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衰退気味な地方で成長を考えること

「現状維持は衰退だ」という言葉。
刻々と変化している世の中で、現状にとどまっていることは時代に取り残されていく一方だと、会社勤めをしている頃によく話されていた事。

ありがたいことに僕は上司に恵まれた会社員時代を送っていたと思いますが、当時叩き込まれた事は今の仕事においても意識的に考える癖がついています。

会社の成長を考えること

小さな商圏の宮崎県という地域で店を営むようになり、時折「ずっと変わらずに今のままで」という言葉をいただくことがありますが、僕の経験で感じることは、その言葉を間に受けて何も変わらないならば、お客様は減少していく一方で"その言葉を言ったお客様自身"も居なくなります。

人口の少ない地方の小さな店でも、常に新しいことに取り組んだり、取り扱う製品のラインナップを考えたり、働き手の成長はもちろんのことですが、会社を成長させて行かなければ事業を継続していくことは難しいことだと常々痛感します。

そもそも成長とは

と言いつつも、そもそも成長とはなんだとふと考えてみますと、数値として見れるものとしては売上・来客数・購買率・客単価など店舗においてもONLINE上においても色々な数値を見て検証を行うことが可能であり、数値での判断が難しいものとして、地域との取り組みや新しいアクションなどが存在します。

また「それが仕事か」と難しいところで言えば、山や山間部の楽しみ方においての変化、釣りの技術…など、僕らの仕事固有なものも存在します。

アウトドアを楽しむ上での成長

年齢を重ねながらアウトドアを楽しむことにおいての成長となると、例えばスピードや技術という面においては現状維持を行うことが精一杯になり、時に現状維持すら難しく、衰退のスピードを緩やかにすることで精一杯なことも。

しかし、それが"衰退"かと言えば、速さや技術という面においては年齢に応じての体力の低下と比例して衰退しているのかもしれませんが、自分に適した楽しみ方を発見するという見方をすれば成長と捉えることもでき、何を成長と取るのかは人それぞれに多様な捉え方が存在するものだと考えています。

そう考えると仕事においても、売上を上げる・来客数を増やすなどという数値化されるものだけの増加を考えることだけに捉われず、僕らが働きながら満足できる成長の種類というものを考えることも必要なのかなと、会社勤めをしていたころには考えることのない発想を、独立してからは時折考えるようになりました。
とは言え、それは変化しないという現状維持ではなく、何かを変化させることを必要とするのですが。

小さな商圏でも良いモノを

"売上を上げる・来客数を増やすなど数値化されるものだけの増加を考えることに捉われず"と書きましたが、僕らの店は正直そんな段階ではなく、まだまだ数値化されるものを向上させる必要があります。

これは僕が消費者の立場だった頃に振り返りますが、アウトドアを楽しむための道具を探しても地域内で販売がされてない。
それが故に高い交通費をかけて買い物に出かけたり、出張のついでに都市部のアウトドアショップに出かけては買い物をしたりすることで、道具を購入して試していました。

宮崎県というエリアは山川海と自然に恵まれているにも関わらず、山間部で楽しむための良い道具が販売されていないという、そんな状況は自分で店を営むようになって6年が経ちますが、まだ改善の余地だらけであり、商圏内のお客様にまだまだ楽しんで頂かなければと思っていますが、それには投資をする資金が必要なため、毎年苦労しながら少しずつの改善や向上を繰り返しています。

衰退気味な地方での成長

"良いモノ"とはという定義はここでは置いておき、僕が店を営む宮崎県では人口は減少する一方。それをただ指を咥えて眺めている訳にも行かず、僕らは一生懸命に事業を行いながら広域に魅力を伝えていくことで、お客様の暮らす宮崎県という場所が、より良い場所になればと夢見ている訳ですが、衰退気味な地域の中では、どうも「頑張って変えて行こうじゃないか」という雰囲気より「頑張っても無駄だしな」という声が目立ちます。

そんな声を聞くと、個人的には「住んでいる人がそれを言ったら終わりだ」と気にしないようにしていますが、現実的な問題として長い将来を考えた時にひとりひとりが変えようとして行かずしてどうするんだと、僕は宮崎生まれではないのですが、どこかそういう風に感じるのです。

そして人口が減少していく中で、店にお越しいただく方は増やして行かねばならないと、何だか矛盾しているようなことを時折感じては「伸び代の多い場所に移るべきか」と頭を悩ませます。

そして毎度考えることが「フィールドの質はこの場所がいいんだよな」と踏みとどまったり、お客様に言われる「君の店がなくなると困るんだ」という声であったりする訳で、頑張れる間は頑張るべきだなと奮闘するわけです。

変化した海周辺の環境

そんな時僕が元気をいただくのは、宮崎県の海周辺の環境。
人口が衰退する地域の中でも大きな発展を遂げ、移住や二拠点生活を行う方が増え、賑わうようになっていることを山間部がフィールドな僕の耳にも届きます。

"頑張っても無駄"なのであれば、頑張ったら成果のある場所に移るのが僕の性分ですが"頑張らずに無駄と判断する"のは、さらに嫌だという性分で、能力がない癖にこういうことを思うが故に6年間も奮闘しています笑

まだまだ試行錯誤と奮闘の日々

「こりゃダメかもな」と思う事は事業を営んでいますと定期的にあるものですが、日頃店を支えてくださる温かい方々の顔を思い浮かべると「それを何とか回避せねば」と勇気をいただく訳ですが、試行錯誤の繰り返しを行うことで意図せずに遠方からお越しくださる方が増えたり、宮崎県以外のお客様の来店や購買が増えるように。

最近ではフィールドにご一緒させていただく方が、宮崎県の方よりも県外出身の方が増えた印象がありますが、どういう形であれ「ここは良い場所だ」と言われることが長く店を支えてくださる馴染みの方々にとって、誇りとなればいいなと思うのです。

若者がチャレンジしたがるという夢

店を出して6年も経過すれば、だんだんとオヤジ化していく訳で"若い方々の知恵や柔軟性には敵わないな"と感じることも。
そして最近では自分が先陣を切ってと言うよりも、若い方々が「自分もチャレンジをしたい」と、そんな意見が生まれてくるような場所になればなと夢見るようになりました。

たかが6年という期間ですが、お客様の中には山間部というフィールドの中で案内業を行ったり、情報発信を活かして収入を得たり、山間部で新たな事業に取り組む方も目立つように。

そんな若い方々がもっと増えて活気付くと良いなと、オヤジ化した僕は常々思いながら、また今日も一生懸命に少ない知恵を増やせるように勉強するのであります…汗

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