトを自分で決め、コンテンツを作り、そのコンテンツをかたちにおとしていきます。デザイナーがなぜアートなのかと思われるかもしれませんが、私が勉強したオランダの美術大学(リートフェルト・アカデミー)ではアートとグラフィックの境界線が希薄な課題も多くあり、そこで学んだことを生かしている感じでしょうか。
そして、通常の(?)グラフィック・デザインの仕事があります。こちらは基本的にはコンテンツをいただいて、本の装丁、ウェブサイト、展覧会のデザインなどのかたちに落としこむ仕事です。最近は、デザインの前から、というか、私にとってはデザインの一部なのですが、コンテンツを作り上げる作業にも関われることが多くなってきたのは嬉しいです。
ある程度の見栄えのいいウェブサイトなら誰でも作れる時代ですから(笑)、グラフィック・デザイナーは、俯瞰的にクライアントのコミュニケーションに関わる問題点をさぐり、その解決策を提示していくコンサルタントのような知識・経験や、コンテンツを作り上げる編集者的な発想を求められるのかなと思います。

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